2002年2月17日(日)「しんぶん赤旗」

21世紀の展望示す日本共産党とともに

いまこそ暮らし支える政治を

大阪「躍進のつどい」に1万3千人

志位委員長が訴え


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志位和夫委員長の話を聞く会場いっぱいの参加者=16日、大阪城ホール

 「日本共産党躍進のつどい」(党大阪府委員会主催)が十六日、大阪城ホールで開かれ、「日本と世界はこれからどうなるのか、志位さんの話を聞きにきた」という人など電車で、地下鉄で、バスでかけつけた一万三千人の参加者が会場を埋めつくしました。ボニージャックスのコーラス、渡辺武前大阪城天守閣館長の激励、長尾淳三東大阪市長のあいさつにつづいて、志位和夫委員長が講演しました。

 「日本を見ても、世界を見わたしても、新しい世紀に、新しい政治がおこってくることを予感させる激動が目の前ですすんでいます」。志位委員長は、「自民党政治は二十一世紀の日本の担い手としては、もはや“耐用年数切れ”となった」と述べ、世界ではアメリカの横暴勝手に反対する新たな動きが生まれていることを語りながら、この激動で果たす日本共産党の役割を縦横に明らかにしました。

 NGO排除と田中外相更迭を契機に、国民の多くが“小泉内閣の正体みたり”との思いを強くしているなか、政府が「鈴木宗男衆院議員の関与はなかった」と事実を偽る態度に出ていると指摘。衆院予算委員会で佐々木憲昭議員が明らかにした鈴木氏の海外援助、ODA(政府開発援助)の私物化の実態は、政府の見解を根本からひっくり返し、「関与だらけの事実を示した」と述べ、「これ以上真相隠しをやるなら首相も同罪、資格なしという判定を国民からつきつけられるでしょう。徹底した真相解明で腐った利権政治を日本の政治から一掃を」とよびかけると、大きな拍手に包まれました。

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記念講演する志位和夫委員長=16日、大阪城ホール

 深刻な経済危機に対して小泉内閣が対応不能におちいり、中小企業つぶしや医療大改悪などを進めて国民経済に責任をおわないと告発した志位氏は、「こういうときこそ、国民の暮らしを支える政治の役割が必要」と強調し、代表質問でとりあげた雇用、社会保障、税制の「三つの提案」を紹介しました。

 「質問を準備しながら痛感したこと」として志位氏は、ヨーロッパに比べて日本は同じ資本主義国でも、リストラの横暴勝手、社会保障の貧困という点でゆがみがひどいこと、小泉「構造改革」の根っこに人間を企業のもうけの道具としかみない思想があることをあげました。

 ドイツ、イギリス、フランスでは医療機関に会計窓口がなく、少額の負担も後で請求する仕組みになっており、安心して受診できるとの話にはどよめきが。「人間は企業のもうけの道具ではない、人間は人間として大切にされなければなりません。そのために働くことが、政治の責任ではありませんか」との訴えに大きな拍手がおきました。

 世界の動きで、志位氏は、アフガンへの報復戦争に東南アジア諸国から反対の声があがり、この地域でおこっている「平和の激動は健在」であることが示されたと指摘。さらに、ブッシュ米大統領がイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけ、一方的な軍事力行使も含めて報復戦争の拡大を公言していることに、中国、ロシア、欧州諸国の政府が批判の声をあげていると述べ、「アメリカの横暴勝手は二十一世紀に通用しない。二十一世紀を平和の世紀にしうる展望は大いにあります」とよびかけました。

 日本共産党は、国際法にもとづく警察と司法の力でテロをなくそうと一貫して主張してきたが、この立場がいま輝いていると強調。一方、日本政府はEUのような見識のかけらもなく、「十八日の日米首脳会談で小泉首相がブッシュ大統領にどこまでもついていく態度を示せば、憲法破りだけでなく、国際法のうえでも無法国家に転落する」と警鐘を鳴らし、「恥ずべき追従外交でも、自民党には二十一世紀の日本を担う資格なしとはっきりいいたい」と訴えました。

 志位氏は、古い勢力がどんなに行き詰まっても、古い担い手にかわる、新しい担い手がその力を大きくしないと政治はひとりでに変わらず、そこに日本共産党の役割があると力説。綱領路線と規約にしめされた日本共産党の姿勢を縦横に語りました。

 「アメリカ型資本主義」を世界に押しつけるグローバル化が貧富の格差の深刻さを空前のものとしているなかで、「この世界のどこかで次のマルクスが歩いている」との見方が米政府の元高官から語られ、二〇〇〇年の国連社会サミット特別総会でも「グローバル化で地球人口の半分以上がかえって貧しくなり、貧富の格差が劇的に広がっている」と分析していることを指摘。利潤第一主義という資本主義の矛盾をのりこえ、人間が社会の主人公となる社会をめざす日本共産党の立場を明らかにし、「人間的な連帯で結ばれたネットワークを広げようではありませんか」と、入党と「しんぶん赤旗」の購読、選挙での勝利をよびかけました。

 第二部の開会にあたって山口勝利府委員長があいさつしました。

 知り合いに誘われて参加した看護婦の女性(29)は「小泉首相の『医療改革』は患者さんたちを痛めつけるものであることが志位さんの話でよくわかりました。国が社会保障を大切にする提案も賛成です。人間を大切にする政治を実現してください」と語り、「しんぶん赤旗」日曜版購読もすることになりました。

 十八歳の男性は「友人の親もリストラされたいへん。志位さんの話を聞いて世の中の仕組みがわかった。ぼくも政治を変えるためにがんばりたい」と入党を決意しました。