2001年3月22日(木)「しんぶん赤旗」
志位和夫委員長は二十一日の横浜での演説で、森首相の“退陣劇”と日米首脳会談をとりあげ、自民党政治のでたらめぶりを告発したあと、KSD汚職と機密費疑惑を解明し、日本共産党が今度の参院選で「きれいな力が日本を変える」を合言葉にしていることの重要性を強調しました。
そして、日本共産党が経済の問題でも、外交、教育の問題でも、「日本改革」の提案を具体的に明らかにしていると述べ、なかでも経済危機打開の問題では、自民党の「経済失政」を告発し、その打開を示す三つの緊急の提言をくわしく紹介しました。
志位氏は「日本改革」の提案のなかで、「神奈川ではどうしても訴えておきたいこと」として、米軍基地の問題をあげました。日本共産党は安保条約を国民合意でなくすことを大目標にしているが、同時にそれ以前にも、解決すべき問題には、安保条約に対する態度が違ってもともに取り組む政党だと強調。米軍基地問題で、「もうがまんがならない」という新しい流れが広がりつつあると述べました。
その第一は、NLP(夜間離着陸訓練)をやめようという流れです。青森の三沢市についで、大和市が「米海軍との友好中断」を宣言、大和市で関係五市長の緊急の「被害サミット」が開かれました。その結果、米海軍は今年二月、訓練の全日程を中止。事前通告しながら厚木を使わなかったのは初めてでした。
第二は、沖縄での「海兵隊削減」の決議などの動きです。県議会での海兵隊削減決議につづき、米軍司令官の「ばかな弱虫」という暴言が火に油を注いで海兵隊の撤退、削減決議はその後十七市町村議会に広がりました。
志位氏は、「NLPをやめよ」「空母母港化返上」での運動を呼びかけるとともに、「全国の米軍基地に苦しむみなさんが立場の違いをこえて連帯し、米軍の横暴勝手をやめさせよう」と訴え、大きな拍手と声援に包まれました。
志位氏は最後に、十五日の野党党首会談で暫定政権の問題が提起されたことに関連し、日本共産党の政権についての考えについて述べました。
志位氏は、「二十一世紀の早い時期に外交、経済などすべての分野で民主的改革を実行する政府――民主連合政府を樹立することが私たちの政権の目標」だと述べるとともに、「それ以前にも、与党勢力が大敗し、自民党政治を変える『よりまし』の一致点が確認されれば、野党の連立政権に参加する用意があるという方針に変わりがない」ことを表明。
そのうえで志位氏は、「自民党政治を倒すというさいに、担い手はかえたが、中身は変わらなかったということではだめです」と強調しました。
この点では「非自民」といいながら「自民党政治の継承」だった細川政権の失敗という国民的教訓があることをのべ、「自民党政治をこう変えるという政治の中身こそが問題です」と訴えました。
現状で、野党間に「自民党政治をこう変える」という政治の中身での合意があるわけではないこと、経済危機打開の緊急の対応についても日本共産党と他の野党には大きな立場の違いがあると指摘。野党党首会談で暫定政権構想が提案されたときに、志位氏が「条件がない」といったのは、政治の中身での合意ぬきに政権合意を結ぶのは、責任ある政党のとるべき態度ではないし、相手からの攻撃のえじきになるだけだからと述べました。
志位氏は「いま大切なことは、野党のそれぞれが『自民党政治をこう変える』という政治の中身を示し、それぞれなりに自民党政治をおいつめ、参院選できびしい審判をくだすことだ」と述べ、「野党のそれぞれが『自民党政治をこう変える』という政治の中身を示せば、それを土台に、どこが一致するかの具体的な議論もできる」と指摘。「そうしたなかでこそ、しっかりした根を持った野党協力ができる」と述べました。
そのうえで、「どの分野でも、自民党政治に変わる新しい日本をどうするのかという展望をはっきり示している党が日本共産党です。この党を大きく躍進させることこそ、二十一世紀に『国民が主人公』の新しい日本をつくる一番たしかな保障があります」と訴えました。
そして、「比例区では日本共産党の躍進、選挙区では、前回の畑野君枝さんにつづき、むねた裕之候補をみなさんの大きな力でおしあげていただきたい」と力説、宣伝や対話でやるべきことをやりつくす協力を呼びかけると、参加者は大きな拍手と声援でこたえました。