2002年5月2日(木)「しんぶん赤旗」

有事法制反対、暮らし守れ

第73回メーデー 熱い思い全国で

医療大改悪・リストラ阻み、腐敗政治の転換を

中央集会に8万人


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平和と暮らしを壊し、腐敗した小泉政治に怒るメーデー参加者=東京・江東区亀戸中央公園

 利権と腐敗にまみれ、国民のくらしと雇用を脅かし、日本を戦争へと導く小泉内閣の正体が日々明らかになるなか、第七十三回メーデーが一日、全国三百七十二会場で開かれました。中央メーデー集会では八万人(主催者発表)が東京・江東区の亀戸中央公園につめかけ、「雇用、くらし、命を守れ」「アメリカの戦争に国民を総動員する有事法制を許すな」の声を響かせました。

 空には「教え子を再び戦場におくらない」の全教のアドバルーン。「仕事をよこせ」と大書したムシロ旗や「国怪欺事堂」と風刺するデコレーションが立ち並びます。白いかっぽう着に「憲法九条を守れ」のタスキをかけた東京土建主婦の会の女性たち。戦中の「国防婦人会」を模した姿で暗い時代の再現を許さない決意を表します。

 式典で、中央メーデー実行委員会の小林洋二代表委員(全労連議長)が主催者あいさつし、日本共産党の志位和夫委員長、浅井基文明治学院大学教授が連帯あいさつをしました。

 「一兆円の負担を国民に押しつける医療改悪に医療団体の多くが反対している。国民が手を携えて阻止しよう」(保団連)「私は、戦争に協力するために看護師になったのではありません」(日本医労連)。各団体代表が次つぎ決意表明すると、参加者は「そうだ」「阻止するぞ」の声と大きな拍手でこたえました。

 集会後、参加者は三つのコースに分かれてデモ行進しました。「おさかな天国」の着ぐるみをきて参加した福祉保育労東京地方本部の組合員。私立保育園に勤める女性(23)は「平和こそ、最大の福祉。戦争に協力しなかったら罰せられる有事法制なんてイヤです。ここで声をあげないと」と話し、デモ行進に向かいました。


小林全労連議長が主催者あいさつ

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 小林全労連議長は、「小泉首相は政権を担当する資格はもはやありません」とのべ、その理由として、経済危機打開の施策は何一つ実行せず、日本を戦争する国に変える有事法案を提出し、官房機密費、公共事業をめぐる利権と堕落が次々と明らかになっていることをあげました。

 そして、「自民党政治のゆきづまりは深刻だ」として、「リストラと解雇を規制し、中小企業と農業を守ることなくして日本経済は再建できません。猛威をふるうリストラは、人権と道理に背を向け、破たんがさけられません。これとたたかい、雇用を拡大し、史上最悪の医療改悪を阻止しましょう」と訴えまし。

 また、「国民のくらしと人権を戦車でじゅうりんする有事法制、メディア規制は許せない」と強調。「平和と人権を守るために立ちあがり、総力を結集してたたかい抜きましょう」とのべると、参加者は大きな拍手でこたえました。


志位委員長が連帯あいさつ

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 志位委員長は、発足一年になる小泉内閣について「この政権の実態は古い汚れた危険な自民党政治をより乱暴にすすめるものでしかなかったということが、一年の行動によってはっきり証明された」とのべ、三つの角度から解明しました。

 第一に、利権と腐敗政治が底なしの深刻なありさまとなっているとのべました。鈴木疑惑では「ムネオハウス」の不正入札にかかわった鈴木宗男氏の秘書らが逮捕されたことにふれ、「秘書らが談合していた一週間前に鈴木議員本人が入札に関与していた事実が明らかになっており、鈴木議員が『知らなかった』というのはおよそ通用しない」と批判。鈴木氏の偽証告発、再喚問、議員辞職を強く求めていこうと強調しました。

 疑惑の徹底究明とともに「企業献金の禁止、機密費問題の全容解明など、腐りきった政治を日本から一掃するために力をあわせよう」と呼びかけました。

 第二に、小泉内閣が壊したものは国民の暮らしと雇用だとのべ、とりわけ医療大改悪の法案を廃案に追いこむための共同の前進を呼びかけました。

 第三に、憲法をじゅうりんする有事立法三法案はガイドライン法をも上回る二つの深刻な危険をはらんでいるとのべました。一つに、アメリカが海外でおこなう介入戦争に一体となって参戦するむきだしの参戦法案となっていること、二つに、憲法で保障された国民の人権や自由、地方自治をふみにじり、罰則つきで国民を強制動員する法案となっていることをあげ、「有事法制反対」「憲法九条を守れ」の一点での広大な共同と団結を呼びかけ、大きな拍手に包まれました。