2001年4月13日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は十二日、国会内で記者会見しました。自民党の総裁選について問われた志位氏は、「四人の候補に共通しているのは、一九九七年四月に消費税の五%引き上げをはじめ、九兆円の国民負担増を強行したときの第二次橋本内閣の閣僚だったということだ。経済失政に共同の連帯責任を負った“大不況四人組”だ」と指摘しました。
当時、橋本龍太郎氏は首相、小泉純一郎氏は厚生相、亀井静香氏は建設相、麻生太郎氏は経企庁長官をつとめていました。
志位氏は、「ただ閣内にいたというだけでなく、四人とも経済運営に深くかかわった閣僚だ。小泉氏は医療費の二兆円負担増の執行責任者だったし、亀井氏は国民には負担増を押し付けながら、無駄な公共事業のばらまきをおこなった当事者だ。麻生氏も経企庁長官として、“景気は回復傾向にある”として、消費税を上げても大丈夫という立場だった」と述べ、「経済を担う資格に根本的に疑問符がつく人ばかりだというのが印象だ」と指摘しました。
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また、亀井氏が消費税減税を主張していることについて志位氏は、「私たちが発表した経済危機打開の提言の最大の眼目は、消費税を三%に引き下げる五兆円減税だった。この提言が広い反響と共感をよびおこすなかで、自民党の一部ではあるが、消費税減税を問題にせざるをえなくなったということは、私たちの立場に道理があったということであり、私たちの提言がもっとも説得力を持つ方策だということを裏づけているという意味で注目している」と述べました。
森喜朗首相の後継を選ぶ自民党総裁選で十二日、立候補届け出が行われ、橋本龍太郎行政改革担当相、小泉純一郎元厚生相、亀井静香政調会長、麻生太郎経済財政担当相の四人の顔ぶれが決まりました。いずれも森自公保政権を閣僚や党三役、派閥会長として支えてきた人物で、橋本内閣で九兆円負担増を強行したときの首相と閣僚が勢ぞろいした形になりました。
党本部での共同記者会見で、橋本氏は九兆円負担増が「不況の原因の一つになっている」と誤りを認めましたが、他の三氏はその失政の責任に言及しませんでした。
亀井氏は、国・地方合わせて六百六十六兆円の借金にマスコミ、政治家などがひるんでいる、などとして公共事業の前倒しなどを強調。小泉氏は、「構造改革なくして景気回復はない」と主張しました。
消費税減税について、立候補の会見で掲げていた亀井氏は、「私は消費税を三%にすることを公約にするといったことは一度もない」とトーンダウンさせました。他の三氏は、「考えない」(橋本氏)、「(税率を)引き下げる必要はない」(小泉氏)、「五%を三%にして、百五円が百三円になっても消費は基本的に増えない」(麻生氏)と反対しました。
自民党丸ごと汚染が問われているKSD疑獄では、小泉氏が「反省しなければならない」と言及しましたが、他の三氏は一言もふれませんでした。