2003年2月20日(木)「しんぶん赤旗」

重大な人権侵害の認識なし

森山法相発言で志位委員長が批判


 日本共産党の志位和夫委員長は十九日午後、国会内での記者会見で、名古屋刑務所の受刑者暴行事件をめぐる森山真弓法相の発言問題について問われ、「虚偽の答弁をやったという問題だけでなく、重大な人権問題がおこっていながら関心をもたず、対処もしてこなかったことが、今回の答弁によってあらわれたといわざるをえない」とのべ、衆院予算委員会の集中審議で事実経過をただす必要性を強調しました。

 志位氏は、法相が昨年十一月に暴行事件を認識している答弁をしながら、十八日の予算委員会で、暴行致死させた副看守長の二月の逮捕で「初めて知った」と答弁した経過にふれ、「『初めて知った』ということは、国会で虚偽の答弁をやったのではないか、となる」と指摘しました。

 さらに志位氏は、刑務官による受刑者暴行致死は深刻な人権問題にもかかわらず、経過全体をみると法相がなんらの関心をもたず、対処もする意思もなかったことがあると指摘。「法の番人の法務大臣が重大な人権問題でおよそ理解に苦しむような発言をしたことは非常に重い。大臣の資格にかかわる問題だ」とのべ、事実経過の究明の必要性を指摘しました。

 法務省矯正局長が同事件に関し、“法相に報告しなくてもいいもの”と答弁したことについて、「当然、大臣が把握すべき問題だ」とのべ、「人権侵害を許さないことが法の番人の意味だ。(法務省に)その感覚がないことが、この問題の一番深刻なところだ」と指摘しました。