2003年3月31日「しんぶん赤旗」北関東版に掲載

〔HP限定〕

平和、暮らしの願いをこぞって日本共産党へ

さいたま市大宮駅前 志位委員長の訴え(大要)(2003年3月24日)


日本共産党の志位和夫委員長は、二十四日のさいたま市大宮駅前での街頭演説で、アメリカのイラク攻撃の無法ぶりを解明するとともに、攻撃支持を表明した小泉首相と自民・公明のアメリカいいなりの態度を厳しく批判、平和の党、日本共産党への大きな支持を訴えました。演説で埼玉県政についてのべた部分の大要を紹介します。

 地方政治のことについてお話しさせていただきます。小泉政権のひどさは戦争を支持しているだけではありません。国民の暮らしを破壊するという点でもひどい政治です。今年から来年にかけて、医療費の値上げをはじめ、総額四兆円の負担増を押しつけようとしています。火事場泥棒ならぬ、戦争泥棒といいますか、戦争のどさくさに紛れて国民の暮らしの破壊を許すわけにはいかないということも強調したいと思います。(拍手)
 こういう国民いじめの風が、国から吹き付けてくる中だからこそ、地方自治体の役割が大事です。自治体は本来、住民の福祉と暮らしを守るためにあります。国から無謀な負担増や医療の切り捨て、命を切り縮める風が吹いてきたら、その風から両手を広げてみなさんの暮らしを守ってこそ自治体といえます。その役割を埼玉の土屋県政がはたしているかというのが、今度の選挙の大争点です。


革新県政20年の成果壊す土屋県政と「オール与党」

 埼玉県では一九七二年から二十年間、革新県政がありました。この時代に築いた県民生活のための大事な成果が、土屋県政と「オール与党」のもとで壊されようとしているというのが、いまの重大な点であります。
 二つの点で訴えたいと思います。お年寄りの医療費の助成は、埼玉は独自の制度があります。六十八歳と六十九歳のお年寄りへ埼玉県独自の助成制度があります。それが所得制限の強化によって、まず一万人のお年寄りが、この制度から排除されました。来年の一月から六十八歳の方は対象外になり、六十九歳に引き上げられます。早ければ再来年には制度そのものをなくすという計画だそうであります。
 その理由がひどいのです。「国が制度の改革を行うから、県は整合性をはかる」というのです。つまり、国が老人保健制度の適用年齢を七十五歳以上にするという計画をもっているから、埼玉県も六十八歳、六十九歳のお年寄りへの窓口助成はやめる必要があるというのです。しかし、みなさん、国は七十五歳以上のすべてのお年寄りからも新たに医療保険料を取り立てる大改悪の計画を持っていますけれども、七十四歳までの窓口負担を引き上げるかどうかは、国民のみなさんの批判がこわくて決められないでいるのです。国が決めてもいないものを先取りして、県の方から先に制度をなくすというのは、まったくあべこべではありませんか(「そうだ」の声)。もし国がお年寄りいじめの改悪をやろうとするのだったら、県の制度を先取り的に悪くしてあわせるのではなくて、国にそんな計画はやめろというのが県の責任ではありませんか。(拍手)
 もう一つ許せないと思ったのは、県立高校つぶしです。革新県政の時代には「十五の春は泣かせない」を合言葉に、二十年間で八十校の高校が建設されました。これを知事と「オール与党」は、県立高校全日制で十五から二十校、定時制高校で二十校の廃止を打ち出しています。その理由は、子どもが減っているからだというのですが、これも理由になりません。
 子どもの人数あたりの高校数は、埼玉県は全国四十七位。最下位です。全国でいちばん高校の数が足りません。子どもの人数が減っているというならば、そういうときこそ少人数学級にすすむチャンスではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。こんな切り捨てを許すなの声も、どうか日本共産党に託していただくよう、よろしくお願いいたします。(拍手)

見通しのない「新都市」づくり、べらぼうな金を注ぎ熱中

 そして、見通しのない新都市づくりには、べらぼうなお金を注ぎ込み熱中しています。ワールドカップがおこなわれ、大きなスタジアムを建設しましたが、毎年四億円の赤字です。そこで、スタジアム周辺の三百二十ヘクタールの田んぼを開発して「ウィングシティー」とよばれる「新都市」をつくる。商業ゾーンをつくり、業務ビルを建て、住宅開発をして、三万二千人が住む「新都市」をつくるというのです。その理屈は、「スタジアムを核とした都市づくりをやれば、サッカーの観客が町に流れ、町に来た人がサッカーを見る」というのだそうです。しかし、「さいたま新都心」でさえオフィスビルが余ってしまって、深刻な問題になっているときに、さらに業務ビルをどんどん建てるような、「新都市」をつくったところで、見通しがないのは明らかです。
 浪費を一つやれば、さらに新たな浪費を生む。巨大なサッカースタジアムをつくったら、これが赤字だというので、今度は「新都市」をつくる。両方潤わずに共倒れです。こんなやり方は見直すべきだとはっきり言わなければなりません。(「そうだ」の声、拍手)
 もっとひどいものもあります。「本庄拠点都市」計画です。県と周辺の市と町が新幹線の新しい駅の建設費百二十三億円全額負担して、本庄新駅をつくり、この駅を核にして、六百十六ヘクタールを整備して先端産業の誘致と、宅地開発で、人口二十万の都市をつくるという途方もない巨大開発の計画です。数百億円の事業費がかかるといわれています。
 無駄遣いに使うお金があったら、福祉や医療や教育にこそ使え、この声をどうか日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。(拍手)

中小企業振興、38人学級、県政動かした日本共産党

 日本共産党の県議団は、前回の選挙で十議席に躍進し、補選で十一人になりました。県議会第二党です。
 この大きな力で県政を動かす働きをしてきました。中小企業振興基本条例の制定、教育では三十八人学級に踏みだすなど、たくさんの成果をあげてきました。この力を、どうか伸ばしていただきたい。今度の選挙は、平和への願いとともに、暮らしへの願いも、こぞって日本共産党にお寄せいただき、すばらしい勝利を埼玉で勝ち取らせていただきたい。このことを最後に訴えまして、私の話を終わらせていただきます。長い間のご清聴ありがとうございました。(歓声、大きな拍手)