2003年4月10日(木)「しんぶん赤旗」

知事不信任は道理ない

共産党躍進、大田県政の継続・発展を

徳島


 志位和夫委員長は九日、知事不信任という暴挙が強行された徳島県で大田正前知事とともに街頭演説し、県議選での日本共産党の現有二議席から五議席への躍進、続く知事選(五月一日告示)での大田前知事の再選を気迫を込めて訴えました。その後、高知県入りして街頭演説し、党県議候補の必勝を最後までよびかけました。

 会場のJR徳島駅前には、次々足を止める市民や観光客など千二百人の聴衆が集まり、熱い声援と拍手を送りました。

 大田前知事は、「日本共産党五人の全員当選で、県民のため県政が議論される県議会構成になるようお願いします」と訴え。山田豊、ふるたみちよ、扶川あつし、たつた良子、大草よしえの各県議候補が紹介され、代表して山田、ふるた両候補が激戦を勝ち抜く決意を表明しました。

 志位委員長は、米英軍がイラク戦争に突入した日に、徳島県議会では自民、公明など野党勢力が、議員任期切れを承知のうえで数の力で大田知事の不信任を強行したのは、「やり方一つとっても卑怯(ひきょう)千万」と怒りを込めて糾弾。大田県政にかかわって二つのことを訴えました。

 第一は、知事不信任の暴挙になんの大義もないことです。

 マスコミも「数の力で知事公約を阻みながら、『県民の期待を裏切っている』と批判する。なんとも理解に苦しむ」(「朝日」社説三月二十二日付)と指摘していると紹介した志位氏は、自民、公明などが「公約の女性副知事が実現していない」といって大田知事を攻撃しているが、大田知事が女性副知事の要請をしようとしたら野党県議の意を受けた県選出国会議員が圧力をかけてつぶしたのが真相だと地元紙に舞台裏がはっきり書いてあると指摘しました。

 不信任を強行した野党勢力は、汚職で逮捕された前知事側から“汚れたマネー”を受けとっている勢力であり、大田知事がすすめる汚職問題調査団の設置を一貫して妨害してきたことを告発し、「不信任の理由は『公約違反』ではない。自分たちの腐敗を隠す自己保身そのものです。こういう勢力には金輪際、県政に携わる資格がないという審判をはっきりくだそうではありませんか」と訴えると、大きな拍手がおきました。

 大田県政について第二に志位氏が強調したのは、野党勢力の妨害のなかでも希望ある変化を県政でつくりだしてきたことです。

 大田知事のもとで成立した今年度予算について、マスコミも「知事の独自色がでた予算」と評価し、中身では「緑の公共事業」(森林整備計画)をはじめとする公共事業改革や少人数学級実現に着目していることを紹介。「これらは県民のみなさんが、大田県政とともに二人三脚でかちとった素晴らしい成果ではないでしょうか」とのべました。そして、この予算が全会一致で成立したことを示し、「自民、公明など野党勢力も含めて県政の中身ではケチのつけようがないというのが大田県政です。知事不信任が党利党略でしかないのは、この点からも明らかです」と訴えました。

 志位氏は、大田県政が始めた希望ある流れを前にすすめるうえでも日本共産党議員団が「かけがえのない値打ち」をもっているとして、(1)県政の改革を願う県民との共同を常に大事にしてきた党(2)県民の願いを積極的に県議会に提案し、県民本位の県政を前進させる力をつくしてきた党(3)与党であっても間違いはきっぱり批判し、清潔・公正な県政のために力をつくす党――という三つの角度で訴えました。

 日本共産党は、住民とともに吉野川可動堰(ぜき)計画の白紙撤回、少人数学級の請願運動などをすすめて実現するだけでなく、地元でとれる安全で旬な食材を学校給食に使う「地産地消」の推進を議会で提案。大田知事はそれを積極的に受けとめ、学校給食の食材の産地調査を全県的に行うことを約束しました。

 また、党県議団は前県政から一貫して乱脈不正の同和行政を追及し、大田県政の与党となってからも「解同」への団体補助を期限を切って廃止する論戦を行い、県に「二〇〇七年度以降について廃止の方向で検討」と明言させたことを紹介しました。

 志位氏は、住民とともに生み出した前向きな変化について、「これは地方自治体の原点を示しています。自治体というのは、自らの力で自らの福祉と暮らしを守る、自分が参加して自分でつくるのが自治体です。その本領を輝かせ、発揮しているのが徳島県政です」と強調。そのなかで、かけがえのない役割を果たす日本共産党を大きく躍進させ、県政を前にすすめる願いを実現していきましょうと訴え、大きな拍手を浴びました。


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