2002年2月8日(金)「しんぶん赤旗」

健保3割負担

政府・与党にきしみ

志位氏指摘 国民の運動が追いつめている


 サラリーマン本人の健保三割負担の引き上げ時期をめぐり来年四月実施の小泉純一郎首相と、四月以降の実施を求める自民党厚生族との調整が七日も決着がつかず、対立が深まっています。同日、自民党族議員の背景には厚生労働省の後押しがあると見た首相は「厚労省も抜本改革を嫌がっている。役人も痛みを分かち合ってほしい。今まで『三方一両損』だったが、『四方一両損』だ」とのべ、同省批判を強めました。

 これにたいし七日の自民党医療関係部会は、改めて「来年四月実施」に反対する方針を確認しました。「部会の議論に関係なく(法案を)国会に提出するなら国会議員としての責務を果たすまでだ」と採決反対を思わせるような意見まで飛び出しました。

 法案の提出期限は今月十五日。厚生労働省の近藤純五郎事務次官は、十五日までの決着の可能性について「やってみなければわからないが、そんなに明るくない」とのべ、厳しい見通しを示しました。

 健康保健本人の三割負担導入の時期をめぐり、小泉内閣と与党の間で「調整」が続いている問題で、日本共産党の志位和夫委員長は七日、記者団の質問にこたえ、「(三割負担導入への)国民の怒りがたいへん強く、自民党内であってもその影響を受けざるをえない状況がある」と語りました。

 そのうえで、志位氏は、三割負担導入の先送りを主張している与党議員も「引き上げそのものには反対しているわけではない。条件闘争のような形で提起しているという問題がある」と指摘。同時に自民党内に亀裂が入っている状況について「それだけ国民の運動で追いつめているということであり、たたかいの大事な正念場だ」として、「いろんな形で医療改悪反対の国民的な運動を起こしていきたい」とのべました。