2002年2月8日(金)「しんぶん赤旗」

これを放置して何が改革か

志位委員長代表質問


 日本共産党の志位和夫委員長は七日の代表質問で、小泉政権の政治姿勢にかかわる三つの重大問題についてただしました。


NGO排除問題

 志位 “族議員”といわれる政治家の一声で一国の外交、ODA(政府開発援助)の使途まで左右される――こうした国政私物化の異常な実態を放置しておくつもりか

 首相 ODAの使途について、さまざまな議員が意見を言ってくることを否定するものではないし、結構なことだ

 アフガニスタン復興支援会議から一部NGO(非政府組織)が不当に排除された問題で、志位氏は、NGO代表者の発言や外務省と首相自身の国会答弁から、鈴木氏の圧力は「すでに明りょう」だとのべました。

 「今後(外務省への)鈴木(宗男)議員の影響力は格段に少なくなるでしょう」と先にのべた小泉首相に対し、志位氏は「裏を返していえば、これまでは鈴木議員が外務省に『格段』の影響力をもっていたということだ」と指摘。首相の責任で究明し「国民と国会に報告すべきだ」と迫りました。

 しかし、小泉首相は、“議員が意見を言うのは勝手。役所が適切な判断をすればいい”との無責任な答弁を繰り返すだけでした。

公共事業の「口利き」疑惑

 志位 総理は、党総裁として、疑惑究明を「自ら」の問題として、責任をもっておこなうべきだ

 首相 個々の政治家がきちんと説明し、対応していくのが基本。そのうえで国会としてどのような対応が必要かよく議論していただきたい

 自民党の加藤紘一元幹事長の秘書などが公共事業の受注に介入し、多額の「口利き」料をせしめていた疑惑。党総裁としての疑惑究明の責任をただした志位氏に対し、首相は個人に責任を押し付ける無責任な姿勢をみせました。

 今回の事件と同様に政治家が公共事業に介入した「金丸ゼネコン事件」(九三年)のとき、当時の宮沢喜一総裁(首相)は、自民党の両院議員総会(九三年四月二日)で「自らカネの問題にまつわる悪弊の根を断ち切る」と国民に約束しました。それにもかかわらず実行されなかったのは、「企業・団体献金という諸悪の根源に切り込まなかったからだ」と志位氏は指摘。企業・団体献金の禁止を迫りました。

 小泉首相は「必ずしも悪とは思っていない」と開き直りました。

狂牛病(BSE)問題

 志位 自分たちに都合の悪い(EU=欧州連合=の)評価には根拠ない抗議を続け、あげくのはてに評価をやめよという。これが国民の命に責任をおう政府のとるべき態度か

 首相 結果的に、昨年九月に(BSEの)発生をみたことからすれば、EUの指摘も踏まえて発生時に備えた対応等について、危機意識をもって検討をする必要があった

 志位氏は、BSEの問題で、WHO(世界保健機関)、EU委員会が繰り返し警告したにもかかわらず、日本政府が肉骨粉の法的禁止をおこなわず、行政指導にとどめてきたことが今日の事態を招いたと指摘。「とりわけ重大なのは、これが過去の内閣だけでなく、小泉内閣でも引き継がれてきたことだ」と述べ、EU委員会の警告を聞くどころか逆に抗議、評価作業の中止を申し入れた責任を追及し、武部勤農水相の更迭を求めました。

 しかし、小泉首相は「農水相は、今後とも職責をはたしてもらいたい」と、同相を擁護しました。