2002年3月18日(月)「しんぶん赤旗」

松川さんで「市民が主人公」の新しい政治おこそう

横浜市長選 志位委員長が応援


 十七日告示の横浜市長選挙(三十一日投票)には、四人が立候補し、事実上、松川康夫候補=無所属、新、日本共産党推薦=と、現職で四選をめざす高秀秀信候補(72)=自民党、公明党、社民党、保守党推薦=、民主党一部国会議員が支援する中田宏候補(37)=前衆院議員=の有力三氏の争いになっています。

 横浜駅西口を六千人が埋めた街頭演説では、神奈川労働弁護団の岡田尚会長、山手の歴史と文化を守る会の村田直子さん、公害・環境問題懇談会の小池信太郎幹事長が応援・推薦演説。

 松川候補は、「大型開発を抜本的に見直し、新しい財源を生み出し、全国最低水準の福祉の改善、生きるか死ぬかに追いやられている人たちを救済するために緊急出動を」と強く訴えました。

 応援演説にたった志位委員長は、市長選の対決軸について、「高秀自民党市政の継続か、松川候補で『市民が主人公』の新しい二十一世紀の横浜市政をつくるのかにある」と強調しました。松川さんが、海洋環境の専門家で、東京湾の三番瀬埋め立てや島根の中海干拓の中止に大きな貢献をしたことを紹介。「環境を大事にする力をもっている人は、同時にいのちや暮らし、教育、中小企業の営業を守る力をもっている。みんなの力で市長におしあげようではありませんか」と訴え、大きな拍手に包まれました。

 志位氏は「国が悪い政治をおしつけてきたときに、市民の暮らしを守ってこそ市長といえる」と強調。医療費の値上げ、中小企業つぶしの「不良債権早期最終処理」、首切りリストラも「何でも結構」の現市長、小泉内閣応援団を自認している前衆院議員には「市民を守る意思も力もない」と批判。「国のやっている国民いじめの政治に、市民の立場にたって間違いは間違いといえる松川さんこそ市長にふさわしい人」と呼びかけました。

 志位氏は市政では、三つの大問題が争点だと指摘しました。

 第一は、暮らしの問題です。横浜市の財政の力は、人口一・五億人のロシアや二億人のインドネシアに匹敵する三兆二千億円。この財政力が暮らしを支えるために使われているかが大問題です。

 志位氏は、横浜市の国保料が政令市のなかでもトップクラスに高いことを告発。国保への市の財政支出を五年間で一人当たり一割削り、昨年には六万二千世帯から保険証をとりあげていること、二万四千世帯に、窓口全額払いになる「資格証明書」を発行し、枚数も政令市ではだんとつの一位であることを指摘。「命にかかわることで『制裁』を市民に科すのは絶対にまちがっている。松川さんで国保料を引き下げ、保険証をとりあげる血も涙もない政治を変えてもらおうではありませんか」と訴えました。

 介護保険でも、特養ホームへの待機者が制度前に比べ二千人も増加し、四千八百人。市の施設整備の計画では、五年後でも二千四百人しか増えず、いっそう深刻な事態になります。教育でも、五つの市立定時制高校をつぶし、一つに統廃合する計画を強行、ことし三月の入試では、六百人近くが不合格となる異常な事態がおきました。志位氏は、「行政の大失態です。定時制高校を平気でつぶして恥じないのは市長失格。定時制高校の大事な役割の尊重、継続と充実の願いは松川さんに」と訴えました。

 そのうえで、「住民の暮らしのためにあるのが自治体。その“本業”切り捨ての高秀市政はおひきとり願い、松川さんで市民の暮らしを支える市政を」と強調しました。

 第二は、浪費と環境破壊の巨大プロジェクトの問題です。現市政は、これに度外れて熱中し、「みなとみらい21」「南本牧の巨大ふ頭建設」という採算の見通しのない、二つの一兆円事業を推進しています。「みなとみらい」では国際会議場のマリン・ロビーの赤字の穴埋めに毎年十億円、ごみ真空輸送装置にすでに九十億円を投じ、ふ頭建設は六万トン以上の大型コンテナ船のためというのが口実ですが、いまあるふ頭でも九万トンの船に対応できるなど、専門家の判定でもまったく不要な事業です。

 志位氏はさらに、市内各所で反対運動が起きている高速・横浜環状道路の問題に言及。大気汚染、環境破壊でも、小学生のぜんそくが全国平均を三倍も上回るひどい状況にあるなかで、「子どもたちにいっそうの苦しみを与えるのはまちがっている」と告発。市の負担額も関連道路をふくめ二千億円になることを指摘しつつ、「これだけのお金があれば、国保料引き下げ、特養ホームの整備、定時制高校つぶしの撤回など福祉や教育にこそ使うべきです」と主張。「環境破壊、税金浪費、住民合意なしの高速道路計画は白紙に戻し、抜本的に見直すべきです。この声を松川さんに」と訴えました。

 第三に米軍基地の問題です。市内には八カ所の基地がありますが、上瀬谷基地の中の市有地の賃借期限がことし三月で切れます。志位氏は、「基地は遊休化しており、返還の絶好のチャンス」とのべ、「米軍の戦争の拠点にするな、基地のない横浜、神奈川をと堂々といえるのは松川さんだけです」と訴えました。

 最後に志位氏は、前衆院議員の候補について、「オール与党」の陣営が仲間割れして担ぎ出した候補で、巨大開発見直しにはいっさい言及できないなど、現市政と政策の違いはどこにもないと指摘。「『市民が主人公』の市政へ、ほんとうの市政改革ができるのは松川さんだけ。新しい文化発祥の地の横浜を、新しい政治の発祥の地にしよう」と呼びかけ、大きな拍手と歓声が駅頭にこだましました。