2002年12月13日(金)「しんぶん赤旗」
志位委員長が共産党の値打ちを語り、躍進を訴える日本共産党演説会=12日、横浜市、横浜文化体育館 |
四カ月後に迫ったいっせい地方選挙ときたるべき総選挙での躍進・勝利をめざし、志位和夫委員長をむかえ、各候補が勢ぞろいした日本共産党演説会が十二日夜、横浜市中区の横浜文化体育館で開かれました。
神奈川県内全域から会場へ大型・マイクロバス約四十台が運行され、会場いっぱいの約四千五百人がつめかけ、「がんばれー」の熱い声援と拍手につつまれました。
演説会にあたり党県委員会は、県医師会や県病院協会、県商工会議所連合会、県中小企業団体中央会など幅広い各種団体、経済団体と懇談。医療の国民負担増反対、赤字法人にも課税する外形標準課税導入反対などで対話がはずみ、演説会へのお誘いをすすめました。
「こんどの選挙で、日本共産党を大きくすることは、国民にとってどういう意味をもっているのか」――。そう問いかけた志位委員長は、外交、経済、地方政治、政党のあり方の四つの角度から詳しく語りました。
外交の問題に触れたなかで、小泉政権がイージス艦の派遣をきめ、横須賀港から十六日にもインド洋に出航しようとしていることもきびしく批判。「首相は『戦争によらない解決』といったが、現実の行動は米軍によるイラク攻撃を既定事実として、それを後おしする情けない従属姿勢だ」とのべ、「『日本政府は無法な戦争に協力するな』の声をつきつけていきましょう」と語りかけると、大きな拍手が響きました。
また日朝国交正常化交渉にかかわり、「北朝鮮との関係で心配がなくなれば、神奈川でも沖縄でも米軍基地の必要性の説明がつかなくなります。この大きな視野に立つことが必要です」とのべ、交渉にあたって政府は北東アジア全体の平和と安定を確かなものにするという「大局的立場」を貫くべきことを強調しました。
神奈川県政の問題では、岡崎知事の不出馬表明を「『オール与党』県政の破たんの結果」と指摘し、岡崎県政二期八年を、次の点をあげて総括しました。
――福祉・教育の分野では、特別養護老人ホームの待機者が三・八倍化し、保育所の待機児童も一・五倍化。私学助成も、高校生一人あたり全国二十九位から四十七位になったこと。
――巨大開発の分野で熱中してきた京浜臨海部再開発や、「ツイン・シティ」構想などが、ことごとくにゆきづまっていること。
――知事の最大の目玉だった「財政健全化」も、借金残高が一・六六倍化し破たんしていること。
「こんな政治では神奈川の未来は開けません。日本共産党の出番です。日本共産党県議団を大きく伸ばさせていただきたい」と呼びかけると、大きな拍手がおきました。
また志位氏は、「オール与党」候補を打ち破って当選した横浜・中田市政について、住基ネットへの「選択制」導入や市長交際費全面公開、保育所や特養ホームの待機者解消への積極姿勢などの「前向きな市政の変化」の一方で、学校給食の調理や家庭ごみ収集の民間委託といった福祉・公共サービスの民営化推進や、「みなとみらい21」開発問題で「破たん」を認めながらも推進の立場にあることを指摘。
そのうえで、日本共産党市議団が、(1)中田市政を支持する人でも支持しない人でも、切実な要求にもとづく共同の輪を広げ、市政に実現を迫る、(2)中田市政に対し「良いことは良い、悪いことは悪い」という立場でのぞみ、市長の公約である市街地での緑倍増計画、保育所の待機児童解消などの実現を迫りながら、行政の民営化路線や大型開発推進については問題点を厳しくただしていく――の「二つの基本姿勢」をとっていることを紹介。「こんごの動向は、日本共産党が市議会でどれだけの力をもち、どれだけの運動に支えられるかに左右されます。日本共産党を伸ばせば、未来を開く可能性が開かれます。躍進をかちとらせてください」と力強く訴えると、会場から大きな拍手がよせられました。
演説会では「平和ですみよい神奈川民主県政をつくる会」の高橋勝也事務局長、「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワークかながわ」の荒井千帆さんがあいさつ。
いっせい地方選候補を代表して、かわの幸司県議団長、大貫のり夫横浜市議団長、高松みどり藤沢市議が「県民の力で新しい知事を誕生させ、全候補者の勝利のために死力を尽くしてがんばる」と決意を表明。
大森猛衆院議員も「党員、後援会員、支持者のみなさんと一緒に全力をあげる」と訴えました。
志位氏の話も演説会参加も初めてという相模原市の女性(36)は「志位委員長の話はわかりやすく、私たちの立場に立って話してくださり、うれしかったです。日本共産党はブレない政党と言っていましたが、これからも続けてほしい。くらしや福祉、中小業者を守る政治をつくっていきたい」と話していました。