2002年10月28日(月)「しんぶん赤旗」

衆参7補選

日本共産党が善戦・健闘

多くの選挙区で得票率伸ばす


与党5議席 民主1無1

 小泉内閣改造後初の国政選挙となった衆参七補選(衆院山形四区、神奈川八区、新潟五区、大阪十区、福岡六区、参院千葉、鳥取両選挙区)は二十七日投票、即日開票されました。与党勢力が五人、民主党公認一人、無所属一人が当選しました。

 自民党は公明・保守の推薦を得て、推薦を含めて五人が当選しましたが、公共事業をめぐる「口利き」で加藤紘一元自民党幹事長が辞職した山形四区では、推薦候補が落選しました。

 日本共産党の七氏は善戦・健闘し、多くの選挙区で得票率を伸ばしました。そのなかでも須藤美也子(衆院山形四区)、菅野悦子(同大阪十区)、桑原加代子(新潟五区)、浅野史子(参院千葉)の各氏は、前回通常選挙と比べ得票率を大幅に伸ばしました。

 投票率は山形四区で前回比28・9ポイント減となったのをはじめ、各選挙区とも10ポイント以上下回りました。



 当選したのは次の各氏。

 【衆院】山形4区=斎藤淳(33)民新(由)▽神奈川8区=江田憲司(46)無新▽新潟5区=星野行男(70)無元(自公保)▽大阪10区=松浪健太(31)自新(公保)▽福岡6区=荒巻隆三(30)自新(公保)【参院】千葉=椎名一保(50)自新(公保)▽鳥取=田村耕太郎(39)無新(自公保)

 注( )内は推薦

国政7補選の確定票


 【衆院山形4区】       
当 51,437 斎藤  淳 民 新(1)
               推(由)
◎ 33,858 寒河江孝允 無 新 
           推(自・公・保)
◎ 20,877 須藤美也子 共 新

 【衆院神奈川8区】      
当 50,671 江田 憲司 無 新(1)
◎ 29,267 山際大志郎 自 新 
             推(公・保)
  19,997 折田 明子 民 新 
               推(由)
  13,108 大森 興治 無 新 
  12,129 宗田 裕之 共 新 

 【衆院新潟5区】       
当 69,146 星野 行男 無 元(3)
           推(自・公・保)
◎ 60,045 石積  勝 無 新 
           推(民・由・社)
  15,298 桑原加代子 共 新 

 【衆院大阪10区】       
当 43,252 松浪 健太 自 新(1)
             推(公・保)
◎ 36,328 吉田 康人 無 新 
◎ 23,795 菅野 悦子 共 元 
  15,876 江村 利雄 民 新 
               推(由)
   2,722 北岡 隆浩 諸 新 
   2,453 水谷 洋一 無 新 
   1,516 高谷  仁 無 新 
     404 西村 聡文 無 新 

 【衆院福岡6区】       
当 84,740 荒巻 隆三 自 新(1)
             推(公・保)
◎ 61,080 古賀 一成 民 前 
               推(由)
  24,123 延  嘉隆 無 新 
   7,820 丸林 秀彦 共 新 

 【参院千葉選挙区】      
当 509,688 椎名 一保 自 新(1)
             推(公・保)
◎ 422,185 若井 康彦 諸 新 
         推(民・由・社・ム)
◎ 197,699 浅野 史子 共 新 

 【参院鳥取選挙区】     
当 90,274 田村耕太郎 無 新(1)
           推(自・公・保)
◎ 86,562 藤井 省三 無 新 
◎ 73,383 勝部日出男 諸 新 
         推(民・由・社・ム)
  22,187 市谷 知子 共 新

 選挙区名の横は開票率。改行して得票数、氏名、党派、前元新の別。当選者・当確者に丸数字で当選回数。「◎」は法定得票者。
 【政党などの略称】自民=自、民主=民、公明=公、自由=由、共産=共、社民=社、保守=保、無所属の会=ム、諸派=諸、無所属=無。


志位委員長が記者会見

 日本共産党の志位和夫委員長は二十七日夜、市田忠義書記局長とともに党本部で記者会見し、国政補欠選挙の結果について次のように語りました。

 一、定数一を争う選挙で、勝利をかちとれなかったのは残念ですが、多くの選挙区で昨年の参院比例選挙の得票率を大きく上回るなど、全体として善戦・健闘といえる結果となりました。

記者会見する志位委員長と市田書記局長=27日午後10時半すぎ、党本部

 ご支持をいただいた有権者のみなさん、奮闘してくださった党員、後援会員、支持者のみなさんに、心からお礼をもうしあげます。

 一、選挙戦をつうじて、わが党は、小泉政権が「構造改革」の名ですすめる巨額の国民負担増政策、中小企業つぶしの政策にきびしく反対し、「国民生活の再建なくして、日本経済の再建なし」という立場を大きく対置し、大不況から暮らしを守る緊急要求をかかげてたたかいました。

 また、平和の問題でも、イラクへの軍事攻撃を許さず国連憲章にもとづく平和秩序を守るとりくみ、日朝問題で果たしてきた役割など、道理にたった外交にとりくむわが党の姿をおおいに訴えて、たたかいました。

 これらの訴えは、激動の内外情勢の展開のなかで、今後、必ず生きて働くものと、確信するものです。

 一、個々の選挙結果については、党内外のみなさんのご意見をよく聞きながら、それぞれ教訓を明らかにしたいと思います。このたたかいの教訓も生かし、いっせい地方選挙、総選挙で、必ず躍進をかちとる決意です。