2002年5月2日(木)「しんぶん赤旗」

たたかう国民の側にこそ未来はある

第73回中央メーデー

志位委員長のあいさつ大要


 一日、日本共産党の志位和夫委員長が第七十三回中央メーデーでおこなった連帯あいさつの大要は次の通りです。

 第七十三回メーデー中央集会にお集まりの、全国の仲間のみなさん、おはようございます。私は、日本共産党を代表して、みなさんに熱い連帯のごあいさつを送るものであります。(拍手)

 このメーデーは、小泉政権が発足してから、ちょうど一年目の時期に開かれています。一年前に小泉首相は、「自民党を変える」「自民党を壊す」と叫び、そこに少なくない国民が期待を寄せました。

 しかし、この政権の実態は、古い、汚れた、危険な自民党政治を、いっそう乱暴にすすめるものでしかなかったことは、この政権の一年間の行動によってはっきり証明されたのではないでしょうか(拍手)。「小泉政権の正体みえた」――これが多くの国民のみなさんの気持ちではないでしょうか。(拍手)

鈴木疑惑、機密費――底なしの腐敗政治を日本から一掃しよう

 第一に、利権と腐敗の政治は、底なしの深刻なありさまとなっています。鈴木疑惑は、昨日、「ムネオハウス」の不正入札にかかわった鈴木氏の秘書ら七名が、ついに逮捕されるという事態にまでいたりました。秘書らが談合していた一週間前に、鈴木議員本人が入札に関与していた事実が明らかになっており、鈴木議員が「知らなかった」という話は、およそ通用するものではありません。証人喚問で秘書の関与を否定していた鈴木氏の偽証告発、再度の証人喚問、そして議員辞職を強く求めていこうではありませんか。(拍手)

 内閣官房機密費が党略的に流用されていた政治の闇も明るみにでました。「国家機密」の名にかくれて、国民のみなさんの税金が、一着百万円もする背広、パーティー券、餞別(せんべつ)など、党略のためにばらまかれていたということも、我慢ならない血税の不正流用ではありませんか。(拍手)

 小泉首相と自民党が、どの問題にたいしても人ごとのような態度に終始して、真相究明に背をむけ、疑惑にフタをする態度をとりつづけてきたことは、許されるものではありません。疑惑の徹底糾明とともに、企業献金の禁止、機密費問題の全容公開など、腐り切った政治を日本から一掃するために、ともに力をあわせようではありませんか。(拍手)

「壊した」のは暮らしと雇用――医療大改悪を阻止するための共同さらに

 第二に、小泉首相が、「壊した」のは自民党政治ではなく、国民の暮らしと雇用こそ「壊された」のではないでしょうか。

 「不良債権の最終処理」の掛け声で、中小企業がつぶされ、地域金融をささえてきた信用組合、信用金庫が、無理やりつぶされました。「リストラ」推進の政治のもとで、失業率は過去最悪を更新しつづけています。

 とりわけ小泉内閣が、いま国会で押し通そうとしている医療大改悪は、一兆円もの負担増を、サラリーマン、お年寄りなど、国民のあらゆる層におしつけ、病院の窓口負担を重くし、お医者さんへの敷居を高くして、医療費の抑制をはかろうという邪道中の邪道、血も涙もない冷酷非情な政策として、断じて許すわけにいかないのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 すでに各地で、草の根から反対の共同がすすみ、反対署名は二千四百万人以上という、過去最高の規模にたっしています。この悪法を廃案に追い込むための共同を、全国津々浦々でいっそう力づよく前進させようではありませんか。

有事立法――アメリカの介入戦争に日本を参戦させ、国民を強制動員する戦時体制つくる

 第三に、小泉内閣が、「壊した」もの、「壊そう」としているもう一つのものは、憲法と平和ではないでしょうか。

 有事立法三法案が国会に提出され、連休明けから特別委員会での審議が始まります。この法案は、すでにつくられたガイドライン法――戦争法をもはるかに上回る二つの深刻な危険を、はらんでいます。一つは、アメリカが海外でおこなう介入戦争に、日本が文字どおり一体となって参戦する、むきだしの参戦法案となっていることです。いま一つは、そのために、憲法で保障された国民の人権や自由、地方自治をふみにじって、罰則つきで国民を強制動員する戦時体制をつくる法案となっていることです。

 この憲法蹂躙(じゅうりん)のくわだてにたいして、労働組合の潮流の違いをこえた陸海空港湾の二十の労働団体と宗教者がよびかけた集会が大きく成功しました。広い文化人、知識人による反対アピールに賛同が広がっています。

 日本共産党は、有事法制反対、憲法九条を守れ――この一点での広大な国民の共同と団結を広げることを心からよびかけ、その前進のために奮闘することをここで固くお約束するものです。(拍手)

 自民党政治には未来は残されておりません。未来は、民主主義日本をめざしてたたかう国民の側にこそあります。

 第七十三回メーデー万歳。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)