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イラク戦争反対、国民負担増反対 日本共産党の躍進で新しい地方政治を

愛知・名古屋での志位委員長の訴え(2003年3月15日)


 日本共産党志位和夫委員長が三月十五日、名古屋市公会堂の4000人の聴衆の前でおこなった演説大要は次のとおりです。

 日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)今日は、広い会場をまさにりっすいの余地のないほど多くの方々がようこそお運びくださいました。四階のホールのほうにもたくさんの方々がおいでいただきました。まず心からお礼を申し上げます。(拍手)
 いっせい地方選挙がいよいよ目前に近づいてまいりました。県議選でも政令市議選でも市町村議選でも日本共産党は、全国でも愛知でも大躍進を勝ちとる決意でありますので、みなさんの絶大なご支援をよろしくお願いいたします。(拍手)
 みなさん今度の選挙は世界と日本の大きな激動のなかでたたかわれます。ですから地方選挙ですが、地方政治だけではなしに、その政党の値打ちが外交、内政あらゆる問題で、丸ごと問われることになります。ですから今日は、平和の問題、くらしの問題、そして地方政治の問題と、三つの角度から、日本共産党の果たしている役割についてお話しをさせていただきたいと思います。


イラク問題は査察の継続・強化で平和的解決を

 まず、第一は平和の問題です。
 今度のいっせい地方選挙は、イラク危機の深刻な進展と同時並行での選挙となりました。いまアメリカは何が何でも戦争をと熱中しています。ブッシュさんの頭のなかには、もう戦争のことしかありません。こういう状況です。
 しかしこれほど道理のとおらない、これほど無法な戦争計画はありません。
 みなさん、いまイラクの大量破壊兵器について国連による査察が、いよいよ本格的な軌道にのりつつある。これが現状なのです。三月七日に国連査察団のブリクス委員長が国連安保理に報告しました。そこでは、昨年十一月から始まった、査察の成果について、ともかくミサイルの廃棄をはじめ、実質的な進展がはじまった、イラクの姿勢にも積極的で自発的な協力への変化がみられることを歓迎する、そしてあと数カ月査察を継続すれば査察による問題解決が可能だと報告したんです。そしてブリクス委員長が二十九項目の未解決の問題点をあげて、その二十九項目の解決のための作業計画を三月いっぱいに提出する、みなさんここまできているのです。
 もう二十九項目の問題点がはっきりして、数カ月きちんとやって、これをすすめれば、戦争なんか必要ない。平和的に解決できるというのが、国際社会の到達点ですから、それならばこの査察を継続・強化して、あくまでも平和解決をはかるために国際社会が一致団結すべきときではないでしょうか。(拍手)


道理のないイラク戦争推進新決議を提案するアメリカ・イギリス

 そこにアメリカとイギリスが出してきた、新しい決議案が大きな障害を持ち込んだ。
 これは、三月十七日まで期限をきって、そのときまでにイラクが大量破壊兵器の廃棄を国際社会に証明しなければならない。そうでなかったら、戦争に切りかえる。こういう内容です。
 しかしみなさん、三月十七日といったら、今日十五日ですから、もうあさってでしょう。あと二日や三日でこれできるわけがありません。ブリクス委員長もイラクの協力があったとしても、数カ月の査察の継続が必要だといっているのに、わずか数日で白黒はっきりさせろというのは土台最初からむりな要求を突きつけて、せっかく軌道に乗りつつある査察をむりやり中断して、戦争に切りかえる、こういう内容です。
 これは本当に道理のかけらもないものであって、しかもブッシュ大統領は、この戦争に切りかえる決議案が、通ったら通ったで戦争をやるし、通らなければ通らないで戦争をやる。どっちにしたって戦争をやるといっているわけですから、こんなに無法な態度はないということを、私ははっきり言わなければならないと思います。(拍手)

イラク戦争を支持し、説得に回る小泉内閣

 この中で、わが日本政府はどうしているのか。
 今いったん査察を中断し、戦争に切りかえる、米英の決議案に、いち早く支持をしたのが日本政府です。支持するだけではない。札束をちらつかせて、世界中に小泉首相が電話をして、ともかく戦争の決議案を支持しろ、支持しろといってまわっている。こんな国は世界に数えるほどしかない。
 ですからブッシュ大統領にすると、小泉首相は、ありがたくでしょうがない存在なのです。めったにしかお役に立てないけれども、今度は役に立っている。あるアメリカの政府の高官は、こういいました。ブッシュ大統領は、小泉首相に抱きついてキスしたいくらいな気持ちだ。(笑い)なんともみなさん気持ち悪いですね。(笑い)見たくない光景です。(笑い)ここまで言われている。
 私、一昨日小泉首相と党首会談の機会がありまして、こんな恥ずかしい態度はやめて、いまからでも日本政府は憲法九条を持つ国にふさわしく、査察による平和解決という、そういう態度に切りかえなさいということを申しました。
 私そのときですね、政府のとっている態度の二枚舌という問題を厳しく批判したのです。だって皆さん、米英の決議案というのは、査察を打ち切って戦争に切りかえる決議案でしょう。それを支持しているということは、戦争を支持しているということでしょう。ところがですね、そう言わないのですよ。国民のみなさんの世論が恐ろしい、だから戦争を支持していても、戦争支持といわない。なんというかというと、平和解決のための圧力です、というのです。私それは欺瞞だと、誰が見ても戦争に切りかえる決議案を支持しておきながら、平和解決のために努力しているなんていう欺瞞はやめろ、二枚舌はやめろと、私は、小泉さんに面と向かっていいました。そうしましたら小泉さん、相当興奮しまして、二枚舌ではありません、舌は一枚しかついてないという話をして、一所懸命言い訳を始める。(笑い)
 そこで私ひとつひとつ聞きました。米英の決議案が通ったら、査察が打ち切られるということは認めますねと聞きましたら、それは認めますというのです。査察という手段がなくなったら、あとには戦争しか残らないじゃないか、それを支持するということは、戦争支持と同じじゃないか、といいましたら、ここで何もいえなくなって、席を立ってしまったので、ここで終りだったのです。
 私は、今からでも平和解決の道に転換すべきであるということを言いたいし、そして、戦争支持を言っておきながら、平和解決のためにがんばっていますなんという二枚舌は断じて許せないということを、はっきりいいたいのであります。(拍手)
 ただみなさん、本音は隠せませんね。政府与党から、いろいろな発言が出てきますが、平和の声が日本に盛り上がる、それに対して、小泉さんは、イラクに誤ったメッセージを与えると言いました。川口外務大臣は、イラクを利すると言いました。公明党の冬柴幹事長にいたっては、平和運動は利敵行為と言いました。皆さん、ここにある論理は何でしょう。アメリカに賛成しない者は、フセインの味方だというのです。こんなひどい話はないですね。こういうやり方で、平和の声を敵視する自民、公明の正体こそ、まさに平和の敵であるというはっきりとした審判を下していこうではありませんか。(拍手)

イラク戦争反対は世界の多数の声

 みなさん、この問題、前途に希望はあるのでしょうか。今週から来週にかけて、世界の情勢が非常に緊迫してきます。米軍は、強大無比な軍事力を持っています。しかし私は、今のアメリカ政府には、正義はないと思います。道徳もないと思います。そして、日に日に世界で孤立しつつあるのが今のアメリカの姿ではないでしょうか。例の、米英の決議案、国際社会から、支持を受けない、安保理の主要国の中でも、フランスとロシアは拒否権を使ってでも反対するという態度です。ドイツ、中国も反対です。中間派といわれる国も賛成しない。安保理の公開討論が先週二日間にわたってやられました。五十三の国と機関が発言しました。その中で、約八割が平和解決を訴えたのです。これが世界の声です。
 マレーシアのマハティール首相は、こうなったら国連総会をやろうではないか、国連総会をやって全部の国が集まって、そこでこの問題の白黒をつけたら、圧倒的多数の国が戦争反対、平和解決になるはずだ、こういう提案をしておりますが、私も大賛成であります。(拍手)
 そこまできている。ですから、決議案の採決の見通しがつかない、三月十七日まで、もう二日しかない。そこで明日、アメリカとイギリスとスペインの代表が大西洋の真ん中のアズルスという島に集まって、ひそひそ話あうというのです。そこまで追いつめられているのです。みなさん、ここまでやってきた根本には、やはり世界の平和を求める空前の諸国民の運動があるのではないでしょうか。
 この間の、世界の反戦運動、日本の平和運動、この盛り上がりは、史上空前だと思います。世界六百の都市、一千万人を超える人たちが一気に立ち上がったのが、二月の中旬でした。その声はどんどん広がり、今や数千万人という人たちが平和の声をあげる。ある国の代表がこういったそうです。今や世論がスーパーパワーになった。国際政治のスーパースターは今や世論だ、こういったそうですが、これが本当に歴史を動かす力になっている。
 私が、感慨深いのは、一九六〇年代、七〇年代ベトナム侵略戦争が、アメリカによってやられました。あのときは、戦争が泥沼にはいって、にっちもさっちもいかなくなるところで世界中に反戦平和の運動が起って、アメリカは退散しました。こんどは違いますね。戦争が起こる前から何千万という人たちが声をあげる。しかも、ベトナムのときにはベトナムの人民が正義の解放運動をやっている、これに対する連帯のたたかいでした。今度は違います。フセイン政権連帯のたたかいではありません。フセイン政権が問題のある政権であることはみんなわかっています。世界中の人たちが知っている。しかし、平和の秩序、平和のルールを破ってはいけない、罪なき女性や子どもたち、民間の人たちを殺させてはならない、この一点で何千万という人たちが、世界中で声をあげているというのが、人類の歴史の偉大な進歩を証明するものではないでしょうか。(拍手)

野党外交でイラク戦争反対の世論をリードした日本共産党

 私たち日本共産党は、この流れを促進するための野党外交に昨年の危機の瞬間からずっととりくんでまいりました。
 昨年八月に不破議長が中国を訪問して、江沢民総書記(当時)と会談し、このとき初めて中国政府が公式の言明としてイラク攻撃反対を言いました。十月には、緒方国際局長を団長とする訪問団が、中東六カ国を訪問しました。イラクにも入りまして、このときはじめてイラクの政府と国会の首脳部は、国連の無条件の査察を受け入れるという言明をおこないました。わたくし自身も十二月に、南アジアのインド・パキスタン・スリランカ三つの国を訪問しまして、どの国とも軍事同盟を結ばない非同盟の立場の国ですから、その立場で対応して、戦争反対の一致点を確認できました。
 最後に行ったのはパキスタンでしたが、パキスタンはアフガン戦争の米軍の前線基地になっている国ですが、そのパキスタンでも、話し合ってみますと、もう戦争はアフガンだけでたくさんだ、イラクの戦争には反対だという一致点が確認できまして、たいへん心強く思った次第です。そういう活動をやってきました。
 そして国内でも、私たち昨年からずっとこのイラク戦争反対の声をあげつづけてきました。
 みなさん、昨年十一月、東京でおこなわれた「赤旗まつり」、二十万人の人たちが集まって、イラク戦争反対の声をあげました。これが日本での何十万という単位での、最初のデモンストレーションになったではありませんか。そして私たちは、先週、今週、来週、大事な場面ですが、三月十一日、全国いっせいに北海道から沖縄まで、一万カ所以上で、イラク戦争反対の宣伝と運動にとりくみ、今日は実は広い市民団体の方々と一緒に大集会が東京で同時並行でもたれています。
 みなさん今こそ、がんばりどころだと思います。戦争をとめるために、最後まで力をあわせようではありませんか。
 そして選挙では、八十年間、平和つらぬいてきた日本共産党の躍進を、平和の願いはどうか日本共産党に、お寄せください。よろしくお願いいたします。(拍手)

四兆四千億円もの巨額な国民負担増を押しつける小泉内閣

 第二はみなさん、暮らしの問題です。
 いま暮らしの問題で、一番の大きな問題は、十年以上つづいている不景気のもとで、社会保障だけで二兆七千億円、みなさん庶民への増税で一兆七千億円、合計四兆四千億円もの巨額の負担増を、おしつけていいのか。これは問題だと思います。私は、二月の衆議院の予算委員会で、首相とこの問題をずいぶん論戦したのですが、いくつか実感したことがあるのです。
 まず一つは、この小泉首相という人は、国民に痛みをおしつけておきながら、自覚がないということなのです。私は、去年の十月から強行された、おとしよりの医療費の負担増、どういう事態がおこっているか、調べまして国会でとりあげました。
とくにお医者さんに聞きますと、いろいろな深刻な問題があるが、在宅酸素療法というのが危機に瀕しているという話がありました。これは肺とか心臓が、弱った患者さんが、自宅で酸素が吸えて、生活の質がよくなるという療法で、全国十一万人がこの療法を受けているわけですが、負担増でこれが中断をやむをえなくされている方が、相次いでいる。たとえば、これまでだいたい月一回お医者さんに行って、処置をしてもらって、八百五十円くらいですんだのが、一割負担になったら月一万円前後まで医療費が値上げされてしまう。わずかな年金で一万円となると、もう払えない。やむなく中断になる。こういう方が全国でたくさんいらっしゃるのです。どういう状況になるかといいますと、酸素をとられてしまうわけですから、家の中でも動けなくなって、じっとしていなければならなくなる。それから夜、睡眠がとれなくなる。そのうえに、栄養がとれなくなって、衰弱が進む。そういう事態がおこっているということも、お医者さんが投書でも訴えて、新聞にものりました。
 私は、その投書をとりあげて、首相に聞きました。これが痛みの一言で片付けられることですか、痛みに耐えてといって我慢できることですか、と聞いたのです。それにたいする小泉さんの答弁は、ひどいものでした。酸素をとってしまうなんて、そんな馬鹿なことするわけない、と言うのです。小泉さんがするわけないといったって、現実に起こっている。ところがそれを知ろうともしないし、痛みを感じようともしない。
 さすがに厚生労働大臣があわてて出てきて、志位さんの言われるような実態があります。しかるべく対処をいたしますということを、しぶしぶですが約束せざるをえませんでした。対処するといった以上、しっかり対処してもらおうではありませんか。(拍手)
 ただ私が、ほんとうに感じたのは、痛みをおしつけながら、おしつけている自覚がないというのは、一番悪いでしょう、みなさん。痛みをおしつけていても、自分のハートがいたんでたら、悪いなあと思っていたら、ブレーキかけようとしますよ。ところがどんなに痛みをおしつけていても、あの首相は全然感じないのですから。こういう人は、際限なく痛みを押しつけて平気ということになるではありませんか。私はこういう人は、首相の資格なしといわなければならないと思います。

国民への痛みの押しつけ、家計への影響を無視する小泉首相

 私は二つのことを感じたことがあるのです。この政権は家計がどうなっても、その打撃に対する自覚をもっていない。私は今度の4兆円の負担増、橋本内閣当時の消費税の値上げなど九兆円負担増と比べてみました。九兆円と四兆円ですから、四兆円の方が少ないと見えますけれども、事はそう簡単ではないのです。
 九七年の橋本内閣の負担増の時は所得が伸びていた、そこに負担増がかぶさって、合計で四人家族で二・四万円所得が減って、それでもあの大不況の引き金になった。今回はリストラや倒産で、所得がどんどん減っているところに、負担増がかぶさって、合計二十六万円も所得が減る。六年前が二万円、今度が二十六万円。十倍以上です。十倍以上、四人家族から所得奪って、家計がどうなると思いますか、私は、総理に聞きました。そうしたら首相は、共産党は家計の話ばかりするというのです。これには驚きました。私はすぐ批判して、そういうけれども家計の消費というのは、日本経済の六割を支えているではありませんか、六割支えている家計のことを見ないで、いったいどこを見ろというのか、それなのに家計のことばかりいうというのは、家計はどうでもいいということです。家計はどうでもいいということをいった首相というのは、私もずいぶんたくさんの首相と論戦してきましたが、小泉さんが初めてです。実は橋本首相のときも、九兆円負担増をめぐって私は、大論争をやりました。今回と同じように、家計がどうなるかというパネルをつくりまして、橋本さんどうですかと聞きましたらね。志位さんが出したパネルは、ひとつの見識だといいました。家計に影響がないとは申しませんといいました。しかし、経済に発展の力があるから、何とかなりますというのが橋本さんの答弁でした。なんともならないで、不況になったのですけれども、しかし、家計がどうでもいいとはいいませんでした。影響があることを認めました。別に橋本さんをほめているわけではありませんがあのときの橋本さんの答弁と比べても、家計はおよそどうでもいい、こういうことをいってはばからないというのが、本当に、日本経済を語る資格をもっていない、と言わなければならないと思います。(拍手)

公共事業の浪費が社会保障をつぶす「逆立ち」政治

 そうしますと、首相はいうことがなくなって、最後出てきたのは、そうは言うけれど財源はどうするのかと。「あ、出たな」と思いました。私は、必ず言うだろうと思って、あらかじめパネルをつくっておいたのです。(笑い)国と地方の税金のうち、社会保障に使われている率、これがどのくらいかをサミット諸国で比べたのです。日本は二十二%、一番低いでしょう。百の税金のうち、二十二しか社会保障に使われない。他の国はイタリアが三十二、カナダが三十九、フランス四十二、アメリカ四十五、イギリス五十七、ドイツにいたっては六十五、全然違うでしょう。何で日本がこんなに社会保障に貧しいかといいますと、年間四十五兆円から五十兆円もの公共事業の浪費が社会保障を押しつぶしているのです。この構造があるからなのです。逆立ち財政はここにも示されている。これを出したら、小泉首相が、この計算間違っているというのです。彼がいったのは、こんな数字になるはずがない。税金は税収四十二兆円、社会保障には十九兆円使っている、もっと多いはずだというのです。私は、首相は全然わかっていないなと思いました。私は、国と地方の税金のうち、いくら使われているかという数字を言ったのです。四十二兆のうち十九兆というのは、国の税金だけの話なのです。しかし、国の税金も、地方の税金も税金であることに変わりない。税金の全体がどうなっているかというのが、この数字なのです。つまり、小泉首相は、逆立ち財政やっているのに、逆立ちしていることの自覚がない。これも特徴ではないでしょうか。
 つまり、小泉首相は都合三つの自覚がないということになります。痛みを押しつけて痛みの自覚なし、家計がどうなっても自覚がない、逆立ちの自覚もない、三つの自覚なし、もうこれではみなさん、本当に、四兆円の負担増は強行する道理がひとかけらもありません。みなさん、これをくいとめるために手をつくそうではないかということを心から訴えたいと思います。(拍手)

巨大な国民負担増の撤回、健保本人三割負担の凍結・中止を

 とくに、健保本人三割負担への引き上げ、これを凍結・中止させることで、力をあわせようではないかということを訴えたい。この問題では、医師会でも共同が広がっています。こちらに伺いましたら、名古屋の医師会のみなさんは、三割負担反対、小泉内閣退陣の要求まで出したと聞きました。先日、私の地元の千葉で、日本医師連盟の研修会がありました。そこで、参加者から、なぜ、医師連盟は自民党を支持するのか、という質問があった。それに対して、日本医師会の坪井会長答えていわく、政権党で予算編成権があるからです。しかし、実は私は自民党支持ではない、私の主張で一番近いのは、共産党です。(拍手)日本医師会の会長が、言ってはばからない、ちゃんと活字に残っています。ぜひ、みんなで力を合わせて、負担増をやめさせるたたかいの扉をこじ開けたいと思います。
 その際、私は訴えたいことがある。サラリーマンのみなさん、自営業者のみなさんと団結しようではないかということです。このサラリーマンの三割負担反対というと政府がいうことは決まっているのです。国保は三割でしょうと、自営業者のみなさん三割です。だったらサラリーマンも三割でいいでしょう。こうやって居直ってきます。
 しかし、では、国保の三割負担がどれだけ重いのか、首相は分かっているのか。党首討論でとりあげたことがあるのです。
 私は、健保と国保、くらべてみました。そうしますと、病気が重症化する率、重い病気になってしまっている率、だいたい健保は百人あたり年間三件です。いわゆる高額医療費になる率です。国保はどうなっているかというと、百人あたり年間十八件です。つまり、健保は三件、国保は十八件といったら、六倍でしょう。六倍も病気が重症になってしまう率が、国保は高い。
 自営業者のみなさんが調査をしました。そうしましたら、商工業者のみなさんで、会員さんで病気で亡くなってしまった方、調べてみたら四人に一人が、お医者さんにかかった初診から、亡くなるまで一ヶ月以内だったというのです。つまり、病気の心配をかかえながら、何となく調子が悪いなと思っていながら、お金の心配でお医者さんに行けない。行ったときには手遅れという方が、四人に一人ですよ。これが国保の実態です。ですからみなさん、国保の三割負担が当然だというけど、三割の方が重すぎるのです。健保が二割、国保が三割、格差があるというのだったら健保を三割に引き上げて格差をなくすのではなくて、国保を二割に引き下げることこそ、当たり前だと思います。(拍手)
 相手は国民をみんなバラバラにして、悪い政治をやるというのがお得意のところですから、それを許さない、ということが大事です。サラリーマンのみなさんは国保の改善のために一緒にがんばる、自営業者のみなさんも三割負担反対でがんばる、力を合わせてがんばろう。そして共産党への一票で、これを食い止めるためにがんばり抜こうではございませんか。(拍手)どうかこの点でも皆さんの絶大なご支持、どうかよろしくお願いいたします。(拍手)

住民の福祉・暮らしを守る「希望ある変化」が全国に広がる地方政治

 さて、地方政治の問題です。
 私、全国今、行脚して歩いています。地方政治は、おもしろいと思います。自民党の政治が、音を立てて崩れている。希望ある変化が全国で起こっています。この前、長野にうかがいましたら、田中県政か脱ダムに象徴される、大きな改革のさなかにありました。そのあと、徳島県、共産党も与党の知事さんが去年誕生した徳島県を訪問しましたら、ここでは前の知事の汚職と腐敗の一掃をもとめる大きな市民的な運動が起こっていました。そのあと高知県の橋本県政、ここでも、同和行政の乱脈にメスを入れる大転換が進行中でありました。
 それから、東北に行ったのです。東北をまわってきますと、東北はすごいのです。なにしろ去年から今年にかけて、共産党員の首長さんが、続けざまに誕生した。まず秋田県の湯沢市で鈴木さんという方が市長になった。福島県の霊山町でも共産党員町長が誕生した。そして、今年に入ってからですが、岩手県の陸前高田市でも共産党員の市長さんが生まれた。次々と連鎖的に東北でも 変化が起こっている。
 聞くといろいろおもしろい話があります。保守の人たちと共産党の連携の話です。たとえば福島県の霊山町というところでは、町議会の中に共産党の議員さんは1人しかいない。1人しかいない議員さんに保守の方々が、町政の刷新をしたいのでひとつ町長に出てくれませんか、こういってくるのです。ところが町長に出たら議員がいなくなってしまう。(笑い)ずいぶん悩んだそうですが、しかし町長に出ようとたたかったら、堂々と勝利をおさめた。
 それから、最近聞いて心強く思ったのは、去年誕生したばかりの秋田県の湯沢市、この湯沢市では一年もたたないのに、介護の利用料を半減、国保料も値下げ、この二つの市民負担軽減の措置がとられたのです。びっくりするでしょう。私は、市長さんに財源はどうしたのですかって聞いたのです。そしたら、いやいや財源なんて、その気になれば何とかなるものですよといわれるのです。(笑い)そうは言っても、介護の利用料の半減はどうしたのですかと聞きましたら、ああ、それは市長の報酬をまず三割カットして、交際費を半分にして、黒塗りの公用車をなくしただけで、介護の利用料は半減できましたと。(笑いと拍手)意外とお金かからないものなのですね。(笑い)
 ただ、国保は大変だったと思うのです。国保の値下げは、そうはいったって市長、大変だったでしょうと聞きました。すると、こう言われました。ええ、そうなのですよ、だから私、公約に入れてなかったのです。(笑い)しかし、市長になったら国保なんとか下げてくれという要求が多い。そこで、まあダメもとで市の福祉局長さんになんとかなりませんかと諮問してみた。そしたら次の日に、市長この案でいってください、と持ってきたというのです。よく考えられた案で、積立金を取り崩したり、いろいろ負担の割合を変えたりしてきちんと値下げができる案をもっていたのです。市の福祉局長さんだって、国保証とりあげなんて無慈悲なことやりたくないのです。本当は心の中では何とかしたいと思って、案まで持っていた、でも自民党の市長さんに持っていったってどうせ突っ返される、でも共産党になったら持ってきた。そして、その案を議会に出したら、値下げができてしまったというのです。みなさん、政治というのは、姿勢が変われば、本気になればでてくるのが財源なのです。(拍手)そういう立場に自治体の姿勢を変えることこそ、今、大事ではないでしょうか。(拍手)

日本共産党と県民の奮闘で「変わる前夜」にある愛知県

 では、そういう全国の変化の中で、愛知県はどうでしょうか。私は愛知県も変わる前夜にあると思います。(笑い)クリスマスでいえば、クリスマスイブみたいなものです。(笑い)しかしクリスマスイブは、黙っていてもクリスマスになりますが、こればかりは共産党を伸ばしませんと変わりませんので、どうかよろしくお願いします。(拍手)
 愛知県が変わる前夜といったのは、私は、みなさんの運動で随分この間の運動で変化をつくってきたと思うのです。たとえば藤前干潟の埋め立てをやめさせたでしょう。私の地元は千葉県なのですが、三番瀬、同じように干潟があって、ここも中止させた。合い呼応しあってこれをやめさせたのはみなさんのたたかいの大きな成果ではないでしょうか。(拍手)
 それに続いてですね、例の万博の跡地を、新住計画とかいって、二千戸の住宅をつくって「海上の森」をつぶしてしまう、あれもやめさせたでしょう。これはこの間の成果です。やっばり、藤前干潟を守り、「海上の森」つぶしをやめさせた、これはやはり市民のみなさんが声をあげれば政治を動かせる、日本共産党がその中で大事な役割を果たしている。やっぱりここにも変化の前触れがはっきり示されていると私は思いますが、いかがでございましょうか。(拍手)

自治体の基本――住民の福祉を切り捨てる自民党愛知県政

 ただ、基本のところが悪いです。悪いといっているのは、みなさんではなくて(笑い)、県政と市政の基本です。自治体を見る際の一番の基本というのは、住民福祉の増進を図るという地方自治法の精神がきちんとやられているかどうかです。地方自治法の一条には地方自治体の目的は住民福祉の増進と書いてあるのです。ゼネコン利益の増進ではないのです。(笑い)住民福祉の増進です。これがどうなっているか。私は、オール与党がすすめている自民党県政、自民党首長のもとでこの一番の基本が投げ捨てられているというのが実態だと思います。
 暮らしを守る仕事で、愛知県が全国でどの位の位置にあるか、まず数字を申しあげますと、一人あたりのみなさんがお払いになっている住民税は、全国三位です。銅メダルです。(笑い)みなさんたくさんの住民税を払っているということをまずしっかりと覚えておきたいと思います。
 三番目に高い税金を払っているのだから、それにふさわしい福祉や教育がやられているかというかというと、そうではありません。民生費が一人あたり四十位、下から数えた方がずっと早い。介護施設の定員率は四十二位、ますます下がってきます。教育費は一人あたり四十四位、小学校児童一人あたりの先生の数は四十五位、中学校生徒一人あたりの教師の数は四十六位、もうとうとう最後に1つしか下がなくなってしまったのですが(笑い)。ずらっとですね福祉と教育という自治体がやるべきところに最低クラスが並んでいる。

四つの切り捨て――福祉関係の補助金の三割削減(20億円カット)

 最低クラスだったら、せめて世間並みのところまで引き上げてあたりまえなのです。ところが引き上げるどころか、自民党の県政は福祉と医療のための県独自の施策を次々と切り捨ててきた。四年間で私が拝見させていただいた資料をみても、主なものだけでも四つの切り捨てが行われている。年間九十億円もの県独自の福祉制度の切り捨てがやられてきました。
 一つは、一九九九年にやられた福祉関係の補助金の三割削減です。二十億円がカットされました。皆さん、朝日新聞がですね、昨年、「検証神田県政」という特集をやりました。そこで、神田県政がいかに福祉予算を削りこんでいるか、ということの事実を示しています。こう書いています。市町村経由で支出する福祉関係の補助金を前年度比二十億円削減した。一施設あたりの削減額は、心身障害者小規模授産施設が年間五十八万八千円、無認可保育所が年間二十八万五千円、なりふりかまわぬ姿勢だと。そういう福祉施設を、福祉を一生懸命支えているところの補助金を血も涙もないやり方で切ってきた、これが1つです。

入院給食費の補助の打ち切り(15億円カット)

 二つ目に、二〇〇〇年にやられたことですが、入院給食費の補助が打ち切りになりました。十五億円のカットです。
 愛知県には、福祉給付金制度というのがあります。これは国がお年寄りの医療費を有料化したときに、所得の低いお年寄り、住民税が非課税になるお年寄りに対しては医療費を無料にしようではないかという制度を、まず当時、革新市政だった名古屋市がつくり、県の制度になりました。そういう福祉給付金制度という大事な制度がある。しかしこれがどうも目ざわりでしょうがない。まずどこから削るか。入院給食費が削ろう。対象から入院給食費を除外して有料にされました。年間十五億円の負担増です。理由は、食事は入院してても、自宅でも食べるから、同じことだという冷たい理由ですが、入院されているときに食べる食事というのは治療、医療の一環であることはあたり前の話です。それを、そういう理由で、国がやったということで右へならえということで一緒になって切り捨てた。これが二つ目です。

在宅の寝たきり介護手当ての廃止(21億円カット)

 三つ目。同じ年の二〇〇〇年に、在宅の寝たきりの介護手当が廃止されました。二十一億円のカットです。
 在宅介護手当というのは、一九七三年から実施されたものです。経済的負担の軽減と身体的精神的苦痛を激励するためというのが制度の趣旨だそうです。つまり、寝たきりのお年寄りをお世話している、支えているご家庭にご本人とご家族の経済的負担と精神的身体的苦痛を、何とか支えようという目的でつくった、月額七千二百円です。名古屋市の場合、市が上乗せして一万四千四百円も支給がされていた。これを打ち切ってしまったわけです。まず県が打ち切り、市が右へならえで廃止の方針を実行に移そうとしています。
 理由は、介護保険を導入したからだと言うのです。しかし介護保険の実態はどうなっているか。高い保険料を払わされたあげく、在宅でも施設でも保険に見合った給付なんかされていないではありませんか。まず在宅では利用料が高すぎる。だから支えきれない。しかたなく、施設に申し込む。施設に申し込んでみたけれど、こっちは特養ホームがいっぱいで入れない。たとえばですね、特養ホームの待機者が、介護保険の導入前の三千六百七十五人から、今全県で一万一千三百十五人ですから、三倍になっている。つまり、在宅でも支えられない、施設にも入れない、事実上保険になっていないのです。利用料の減免、保険料の減免、施設の整備、それをしっかりやる。これは当然であります。保険の現状が、保険としてまともになっていない、そういう現状のもとで、最後の頼みの綱だった手当を切るというのは、これはみなさん、誰が見ても道理に合わない、冷たい、冷酷なやり方ではないでしょうか。(拍手)

68歳・69歳の医療費の助成制度の廃止(33億円カット)

 四つ目に、これは2002年と2003年にすすめられていることですが、六十八歳と六十九歳のお年寄りの医療費の助成制度を廃止する、三十三億円のカット。この冷たいやり方をすすめています。
 これは、二年間で独自の助成制度を全部なくしてしまうのですが、この理由がひどいのです。本当に驚くべき、ちょっと他では見られない理由で、県は廃止しようとしている。国の老人医療制度が今の七十歳以上から七十五歳以上に変わるので、それに合わせて県の対象年齢を引き上げて、今のうちから六十八歳、六十九歳をやめて、七十三歳、七十四歳の助成にするのだと。しかしみなさん、国の制度は七十歳以上が老人医療です。七十五歳以上になるというのはまだどこでも決まっておりません。今後の検討課題になっているだけです。それを、国の改悪がもう決まったようにして、それを理由に、六十八歳、六十九歳を切り捨てるというのは言語同断のやり方ではないでしょうか。(拍手)こういうやり方を県が始めたら、県が国に早く七十五歳以上に老人医療制度を改悪しろといっているようなものです。そんな動きがあったら、それはまかりならんと国にストップをかけてこそ、自治体といえるのではないでしょうか。(拍手、そうだ)
 これで四つ、主なものだけでも九十億円のカットなのです。しかもこれで終わらない。一昨年の十二月に、県が決めた改定第三次行革大綱というのを見ますと、県独自の福祉と医療、私学助成をさらに切り捨てる計画が満載です。
 名古屋市も切り捨て競争に参加している。とんでもない競争ですが、かつて革新市政の時代に日本一の福祉といわれた、すぐれた施策の多くが切り捨てられ、切り捨ての対象です。特に国保の本人負担は名古屋では、世帯主の負担が二割だったのですが、この四月から三割に引き上げるという改悪を強行しようとしている。敬老パスも切り縮めをやろうとしている。福祉給付金制度もここでも切り捨てをやろうとしている。これが現状です。
 みなさん、たとえ国がやらなくても住民の暮らしに必要なことは、自治体が独自でもやる、そうしてこそ自治体と言えるのではないでしょうか。それを放棄したら、自治体が自治体とは言えなくなる、自治体の自殺行為だということを、私は厳しく言わなければなりません。(拍手)みなさん今度の選挙の争点は非常に明瞭であります。日本共産党を躍進させて、この福祉切り捨ての動きにストップをかける、切り捨てられてしまったものも取り戻す、さらに福祉や医療を充実させる。どうかみなさん、この願いを日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(拍手)

県民の福祉と教育の予算充実の重荷となる万博・空港二大事業

 さて、その中で万博と中部空港という二つの巨大プロジェクトをどうするかという問題です。
 この二つのプロジェクトに見通しがないということ、県財政の重荷になっているということは、誰の目にも明らかです。毎日新聞の今年の一月二十七日付の記事によると、愛知県は全国有数の借金県になってしまっている。三兆五千億円もの借金をかかえている、ということを述べています。こう言っています。全国の都道府県が公共事業費の削減に踏み切るなか、逆に増えているのが愛知県。愛知万博、中部国際空港という二大事業をかかえているためだ。これが重荷になっているというのはマスコミも認めています。そして、福祉と教育の予算の充実の重荷になっているのは当局も認めています。たとえば神田知事は、中日新聞のインタビューでこう言っています。二大事業を十数年かけて準備してきて、福祉への影響がゼロだったとは思っていない。やっぱりこれが福祉の重荷だというのは、知事も認めている。渥美さんという県の教育長はこう述べています。これは朝日新聞の記事ですが、財政難のなかで愛知万博や中部空港を進めていることもあり、教育で目に見えるものは打ち出しにくい。結局、この二大プロジェクトが財政の重荷になり、福祉をつぶす重荷になり、教育をつぶす重荷になるというのは、これは疑問の余地がない。こういう状況なのだけれども、やめないわけです。
 やめない理屈はどういう理屈かというと、知事や「オール与党」が言っている理屈は、今さら万博はやめられない、「いまさら」論です。万博には、空港がいる。空港には関連施設がいる。だから急がなければならない。「いまさらやめられない」論なのです。しかしこれは、私は今からでも、万博は中止できるという立場で堂々と立ち向かう必要があると考えるものであります。(拍手)
 これは、皆さんの審判いかんなのです。東京でも、臨海副都心での世界都市博は九六年の三月に開催が決まっていたのですが、これ中止を決めたのは開催十ヶ月前ですよ。それからですね、フランスのパリの国際博覧会、これ二〇〇四年五月の開催が決まっていたのですが、中止が決定されたのが、開催一年九ヶ月前です。愛知万博の開催というのは二〇〇五年三月二十五日ですから、まだまるまる二年以上ある。ですからこの東京を例にみても、パリの例をみても、やっぱり今度の選挙で日本共産党が大きく伸びて、もうこれはいらない、今どき万博はいらない、そのために税金をつぎ込むのはもうごめんだという声をあげて、中止にさせるということがまだできるし、今からでもすべきだということをはっきり声をあげよう、こう訴えたいわけであります。(拍手)

万博中止、巨大開発見直しの一票を日本共産党に

 万博が中止になれば、空港も急ぐ必要がなくなります。例えば採算の見通しのない万博会場のリニア線は急ぐ必要がなくなる。前島開発も急ぐ必要がなくなる。空港関連事業も急ぐ必要がなくなる。万博をまず中止して、こうした巨大開発事業を見通しのないままこれ以上進めていいのか、ここで立ち止まって、しっかりと再検討すべきではないでしょうか。
 たとえばリニア線。これは万博会場建設費が千三百五十億円ですが、リニア線はだいたい同規模のお金がかかるのです。千七十五億円。これからの事業ですが、もともと新住計画という例の「海上の森」をつぶす住宅計画があって初めて成り立つ計画でした。万博の後も、リニア線は使わなければいけませんせんから。そのために、新住計画がなかったら、使う人がいなくなってしまうのですから。新住計画が中止になった今、採算の見通しは根本からなくなったのでしょう。ですから、これはやめる。それから、前島開発。これは空港関連の埋め立て事業だそうですが、これはものすごいお金ですよ。これだけで、県は二千三百四十億投入する計画です。ところが。全然見通しがない。これは、読売新聞ですが、「企業誘致に 暗雲濃く 臨空都市姿みえず」だそうです。これは前島埋め立ての件です。ここでは、結局、関空の対岸にある「りんくうタウン」の例を出しています。みなさん。「りんくうタウン」に行ったことはありますか。あれは関空ができて、対岸に巨大な空港の受け入れに匹敵する巨大なビルの立ち並ぶ都市をつくろう、「りんくうタウン」をつくろうといってやったのです。しかし、行ってごらんなさい。ゴーストタウンですから。何があるかというと、仮設遊園地になっているのです。観覧車が回っているのです。これが「りんくうタウン」です。関空でも「りんくうタウン」がそのようになっている。そんなときに、同じような臨空都市がこの中部で成功するわけがないではないか、という記事であります。ですから、やはり、この前島開発も、今、立ち止まって、凍結すべしという判断をすべきではないでしょうか。
 巨大開発というのは面白い理屈がありまして、いったん無駄をやりますと、無駄が無駄を呼ぶのです。万博つくらなければいけない、そこで空港だ、空港つくらないといけない、そこでリニアだと。空港つくらないといけない、そこで埋め立てだと。無駄が次から次と連鎖反応を生むでしょう。ですから、これはやっぱり、今からでも万博を中止し、残りの巨大開発は今からでも見直すという、みなさんの税金の浪費を最小限に食い止めるための頑張りを今、やるときではないかと思います。どうか、みなさん、この一票を日本共産党に託して下さい。よろしくお願いいたします。(拍手)

削られた福祉を取り戻した党県議団のかけがえのない実績

 私は日本共産党の県議団、さまざまな頑張りをやってきたと思います。「海上の森」の問題。藤前干潟の問題。私は、いろいろな実績の中で、ひとつすごいなと思ったものがあるのです。それは、いったん削られた福祉を取り戻したことです。福祉医療制度への一部負担金というのが導入されたでしょう。これは二〇〇〇年二月の県議会で、知事が、乳幼児、障害者、母子・父子、戦傷病者、四つの福祉医療制度。みなさんがつくった、この四つの福祉医療制度に一部負担金を導入する予算案を提案して、「オール与党」がみんな賛成して、反対したのは共産党だけで強行されました。いったん、県は切ったのです。ところが、共産党が反対、そして市町村が一部負担金導入にそろって反対、県が削減した一部負担金を市町村が肩代わりして、一部負担金は実施されなかった。その中で、さすがに県は折れて削減した一部負担分を、翌二〇〇一年度以降は、その導入を断念して、取り戻したのです。みなさん。これは、全国でもなかなかないことです。全国で、東京でも大阪でも、この間行った兵庫でも京都でも、どこでも「行革」の名で福祉の切り捨てが、どんどんやられている。取り戻そうといって頑張っています。しかし、取り戻した例というのはなかなかない。やはり、私は、この愛知の例は、みなさんのたたかいのすばらしい成果だと思います。取り戻した例があるのですから。先ほどお話した四つ切られて九十億円という話がありましたが、共産党を伸ばして取り戻そうということをみなさんに訴えたいと思います。(拍手)

悪政進め、支持基盤が崩れる自民党を支える公明党・創価学会

 今日は、平和・くらし・地方政治といろいろとお話をしてまいりました。どこでも自民党の政治の危機は深い。私は、全国まわりますと、自民党政治の支持基盤がどこでも音をたてて崩れていくのを実感しています。さっき、医師会の話をしましたが、建設業界、商工会、あるいは農協、これまで自民党を支持してきた支持団体が、全部もう自民党はいやだ、こんどは共産党といっしょにやろうと。こういうことが、たくさん起こっていますよ。これは私が言っていることではない。また、橋本さんを出して悪いけど、橋本首相はこういいました。小泉君は、自民党をぶっこわすといったが、もう支持基盤は半分ぐらい壊れている。(笑い)本当に、そうなのです。このようなもとで、自民党の組織の支えをやっているのは、公明党、創価学会なのです。しかし、私は、自民党の諸君に警告したい。自分たちの墓穴を掘ることになりますよと。私たちのところに、ある自民党議員から、こういうぼやきが聞こえてまいりました。もう麻薬なしには選挙ができない政党になってしまった。(笑い)こうなっているのです。

戦争の党、福祉切捨ての党、反共だけが存在意義の党―公明党

 では、その公明党、創価学会というのは、何をやっているのか。この党は与党に入りました。与党に入ったことで、これまでまがりなりにも掲げてきた看板が、次から次へとはがれ落ちる。ごろごろはがれ落ちる。たとえば、平和の党といってきました。しかし、公明党の幹事長が、何しろ平和の声を利敵行為というのですから、平和の党という看板は、戦争の党という看板にかけかえたらいかがでしょうか。(笑い)福祉の党といってきましたね。むなしく響きますね。だって、公明党の大臣が、三割負担の急先鋒なのですから。福祉切り捨ての党と、これもかけ変えたらいかがでしょうか。(笑い)そのように看板がみんな落ちてしまったら、残らないのです。看板が。残った看板が一枚だけある。反日本共産党の党と。これだけ残ったのです。もう、共産党攻撃して、悪口言うだけが存在意義の党に成り果ててしまった。そんな党が、みなさん、国民にとって果たして必要でありますでしょうか。「ない」という声がだいぶとんでまいりました。(笑い)私も本当にそう思うのです。
 どんな攻撃をやっているかといいますと。北朝鮮の問題を使って、共産党は北朝鮮と親密だっただの、拉致問題を棚上げにしただの、悪口を言い募りました。私たちは、これに徹底的に反撃しました。事実は日本共産党こそ、北朝鮮の個人崇拝や無法行為に厳しく反対を貫いた自主独立の党であり、公明党こそ、個人崇拝に迎合し、そして、拉致の容疑者の釈放の嘆願署名にまで名を連ねていた、外国迎合の党である。反省すべきは公明党だということをきっぱり反論してまいりました。

民主主義の破かい―創価学会による反共謀略本の中づり広告

 そうすると、今度は正面きってやらなくなって、これはこちらの方ではやっていないと思いますけれども、東京の電車の中づり広告に、妙なものが出だしたのです。ある本の、北朝鮮に関して共産党の悪口を言うデマの本なのですが、その本の広告が電車にいっぱいつりさげられた。私たちこれは、名誉毀損ということで、私の名で告発しました。こんな犯罪行為は許されない。「しんぶん赤旗」チームは、この本の出版元をずっと調べたのです。そうしたら、未来書房というところが出していた。これは正体不明なのです。ずっと未来書房を調べてみたら、昔は鳩レースのことをやっていた出版社とのことでした。鳩レースというのは、鳩を飛ばす競争、レースです。つまり、レジャー系のものだったがずっと眠っていて、急に反共の出版社になった。おかしいですね、これは。しかもつり広告だけで何千万円もかかるのですから。とても本を売ろうとしてやっているものではない。つり広告で、共産党の悪口をいうための謀略的なしかけだということがわかってきた。さらに調べました。そうしましたら池田大作さんの本といっしょに扱っている創価学会丸抱えの本だということがわかりました。そしてとうとう、その出版元に行った。そしたら、あわてて引っ越して逃げてしまったのです。みなさん、これが相手のやり方ですよ。汚いやり方ではないですか。共産党の批判やるのに、自分の立場をいえないわけですね。暗闇から狙い打つような、まさに卑劣な謀略そのものではないでしょうか。私は、「卑怯者。名を名乗れ」こういいたいですね。悪口をいうのだったらどうどうと私は創価学会ですといって、やったらいい。そうしたら私たち堂々と受けて立ちます。こういう民主主義を破壊するような卑劣なやり方は絶対に許すわけにいかないということを、私ははっきりといいたいと思います。(拍手)

命の問題を党利党略に使って恥じない政党・団体には負けられない

 それで、こっちにきましたら、この私を歓迎してくれたのかどうか、こういうビラをまいているのですよ。昨日の夜中に、民医連の病院の攻撃のビラが、自由民主というから自民党がまいたのかと思ったら、自民党の県議は私知らないといっているそうですから、どこがまいたのだかわからないけど、やっている。
 このようなことは国会でもやりました。公明党の差し金で自民党の議員が、民医連の四つの病院でおこった医療事故・事件をとりあげて、口汚くののしって、共産党の悪口を言った。私は、これは人の道をはずれたやり方だと、大変、怒りに心が震えました。次の日に反論しました。この四つの民医連の病院というのは、確かに、医療事件・事故を起こしたことはあってはならないことですが、その問題について、起こった問題を全部明らかにして、そして、再発防止のために一生懸命努力している病院です。そういう病院があったら、その努力を支援することこそ政治の役目であって、それを全部あげつらって、まさに犯罪者であると、病院ぐるみの犯罪者であると、しかも共産党がその下手人であるかのようにデマまで尾ひれをつけて攻撃するやり方というのは、およそ、まじめに医療事件や事故をなくそうというものとは無縁の党利党略だと、私は、国会でも論争しました。実はこの四つの病院の中には、たとえば、大阪の耳原総合病院というのも入っています。セラチア菌の院内感染が問題になった病院ですが、これは自分で届け出て、徹底した再発究明をやって、防止もやって、今ではセラチア菌感染防止の模範的なモデルの病院になっているのです。全国の病院のセラチア菌の感染防止の手本になっている。厚生労働省がセラチア感染の講習会をやっていますが、どこから講師を呼ぶかといいますと、民医連の耳原病院から来てもらっているのです。厚生労働省が感謝状を出さなければいけないような病院なのです、今や。そういう病院までいっしょにして、犯罪者扱いしている。ともかく党利党略のために。拉致の問題にしたって、医療の問題にしたって、人間の命の問題でしょう。命の問題を党利党略に使って恥じない、こういう人たちには、およそ政治に携わる資格はないという審判をはっきり下していただきたい。負けられません。(拍手)

歴史の本流にたっている党―日本共産党に絶大な支援を

 みなさん、日本共産党は、歴史の本流にたっている党だと思います。政党らしい政党として、本当に、平和でもくらしでも地方政治でも、みなさんのお役にたてる党だと思います。だからこそ、相手も共産党が伸びるのがこわい。一生懸命、いろいろな攻撃をしかけてくる。だから、今度の選挙は、私たちはこれまでと同じでは勝てない。勝利に必要なことは、もっと早くからやりきって、躍進にむかおうと考えています。この前、私どもは都道府県委員長会議を開きまして、もう三月三十一日までが投票日だという気持ちで、勝利に必要なことをやりきってしまって、四月の選挙本番になったら、もう大躍進のために打って出るような、そういう早い取り組みをやろうということをみんなで意思統一しましたが、そういう決意で頑張りぬきますので、どうかみなさまがたの絶大なご支援を日本共産党にたまわり、先ほど並んだ全員が勝利できますことをみなさんに重ねてお願いいたしまして、私の訴えを終わらせていただきます。(拍手)ありがとうございました。(拍手)