2001年3月6日(火)「しんぶん赤旗」

森首相と自公保政治そのものに
不信任案をつきつける

日本共産党国会議員団会議

志位委員長のあいさつ


 五日、本会議に先立つ日本共産党国会議員団会議での志位委員長のあいさつ(大要)は次の通りです。

 

森首相への不信任案であるとともに、自公保政治への不信任案

 これから衆院本会議で、野党四党提出の内閣不信任案が採決されます。

 こんどの不信任案は、森首相に対する不信任案であるとともに、自公保政治そのものに対する不信任案を、私たちは突きつけたということです。

 森首相には、首相の資質も資格もなしというのは、もはや国民の圧倒的多数の認識です。イギリスの『デーリー・テレグラフ』というマスコミからは、「世界史のなかで最も人気のない首脳」(笑い)という言葉まで献上されているようですが、この首相におよそ国政を預かる資格はないというのは、これはもう圧倒的多数の国民の声だと思います。

 同時に、ことは、首相個人の問題にとどまらない。そういう首相をまずつくり、ずっとかばい続け、いまなお今日の本会議でもかばいだてようとしている、自公保全体の責任に対して厳しい断罪を国民的に下さなければなりません。

 いまの国政上のあらゆる問題―KSD汚職をとっても、「機密費」の問題をとっても、あるいは原潜事故への対応の問題をとっても、さらには株価の大暴落に示されるような経済問題をとっても、どの問題をとっても、もちろん森首相の個人の責任はありますけれども、自公保全体の政治がゆきづまり、国民的に“総不信任”が下されているというのが今の状況です。私たちは、国民の八割、九割の声をしっかり代弁して、堂々とがんばりぬきたいと思います。

 

与党側に最も打撃が大きいときに行使を――不信任案提出についてのわが党の立場

 そのうえで、不信任案提出にいたる野党間の協議の経過について、簡単に報告しておきたいと思います。

 私たちは、不信任案の取り扱いについて、三つの立場を鮮明にして、三月二日の野党の党首会談に臨みました。

 一つは、不信任案というのは、野党というのは国会で少数であるわけですから、それを行使するときに、与党側に最も打撃が大きいときを見極めるということです。与党側がたとえ否決したとしても、与党側の傷口が広がって、国民との矛盾が大きく広がるタイミングを、よく見極めて、これは行使すべきだというのが、第一点です。

 二つ目に、そういう立場で考えますと、これから参院での予算案の審議が始まるわけですから、この場が大切になります。明日(六日)からテレビ中継をいれた総括質疑が始まって、筆坂政策委員長も論戦を準備していますが、そこから始まって参院の論戦があるわけです。国会がもうこれで終わり、というのだったら別ですけれど、国会はずっと続いて、これから一太刀も二太刀も相手に浴びせて、さらに論戦で追い詰めていく機会があるわけですから、徹底的にその努力をやることが、いまの中心点です。

 三つ目に、そういう努力を尽くさないまま、当初の案は二日の夕方出すという案だったのですけれども、「そういうやり方をするのは、適切だと考えない」と、はっきり私は申しました。

 党首会談では、ずいぶん議論になったんですけれども、最後は、他の野党は、二日の夕方提出ということを了とするという方向になりました。

 私は「時期は適切だと考えない」という立場を重ねてのべました。ただ、不信任案の共同提出ということについては、国民の「野党は共同して頑張ってほしい」という声があるわけですから、その声にこたえて行動は統一する。しかし、考え方は、私たちはそういう考え方であるということを最後まではっきり申しました。

 そして、不信任案提出の最終的な細かい段取りは、鳩山代表に一任したというのが、二日の党首会談でした。

 

野党協議のなかでも、国民の立場にたって言うべきことをきちんと言い、スジを貫く日本共産党の立場

 ただ、その後、民主党が党内に持ちかえって、「こういうことになった」と報告したら、今度は民主党のなかから、いろいろと異論が噴き上がってきて、「きょう(二日)の夕方、提出しても、与党は口をあけて否決するのを待っている。だから、出してもすぐ否決されるだけではないか。そういう戦術はあまりにもおかしい」という話が、どうも民主党のなかから出たようで、そして、軌道修正ということになって、先方のほうから、「二日の夕方は、やめにしたいと思います。五日にしたい」ということで、話がきたそうです。これは、もう(民主党に)一任してあるわけですから、むこうからそういう形で理解を求めてきたわけです。結果として、道理ある方向に、一歩ではあるけれど近づいたということはいえると思います。

 私たちは、野党協議のなかでも、私たちの立場として言うべき点はきちんと言い、国民との関係で自公保をしっかり追い詰めていくために、一番適切な時を見極めてこの手段を行使するということを、一貫して追求してきたということを、ご報告しておきたいと思います。

 きょうの本会議で、与党の側は、否決するという方向で、対処するでしょうけれども、否決したら否決したで、その責任は、与党の側に厳しく問われることになります。国民の声を代弁して、堂々と最後まで頑張りぬきたいということを申し上げて、ごあいさつといたします。(拍手)




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