2002年10月30日(水)「しんぶん赤旗」

補選結果、小泉「改革」、イラク問題について

志位委員長がCS番組で語る


CS放送「朝日ニュースター」で発言する志位和夫委員長。聞き手は朝日新聞政治部高久陽男記者

 日本共産党の志位和夫委員長は、二十九日放映されたCS放送・朝日ニュースターの番組「各党はいま」に出演し、衆参補欠選挙の結果をどうみるかや小泉内閣の経済政策の危険性、イラク攻撃問題などについて朝日新聞の高久陽男記者の質問に答えました。

自民党と小泉・竹中ラインは「不良債権の早期処理」の同じ船の中の矛盾

 このなかで志位氏は、選挙結果について、日本共産党が多くの選挙区で得票率を伸ばしているのにたいし、自公保陣営は“五勝”したといわれるものの、得票率は七選挙区すべてで減らしていることを指摘。「自公保の政策が国民的な信任を得たという結果では到底ない」と強調しました。

 とりわけ、小泉「改革」について、国民への負担増と「不良債権処理の加速」の名での中小企業つぶしという「二つの暴走」で、日本経済をさらに悪化させる道をすすめていると批判。今後の国会論戦で、「国民生活の再建を最優先させて日本経済を立て直す方向への転換を正面から求めていく」とのべました。

 また、自民党など与党側と小泉首相・竹中平蔵金融相との間に「ずれがあるのではないか」との質問に答え、「自民党サイドと小泉・竹中ラインとの矛盾は、『不良債権の早期処理』という同じ船に乗ってきたなかでの矛盾だ」と指摘しました。そして、竹中案といわれる不良債権処理の加速策の内容について、(1)要注意先債権にまで重い引当金を積ませる(2)自己資本算定をアメリカ並みにきびしくする(3)自己資本が傷ついたら強制的に公的資金(税金)を投入するというものだと指摘。「これをやったら、銀行がいっせいに貸しはがし競争をやって全国の中小企業をつぶすことになる。銀行の経営自体の破たんも起こりうるわけで、地獄の扉をあけてしまうところに進んでいく」と警告しました。

イラク問題――平和的解決の道は開かれている

 外交問題では、日本共産党の緒方靖夫国際局長らが二十四日間にわたって中東六カ国を歴訪し帰国したことを紹介。アラブ世界の一致した声はイラクへの戦争をやめろという声だったこと、イラクの国会議長が緒方氏らとの会談で大統領宮殿を含めて無条件無制限の国連による査察を受け入れると言明したことを示しました。

 そのうえで、志位氏は、「この問題を政治的平和的に解決する道は開かれています。日本政府は戦争反対と協力拒否、政治的平和的解決をはっきり言明すべきだ」とのべました。