2002年12月10日(火)「しんぶん赤旗」

イラク・アジアの平和の問題

「こんなに活躍びっくり」

新潟演説会に小雪の中3千500人

志位委員長の訴えに共感の声


志位委員長の訴えをきく日本共産党演説会の3500人の参加者=8日、新潟市体育館

 いっせい地方選挙・総選挙での勝利をめざす日本共産党新潟県委員会は八日、新潟市体育館で志位和夫委員長を迎えて大演説会を開きました。小雪まじりのなか、約三千五百人が参加。会場でパンフレット『北朝鮮問題 「反省」すべきは公明党ではないのか』が三百部売れました。

 各地で公明党・創価学会の拉致問題での反共デマ攻撃がおこなわれた中で、党支部と議員・予定候補が「公明党への反共反撃は徹底的に」と反撃の宣伝をおこない参加を呼びかけ。支部でマイクロバスや大型バスを配車して参加したところもありました。

 新潟市や加茂市など、日本共産党が与党でない自治体を含む五市町村長からメッセージが寄せられました。総選挙・いっせい地方選挙候補が勢ぞろいし、代表して五十嵐完二県議が「大激戦の中、何がなんでもはい上がり当選する」と決意表明しました。

 木島日出夫衆院議員は「国民の暮らしを守るために、政党らしい政党の日本共産党を躍進させる先頭に立ちたい」とあいさつしました。

イラク問題―対米追従を批判

 拍手のなか登壇した志位委員長は、いっせい地方選挙と総選挙で日本共産党が躍進する意味について、イラク問題と日朝問題など外交問題、日本経済再建の問題、地方政治、政党のあり方の四つの角度から、詳しく解明しました。

 このなかでイラク問題にかかわり、小泉政権が米国の無法な対イラク戦争への支援のためのイージス艦派遣決定や、戦争後の「復興」支援想定の立法を打ち出していることについて、「米国の戦争は当たり前で、どう対応するか、応援するかだけを考えている。あまりにも情けない対米追従の姿勢ではないでしょうか」と厳しく批判。政府に対し、米国の一方的攻撃計画への反対、無法な戦争への協力拒否、インド洋展開の自衛隊撤退、有事三法案の廃案を要求しました。

「オール与党」政治破たんは大きく変わる前夜

 地方政治の問題で、新潟では、自民、公明中心の「オール与党」政治の破たんがはじまり、「大きく変わる前夜です」と強調。変化をもとめる動きとして、中里村議会が日本共産党議員などの提案で清津川ダム建設計画の反対決議を全会一致であげ、七月には建設中止に追い込んだことや、十一月の新潟市長選挙では自民、公明推薦の前助役が、無党派の篠田候補に敗北したことを指摘。市長と会場で懇談したことも紹介しました。

大型開発熱中、福祉切捨て県政

 また県政について、平山知事と「オール与党」県政のもとで、総務省の全国統計資料でも、県財政の中での土木費割合が四十七都道府県のなかで一位の一方で、民生費割合が四十五位、児童福祉費割合が四十七位という大型開発熱中、福祉切り捨て県政になっていることを紹介すると、聴衆から県政のひどさに、ため息と苦笑がもれました。

 巨大開発による無駄遣いで、三百二十六億円もの万代島再開発事業をあげた志位氏は、その事業目的について県が「県の顔となる施設が必要」「日本海側随一の高さからの眺望」「新潟の国際性のシンボル」しかあげられずにいることに触れ、「『顔』と『高さ』と『シンボル』のために三百二十六億円か」と痛烈に批判、会場から笑いとともに共感の拍手がおきました。

 採算の見通しもなく、マスコミも「なんのための事業なんだろうか」という地元の声を紹介していることに触れ、「これは、“事業のための事業”なんです。日本共産党をのばして、この“ゼネコン病”の県政から脱却、転換を」と呼びかけると大きな拍手がおきました。

 福祉切り捨ての問題で「全国でもきわだつ国いいなり県政」と特徴づけた志位氏は、その異常ぶりを次の点を詳しくあげて告発しました。

 ――国の医療制度改悪について平山知事が、「国庫負担を増やすべきではない」と明言していること。

 ――高すぎる介護保険の保険料・利用料で、市町村が減免に乗り出しているなかで、県が「減免するなら、他のお年寄りからとりたてろ」という姿勢を示していること。

 ――国民健康保険にかかわり、県による市町村国保会計支援が全国平均の五分の一しかなく、滞納が続けば保険証取り上げも当然という態度をとっていること。

 さらに、県が今年一月に出した「財政健全化プログラム」で、障害者や患者団体へのわずかな補助千五百万円をも切り捨てようとしていることをあげ、県政の「逆立ち」ぶりを厳しく告発しました。

県政を動かす党議席大きく

 こうしたなか、日本共産党の県議が一議席にもかかわらず、県民の運動と力をあわせ県政を動かしていることを強調。平山知事が乳幼児医療費助成を「(新潟が全国で最後の)一県になってもやらない」と公言しているもとで、昨年九月から助成を実現したことを紹介し、「共産党が県議会で一議席ではひかえめすぎます。もっと大きくし、市町村の努力を応援する県政を」と力強く訴えました。

 政党のあり方の問題で、公明党が拉致問題を利用した反共攻撃をおこなっていることをとりあげ、「この党の浅はかなのは、人の悪口をいうときに、自分の歴史さえ調べないこと」と批判し、公明党が北朝鮮の個人崇拝体制に迎合してきた歴史を指摘し、きびしく反撃すると、力づよい拍手がわきました。

 最後に、日本共産党が“政党らしい政党”として、自民党政治を変える大きな政治戦略をもち、政党本来の活動を堂々と展開していることを力説し、「今度の選挙で必ず勝利する決意です。力強いご支援を」と訴えると、会場からは大きな拍手がわきました。

 着物姿で初めて日本共産党の演説会に参加した女性(41)=保育士=は、「志位さんのお話がすごくわかりやすかった。イラクやアジアの平和の問題で、共産党がこんなに活躍されていることを今まで知らなくて、びっくりしました。何でもお金や力で解決しようとする政府の姿勢をたださなくてはいけない」と話していました。