〔HP限定〕

平和、経済、京都の地方政治で光る日本共産党/京都の底力発揮して必ず勝利を

京都府立体育館での志位委員長の訴え(2003年2月21日)


 日本共産党の志位和夫委員長が2月21日、京都府立体育館でおこなった演説から京都府市政関係部分(大要)を紹介します。

「共産党」か「オール与党」か、どちらをのばすかが争点

 じゃあ京都の自治体はどうかということで見てみますと、私は京都の自治体は二つの特徴があると思います。
第一は、京都府も京都市も、自民・公明中心の「オール与党」によって住民いじめの政治がやられ、そのひどさは全国でも際立っている。ひどい政治だということです。京都の自民・公明など「オール与党」は、冷酷非情だということです。
 しかし、第二の特徴がある。日本共産党の議員団が全国で一番の大きな力を持っているのが京都だということです(「そのとおり」の声)。京都府議団は六十五議席のうち十五議席、23%を占めて、四十七都道府県で一番です。京都市議団は七十二議席のうち二十議席を占めて28%。十二政令市のうちで一番です。全国一、日本共産党が力を持っている。みなさん方に与えていただいている力であります。
 京都にまいりますと、蜷川民主府政時代以来の革新民主の伝統が脈々と流れている。この力を感じます。
「オール与党」はひどい。共産党は強い。これが京都です。この二つの流れのうちのどちらを伸ばすかが、今度の選挙の争点でありますが、答えは明白です。重ねてご支援をお願いしたいと思います。(拍手)


自民、公明中心の「オール与党」政治の実態

 まず、ひどい方の実態です。自民・公明中心の「オール与党」による府政、市政の実態はどうか。京都に来ますと、あの蜷川知事さんの素晴らしい言葉をいつもどうしても思い浮かべます。「私が知事になってよびかけたのは、憲法九二条における地方自治の本旨は、住民自身が住民の暮らしを自分たちで守ることなんだと。暮らしを守ることが根本であるということです」
 非常にシンプルですけども、本質をついてます。暮らしを守る。これが「住民自治の本旨であり、根本だ」。これは今でも真理だと私は思います。


府が国保証取り上げの要綱 資格証明書発行が激増

 この点で、本旨・根本を投げ捨ててるのが、府と市の「オール与党」じゃないでしょうか。いくつかあげたいんですが、例えば国保証の取り上げです。国保料が高すぎて払えない、やむなく滞納になってしまった。そういう方々から、国保証をとりあげて、短期保険証、資格証明書に置きかえる。調べて見ましたら、この六年間で、京都府内での資格証明書の発行は三百七十七世帯から四千三百八世帯、なんと十一・四倍になりました。資格証明書というのは置きかえられてしまったら、窓口で全額払わなくちゃいけないんです。後で保険料を払ったらその分戻ってくるかもしれないけれど、窓口全額ですよ、みなさん。お医者さんに行くなというのにひとしい。このむごい仕打ちが十一・四倍です。全国では同じ時期、四・〇倍ですから、全国平均よりはるかにひどい取り上げがやられてる。
これをやった元凶は国です。とりあげを義務化した法律をつくったのは小泉厚生大臣の時代です。しかし、府の態度も私はひどいと思います。市町村に、国保証を引き上げるための要綱をつくれという通達を出している。取り上げの要綱をつくれというのは、国でさえ指示していないことです。法律でも決められていないことです。それを府が独自にやっているんです。みなさん、こういう事態があったらなすべきは、市町村を締め上げるんじゃなくて、国保料をいかに引き下げるか、滞納世帯をどうやって守るかに、知恵と力を尽くすのが自治体の役目じゃないでしょうか。(「そのとおり」の声、拍手)


特養ホーム建設しない計画

 それから介護保険はどうでしょう。実施されて三年になりました。しかし京都の実態を調べてみますと、特養ホームの待機者が三千六百四十人と増え続けていると聞きました。ところが、この一月に府が発表した計画があるんです。「介護保険事業支援計画 改定案」というのですが、これ見ますと、特養ホームについて、府の中部圏域では今後三年間つくらない、南山城圏域では今後二年間つくらない、新たな特養ホームの建設はやらない。あれだけ待機者がいても「支援計画」の中身を見れば、建設の計画じゃなくて、建設しない計画が書いてある。


耐えられない介護保険料 値上げはきっぱり中止を

 その一方で、保険料の大幅引き上げが進められようとしています。京都府下四十四市町村で、平均で、なんとこの四月から、28%の保険料の値上げ。京都市は二千九百五十八円から三千八百六十六円に、九百八円、31%の値上げ。全国平均はだいたい一割の値上げですから三割の値上げというのは、異常な値上げなんです。
もちろんこれも根本には国の悪い政治があります。介護保険を導入したときに国の負担割合をそれまでの二分の一から四分の一に減らしてしまった、ここに元凶がある。ですから私たちは四月からの保険料値上げを食い止めるために、せめて国の国庫負担を5%増やしなさい、そうすれば値上げはしないですむという提案をしております。
 しかしみなさん、ここでも同時に自治体の努力が必要じゃないでしょうか。さすがに、京都市の30数%という値上げには、与党も慌てたようで、当初の京都市の案は九百七十三円の値上げ案だったそうで、これをやると全国十二の政令市で京都市が一番高くなっちゃう、こりゃ大変だと、慌てまして、六十五円だけ値上げ幅を減らして、広島市より二十円だけ(笑い)、少なくなるようにしたそうです。しかしみなさん、話が違うんじゃないでしょうか。政令市「ワースト・ワン」だったらいけないけれど、「ワースト・ツー」だったらいいっていうわけにいかないでしょ。三割もの値上げがお年寄りに耐えられるかということが問題じゃありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
 耐えられないという声がこれだけあるんだから、国に要求するとともに自治体としても真剣に検討し、一般財源からもしっかりこれに支出をし、値上げを食い止め、減免制度をつくることを要求していこうではありませんか。(拍手)


私学助成――府助成を削減

 それから、私学助成を調べてみて驚いたんです。京都府内の私立学校の初年度納入金は全国六位です。全国平均より十万円も高い。ところが、高校生一人あたりの私学助成額は全国平均以下です。党の府議団のみなさんが調査したら驚くべきことがわかりました。実は、九八年度から二〇〇一年度までの三年間で、私学助成の国庫負担額は六億二千万円、京都分で増えてるんです。国からの助成はそれだけ増えた。ところが、同じ時期に府の一般財源からの助成は三億八千万円減らしたんです。国の助成が増えているのに府の助成は減った。そこで実際の助成額は二億四千万しか増えない。これはひどいと私は思います。国が増やした分はそっくりちゃんと上乗せするのが当たり前です。
蜷川さんは「十五の春は泣かせない」という有名な言葉を残しましたけど、未来を担う子どもたちが、不況の中で学業をあきらめなきゃいけないということがないように応援することこそ自治体の責務であって、こんなやり方は、絶対許せないじゃありませんか。(「そうだ」の声と拍手)。


まちこわしに巨費支出――京都市内高速道路

 そして、それでは金がないのかといったら、市内への高速道路引き入れは、「オール与党」、府市一体でやってます。“府市協調”というけど“府市共犯”でやってます。何よりも景観を破壊する。これまでも、どれだけ京都の景観が壊されてきたか、あのバブルの時には一条山のモヒカン刈り、有名になりましたね。それから京都の駅にくると、「墓石」みたいな駅ビルがどーんとあって、京都が全然見えません。このすばらしい歴史都市に、はじめて降り立つ人が見るのは「墓石」だってのは、情けない話です。
そこに追い討ちかけるのが高速道路の市内引き入れです。これをやられますと、市内のど真ん中に、地下高速道路の出入り口のランプができる。市の中心部は、ますます車の渋滞がひどくなるといわれています。そしてみなさん、お金がかかるわけですよ。府と市の税金支出は、現在工事中の二つの路線だけでも四百三十一億円です。
 もうケタ違いのお金がこっちには、どんどんじゃんじゃん注がれようとしている。みなさん、世界に誇る歴史都市の景観を壊すようなところに、流しこむ金があるんだったら、「まず国保に使え」、「まず介護に使え」、「まず私学助成に使え」、「子どもたちに使え」、という声をどうか日本共産党に託していただきたい、心からよろしくお願いいたします。(拍手)


府民の運動と一体になった日本共産党議員団の大きな仕事

 ただみなさん、京都の自治体には、もう一つの面があると言いましたね。日本共産党が全国一強い。この共産党議員団が、府民の運動、市民の運動と力をあわせれば、立派な仕事ができます。これ全部ここで言ってますと、あと一時間ぐらい話をしなきゃならないんで、とても言えません。中小企業の「あんしん借換制度」とか、南丹ダムの建設中止だとか、たくさんの実績がありますが、私はここでは、「オール与党」の妨害をはねのけて実現した二つについて、ご紹介したい。


子ども医療費助成――就学前「入院」無料に

 京都府では、乳幼児医療費助成の就学前までの引き上げ、これがとうとう九月から、実現をすることになったということです。みなさんのたたかいの一つの成果だということを、私は、みなさんとともに確認したいと思うのであります。(拍手)この制度は、現在の入院・通院とも三歳未満というところから、入院については入学前まで、通院については三歳から就学前までは月八千円を超える自己負担分を助成するという制度です。
 私は、五年前の府知事選挙で、森川さんの応援に来た時のことを、思い出します。みなさん、覚えてらっしゃいますか。円山音楽堂、桜が咲いているころですね。そこで、乳幼児の医療費の助成制度の就学前までの拡充を訴えた森川さんの公約をいっしょに実現しようじゃないか、と訴えたことを思い出します。五年前、相手はなんと言ったか、「絵に描いたモチはたべられない」と言った。しかし、“ほんまもん”の食べられるモチになったじゃありませんか。(拍手)みなさんのたたかいの成果です。
しかし、まだ問題がある。通院の方の月八千円という限度額は、これは、全国にもない、高い限度額です。これでは0.7%しか使えないんです。ですから、問題が残ってる。しかも償還払いといいまして、窓口でいったん払って、あとで償還されると、ややこしい手続きになっている。病気のお子さんを抱えた、お父さん、お母さんでは、なかなかできませんね。ですから、さらに共産党のばして、通院でも、就学前まで、無条件で窓口無料化を、みんなの力でかちとろうじゃないかと、訴えたいと思うんです。(拍手)


35人学級――政令市で初めて本格実施

 京都市の成果としては、私は、政令市はじめての、少人数学級に道を開いた。これはすばらしい、みなさんのたたかいの成果だと思います。来年度の予算案で市独自の三十五人学級の小学校一年生からの導入が決まったそうです。
 少人数学級の本格的踏み出しは、十二政令市で京都市が初めてとなりました。ただみなさん、これを、だれが進めてきたのか。だれが妨害したのか。これが大事なんですよ。議事録を見れば歴然と記録が残っております。一年前の二月市議会に、みなさん方の請願が出ている。市の独自施策として、三十人学級の実現を求める請願です。
 「オール与党」はこれを不採択にし、葬り去りました。これをめぐって本会議でどういう討論がやられているでしょうか。自民、公明、民主、京都21を代表して“不採択は当然だ”と討論に立った自民党議員がこういいました。「まことに身勝手で非現実的な請願だとしかいいようがない」。「いたずらに不安感を助長させ混乱を招く」。こうやって口を極めてののしったんですよ。みなさんの請願を妨害してきた。しかし、もう妨害が通じなくなって、三十五人学級ですけども、一歩踏み出さざるをえなくなった。
 私は、これを見まして、京都のたたかいは激しいと思いました。府民、市民のみなさんの要求、どんな問題をとっても、実現しようと思えば、「オール与党」の激しい抵抗に出合う。それを打ち破る府民のみなさんのたたかいが必要になる。そして、そのたたかいと一体となった共産党のがんばりが必要になる。共産党の力が必要です。この党を伸ばして住民の暮らしを守る「自治体らしい自治体」を、この京都からつくっていこうではないかということを、心から訴えたいと思うのであります。(拍手)