2002年9月21日(土)「しんぶん赤旗」

高速道路計画の平城宮跡 志位委員長が視察

奈良


平城宮跡を視察する(左から)志位和夫委員長、田中、山村両県議、佐藤党県国政対策委員長、田辺党県委員長=20日、奈良市

 日本共産党の志位和夫委員長は二十日午前、平城宮(京)跡に高速道路を通そうとしている問題で現地を視察し、関係者から実情を聞きました。

 道路計画は、京都・奈良・和歌山を結ぶ京奈和自動車道の奈良市内を通るルートとして、平城宮跡の地下も含めて検討されています。トンネルを掘ることで地下水の流れが変わり、地下水によって守られている埋蔵文化財を破壊する恐れなどが指摘されています。今年七月、文化財検討委員会は、道路建設は特別史跡(平城宮跡)範囲は避けるべきと提言しました。

 志位委員長は、奈良文化財研究所平城宮跡発掘調査部の金子裕之部長から平城宮跡の発掘調査の歴史や、復原工事中の大極殿の現場で説明を受けました。また、「高速道路から世界遺産・平城京を守る会」の小井修一事務局長から、道路計画の問題点や運動の説明を聞きました。

 視察を終えた志位委員長は、「千三百年来の国の宝でもある平城宮跡を十年、二十年後の見通しさえつかない開発で壊してはならないと痛感した。発掘調査にあたった当事者の方も含めて、広範な人々が反対している」と述べ、国会でも引き続きとりあげる考えを示しました。

 視察には、田辺実党県委員長、佐藤まさみち党県国政対策委員長、山村さちほ、田中美智子両県議、奈良市議らが同行しました。