2000年12月15日(金)「しんぶん赤旗」

来年度予算、野党関係など

CS放送朝日ニュースター

志位委員長が語る


 日本共産党の志位和夫委員長は十四日、CS放送朝日ニュースターの「各党はいま」に出演し、森内閣がすすめる省庁再編や予算編成、来年の通常国会、参院選挙に臨む方針、野党間の関係について、小林暉昌朝日新聞政治部編集委員の質問に答えました。


相変わらずの
逆立ち予算編成

 志位氏は、本格化してきた来年度の予算編成について、「公共事業に年間五十兆円、社会保障には年間二十兆円というこの逆立ち財政を変えるというのが私たちの一貫した財政転換の方向だが、こんどの予算は相変わらずの予算だなという感想だ」とのべました。中身として公共事業でも、本予算で国費ベース前年度と同じ九・四兆円の予算を組む上に、公共事業予備費として三千億円組むことをあげました。

 志位氏は、「予備費というのは、いわばつかみ金で、どこにでもばらまくためのお金。それを三年連続で組むというやり方に象徴されるように、ゼネコン向けの公共事業にどんどんお金を積み増すやり方は変わらない」と指摘。

 一方で、国民が一番望んでいる社会保障の面では、介護、年金、医療のすべてで負担増のオンパレードが続くというのがいまの状況だとして、「日本の経済や景気の全体を考えれば、逆立ちを変え、思いきって無駄な公共事業にメスを入れ、軍事費についても思いきって縮減する。そして、本当に財政の主役を社会保障と暮らしに切り替えるということを、私たちは正面から問題にし対案を示していきたいと思う」とのべました。

野党選挙協力には
3つの条件が必要

 野党間の選挙協力について問われた志位氏は、「選挙(協力)の問題については、三つの条件が必要で、一つは協力する意志があるということ。二つ目は基本政策の一致。三つ目は対等平等、ギブ・アンド・テークという考え方だ」とのべたうえで、「こうした考え方で七〇年代に社会党との間で国政レベルの選挙協力をおこなった経験があるが、現在、そういう条件があるわけではない」と指摘。「基本政策の違う同士が無理に結べば、与党からも野合だといわれる。そうではなくて、選挙では野党間で、自公保政権の延命を許さないという点では共通の基盤に立ちながら、大いに競争する。今の段階では野党間(の関係)はそういう整理をしてやっていきたいという考えだ」とのべました。

 さらに志位氏は、「大事なことは、自公保に厳しい審判を下すというだけではすまず、自公保の政治をやめさせたうえで、いったいどういう新しい政治をつくるのか、政治の中身の議論が大事だ。この中身をぬきに政権交代さえすればいいという議論は、前の非自民政権ではあまり実を結ばなかった。憲法の問題でも、社会保障の問題でも、消費税の問題でも、政治の中身の議論を野党間でもしっかりすすめていくことが大事だと思う」と強調しました。