2002年2月5日(火)「しんぶん赤旗」

国民が解明を求めている問題に責任者としての自覚も反省もない

施政方針演説、志位委員長が感想


 日本共産党の志位和夫委員長は四日、国会内で記者会見し、小泉純一郎首相の施政方針演説をきいた感想を語りました。

 NGO(非政府組織)排除と外相更迭問題、公共事業に絡む「口利き」疑惑、狂牛病(BSE)問題は、「国民が首相の見解、反省を求めている三つの問題」だが、これらについて一言の反省もなければ、政府の責任者としての自覚もない演説だったと指摘。

 また「構造改革」の言葉が何度も繰り返されたが、「『構造改革』をやった後にどういう日本ができるか、さっぱり展望のない演説だ」と批判しました。志位氏は、竹中平蔵経済財政担当相が経済演説で「人は経済成長や付加価値の源泉だ」と述べたことをあげ、「人間を企業の金もうけの道具と位置づけるのが『構造改革』だという考え方が赤裸々に示されていて印象深い」と強調。

 その上で、「リストラ推進でも、不良債権の処理推進でも、人間不在の冷酷非情な弱肉強食の社会をつくりだしてしまうのが『構造改革』だということが、(政府演説)全体を通じてよくみえてきた」とのべました。

 さらに施政方針演説で小泉首相が示した有事法制について、「いったい何を想定して、なぜいま必要なのかという説明がまったくない」と指摘。日米共同の海外での戦争に日本を総動員する体制づくりという本音を隠したまま、“有事立法先にありき”でおし通す危険な動きを厳しく批判しました。

 また、小泉首相が、昭和天皇の歌を演説の結びに引用したことについて、「侵略戦争の結果としての『国土の荒廃』を『厳しい冬の寒さ』と自然現象のようにみなして、『祖国再建』にたちあがったという首相の言葉には、戦前の歴史への反省がまったくない」と批判しました。