2001年3月9日(金)「しんぶん赤旗」

“きれいな力”を一つに集めて新しい県政を

千葉県知事選 志位委員長の訴え


 八日、千葉県知事選の応援にかけつけた日本共産党の志位和夫委員長は「千葉県政の進路とともに国政に対する県民の意思表示の大事な機会です」と述べ、「自民党政治の末期的な腐敗」としてKSD汚職と機密費問題をとりあげました。

 KSD汚職では、中小業者から吸い上げたお金が自民党本部だけでなく、千葉県連にも還元され、党費肩代わり分として九年間で四千万円が入るなど県連も“丸ごと汚染”されていると指摘。「汚れたお金にまみれた勢力に担がれた候補に県政を担う資格は絶対にない」と強調しました。

 機密費問題では志位氏が衆院予算委員会でとりあげた「上納」「党略的流用」を示す内閣官房文書をマスコミもとりあげ、さらに党の独自の筆跡鑑定を突きつけたことを紹介。「共産党だけは取りに来ない」との歴代官房長官の証言も示しました。

 そして、「汚いカネの力で政治をゆがめるのが二つの事件の共通点。こんな政治を終わりにするために、県民の力と、『明るい会』の力、企業・団体献金にも政党助成金にもKSDマネー、そして機密費にも一切無縁の清潔な日本共産党の力を一つに集めよう」と力説。「『きれいな力で新しい日本、新しい千葉県を』を合言葉に、河野さんへの一票で自民党の腐敗政治に厳しい審判を」と呼びかけ、大きな拍手がわきました。

 知事選の争点について志位氏は、「二十年の沼田県政を支えてきたのは自民党だけでなく、公明、民主など国政では野党も含め、日本共産党以外の『オール与党』。この自民党県政を継承するか、大もとから変えるのかが、ずばり知事選の焦点です」と強調しました。

 知事選には四人の有力候補が立っています。自民推薦候補は「沼田県政継承」をはっきり述べ、民主・社民推薦候補も「継承」。旧さきがけ候補は「いいところも悪いところもあった」と言い、幕張新都心など県政で大問題の巨大開発について「先進性があった」という態度をとっています。

 志位氏は、自民党・沼田県政を巨大開発優先、県民の暮らし犠牲の“逆立ち”県政として正面から批判し、「“逆立ち県政”を大もとから変えようと主張しているのは河野さんただ一人です」と力説。

 そのうえで、沼田知事が県政を振り返って自画自賛している「幕張メッセ」「かずさアカデミアパーク」「東京湾アクアライン」という三つの巨大開発はいずれも破たんがはっきりしたものばかりだと述べ、「こんな路線を『継承』する候補にとうてい千葉県の未来をたくせないことは明らかです」と訴えました。

 なかでも環境問題では、豊かな漁場であり、国際的な渡り鳥の中継地、そして水質浄化の役割も大きい三番瀬の埋め立てが大争点だと指摘しました。市民の運動で県は計画を七分の一に縮小しましたが、あくまで「埋め立て」を主張しています。

 志位氏は、計画をきっぱり中止できるか大事な正念場を迎えていると述べ、他の四人の候補が公開討論会(五日)で、自民候補が事実上の「推進」、民主・社民推薦と旧さきがけ候補は「見直し」で、「明確に埋め立て計画反対を打ち出したのは河野氏」と報道されたことを紹介。「自然破壊の巨大開発はストップというのが全国の大きな流れ。『三番瀬を守れ』の声をたくせるのは河野さんただ一人です」と力をこめ、大きな拍手に包まれました。

 くらしの問題でも税金が福祉に回らず、住民に冷たい姿勢をとっていることを老人医療費助成、介護保険、私学助成などの分野で具体的に告発。「政治の姿勢を変え、県予算一兆六千億円の一%を振り向ければ、六十八歳からの医療費助成、介護保険の減免、就学前までの乳幼児医療費助成、三十人学級が実現できる」と訴えました。

 最後に志位氏は、「巨大開発優先、県民のくらし犠牲の自民党・沼田県政の『継承』を宣言する二人の候補には県政を任せられない」と強調。もう一人の旧さきがけの候補について、「どういう政治家かは国会で試され済み」だとして、さきがけの代表として消費税引き上げをすすめ、健康保険本人二割負担、女子保護規定の撤廃、大企業減税、原発立地推進法、老人医療費一割負担などに賛成した事実を示し、「これで環境や福祉を守れるか大いに疑問だ」と指摘。「これに対し、河野さんは別の意味で試され済みの人です。住民のための医療に献身し、全国にさきがけて訪問看護への自治体助成を実現させた人です。みんなの力で必ず知事に押し上げていただきたい」と力説し、大きな拍手と声援に包まれました。




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