2003年3月13日(木)「しんぶん赤旗」
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世界と日本の大激動のなかたたかわれる東京都知事選(二十七日告示、四月十三日投票)の勝利にむけて、日本共産党東京都委員会は十二日、東京・新宿駅西口で街頭演説を開きました。志位和夫委員長が、「首都東京を、希望ある政治の発信地にしよう」と呼びかけ、一万五千人の聴衆の熱気にあふれました。
若林義春都知事候補(日本共産党公認、党都委員長)は、石原慎太郎知事による憲法、福祉、平和と民主主義に背を向けた四年間の悪政を痛烈に批判。「イラク戦争容認の石原氏には知事の資格はない。戦争反対と平和への願いをこぞって寄せてください」と訴え、大きな拍手と声援に包まれました。
志位委員長は、石原知事と日本共産党の若林候補との正面対決となる今回の知事選は、「首都東京の代表にだれを選ぶかは、東京都民のみならず、日本と世界にとっても、大きな意義をもちます」として、三つの角度から訴えました。
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第一は、イラク戦争の重大な危険と同時並行でたたかわれる知事選を、「平和を願う東京都民の声を世界にしめす選挙にしよう」ということです。
志位氏は、査察継続による平和解決か、戦争に道を開くかで緊迫を増すイラク情勢のなかで、史上空前の規模で全世界に広がる「イラク戦争反対」の平和と理性の流れを力説。このなかで、「アメリカの行動を容認する。イラクを世界の平和のために淘汰(とうた)する」という発言をはじめ、“戦争好き”の発言を繰り返しているのが石原知事だとのべ、「『イラク戦争反対』を主張する日本共産党の若林さんの勝利で、平和を願う都民の声を世界にしめそう」と訴えました。
第二は、「暮らしと福祉を守るという、地方自治体の根本を取り戻す選挙」だということです。
「石原知事がやってきたことは、冷たい風から身を守るための、最後の毛布まではぎとるような、冷酷な福祉切り捨ての政策」と、福祉予算を絶対額で6%も削った異常ぶりを告発した志位氏は、東京都が強行したシルバーパス、老人医療助成、老人福祉手当の改悪がモデルになって、いま全国に広がりつつあると指摘。「これは東京の伝統では決してありません」と、かつての革新都政で築きあげた暮らしと福祉の施策が全国に広がり、国の制度にまでなった歴史を振り返り、「若林さんで、東京をふたたび希望ある政治の発信地にしよう」と訴えると、「そうだ」の声援と拍手がおきました。
第三は、「憲法と民主主義を大切にする都政をつくる」ことです。
志位氏は、石原知事の女性蔑視(べっし)、アジア諸国民蔑視の発言や憲法否定発言は、民主主義と人権の常識をもちあわせておらず、これだけでも知事の失格はないとのべ、「民主主義否定の立場は、公明党のデマに便乗して、日本共産党の存在そのものを否定する異常な攻撃と根は一つ」とのべました。
最後に志位氏が、「若林さんは、日本共産党公認の候補です。石原都政に正面から対決した党として、総力をあげてたたかいます。同時に若林さんの公約と政策は、すべての都民の共通の願いです。『都民が主人公』の都政をとりもどすために、共同の輪を広げに広げましょう」とよびかけると、大きな拍手と歓声がわきおこりました。
世田谷区からきた村田久恵さん(50)は、「イラク戦争に賛成か反対か、福祉を切り捨てるのか守るのか、石原都政と若林さんのめざす都政の違いがよく分かった。石原知事のままでは恥ずかしい。ぜひ若林さんに知事になってもらいたい」と語りました。