2001年6月4日(月)「しんぶん赤旗」

真相の徹底的な究明、責任の明確化、再発防止を

志位委員長が「えひめ丸」事件で訴え


 松山市で開かれた三日の日本共産党演説会で志位委員長は、米原潜による「えひめ丸」の衝突・沈没事件にふれ、アメリカに追随する小泉内閣の外交姿勢を厳しく批判しました。

 志位氏は、「事件から四カ月がたつのに責任究明のないまま事件を幕引きしようとしているのが、日米両国政府。強い怒りが広がっている」と述べたうえで、日米政府がとった四つの問題点をあげました。

 第一は、事故を起こした前艦長を軍法会議にかけない決定を下したことです。志位氏は「前艦長に恩給までつけたこの決定は、どうしても許すわけにはいかない」と怒りを込めて告発。

 第二は、民間人体験搭乗に関して、米海軍が続行を決めたことです。

 第三に志位氏は、米海軍が行った審問委員会の記録をみると、衝突直後、原潜が救助しなかったことをやむをえないとするなど、「全部海軍の都合のいいようなでたらめな審問委員会の報告で幕を引こうというのがアメリカの態度」と説明しました。

 第四は、日本政府が事件発生後も米政府に、「感謝する」「責任は明確にされた」という態度をとったことです。

 志位氏は「日本政府の姿は事件発生直後から一貫してアメリカ軍いいなりだった。米原潜が救助しなかったこともやむをえないという態度だった」と厳しく批判。「国民の命を守り、平和を守るために外交はあるのではないか。それができない外交は外交の名に値しない。この点でも自民党政治は政権失格だ」と述べ、徹底的な究明、責任の明確化、再発防止、ストレス障害で苦しむ子どもや家族への支援は政治の責任で行う必要があり、「そのために日本共産党は力をつくします」と決意を表明しました。




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