2003年4月16日(水)「しんぶん赤旗」

教訓を生かし、後半戦での前進必ず

全国でも、東京でも、「反転攻勢」への足がかりつかんだ

党全都活動者会議 志位委員長が報告


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こぶしをあげていっせい地方選挙後半戦での躍進を決意する全都活動者会議参加者=15日、東京都内

 都知事選をはじめいっせい地方選挙前半戦の教訓を深くつかみ、可能性をくみつくして後半の区市町村議選、首長選で前進しようと、日本共産党都委員会は十五日、志位和夫委員長を迎え、都内で全都活動者会議を開きました。

 志位氏は報告で、都知事選をはじめ前半戦の結果からどういう教訓を導き、後半戦にどう生かすかについて、「三つの確信を東京の全体のものとして、引き続くたたかいにのぞみましょう」と呼びかけました。

 第一は、日本共産党は、政党として責任をもって候補者を擁立した唯一の党であり、都民の立場にたって堂々と論戦を展開した唯一の党であるということです。

 志位氏は、「政党として都政転換の選択肢を堂々と示し、都民への政党としての責任を果たしたのは日本共産党だけです。このことは、奮闘いかんでは後半戦に生きる力になることを共通の確信として、次のたたかいにのぞもう」と呼びかけました。

 第二は、前半戦のたたかいをつうじて、全国でも、東京でも、今後の前進の足がかりとなる重要な結果を得ていることです。それは、反共・反動勢力の攻撃でいったん押しこまれたところからの「反転攻勢」で、相手を押し返す貴重な一歩となるものです。

 志位氏は、(1)得票の「反転攻勢」―党候補が立った三百六十七選挙区での得票を〇一年参院比例票と比較すると32・2%の増となり、三百二十四選挙区では得票増となった、(2)定数削減と「共産党シフト」への「反転攻勢」―定数一〜三の少数選挙区でも力をつくせば勝てるという結果を得た、(3)反共攻撃への「反転攻勢」―〇〇年の大阪知事選、京都市長選以来の激しい反共攻撃にたいして、どこでも積極果敢にたたかい、これを痛快に打ち破る状況も生まれている、(4)長野、徳島をはじめとして、日本共産党と無党派との共同が本格的にすすむ流れのなかでの前進を実現している――という四つの角度から、その意義を具体的にあとづけました。

 「東京ではどうか」と問いかけた志位氏は、「東京でも、全国と同じように『反転攻勢』への足がかりが生まれています」とのべ、党派選挙としてたたかわれた都議補選(大田区)、同再選挙(文京区)での得票が、〇一年の参院比例票との比較で27%増(大田区)、135%増(文京区)となっていることを紹介。志位氏は「東京でも『反転攻勢』への足がかりがつくられている。後半戦では、本格的に、得票と議席の増をかちとろう」とのべました。

 第三は、都知事選の結果には、自民党政治の危機の深刻なあらわれがあるということです。

 石原候補が得た三百八万票という得票は、自民党政治への支持でも、石原都政の福祉切り捨て政治への支持でも、まして、石原氏の戦争賛美、憲法否定、タカ派発言への支持でもありません。選挙戦のなかで石原候補は、これらの問題を隠し続けました。

 志位氏は、「国とたたかう」という偽りのスローガンへの期待が集まったというのが選挙結果の真相だと指摘。「実態は自民党型都政そのものの石原知事が、自民党政治『批判』を唯一の売り物にし、そうしなければ都民の支持が得られないというところに、自民党政治の危機の深さがある。三百八万票は自民党政治の危機の産物にほかなりません」という分析に、参加者は深くうなずきました。

 志位氏は、今回の選挙結果は、石原候補が論戦を回避するなかで、事の真相が全都民的規模では浸透しないもとでの過渡的な結果であるとして、「三百八万という数字を恐れる必要はありません。むしろ、現状批判の声が屈折してあらわれたものであり、石原氏を支持した人もふくめて、日本共産党への支持を広げる条件はおおいにあります」とのべました。

 志位氏はさらに、「首長を選ぶ都知事選と、議員を選ぶ党派選挙とは、まったく性格を異にするたたかいです」と指摘。実際に、さきの都議補・再選で、文京区では知事選での若林候補の得票の四倍、大田区でも同二倍強の得票をしている事実をあげ、「全都民的に訴えを広げて、必ず後半戦に勝利しましょう」と呼びかけました。

 志位氏は後半戦の勝利にむけて大切な点として、(1)前半戦で立ち遅れた宣伝と組織活動での有権者にたいする働きかけの総量をひきあげ、全有権者規模での宣伝と対話をダイナミックにすすめること(2)後半戦の論戦では、区市町村という身近な選挙であることをふまえ、それぞれの自治体の問題点や党の役割、実績など、身近な要求から出発する訴えを中心におくことが大切であること――の二点をあげました。

 志位氏は、「前半戦の結果は残念なものですが、そのたたかいから前向きの教訓を引き出し、つぎの前進のために力をつくしてこそ日本共産党です。東京の大きな底力を発揮し、後半戦の勝利へ、ともに奮闘しよう」と呼びかけ、会場は大きな拍手でこたえました。

 都知事選で候補者として奮闘した若林義春都委員長は、「こんなに勉強になった選挙戦はありませんでした。これからの都政転換の土台となるたたかいができました。目前の後半戦で、東京の日本共産党の真価を発揮しましょう」とあいさつし、大きな拍手を受けました。

 田辺進都書記長が都知事選の結果をふまえた後半戦のたたかいについて報告し、前半戦の結果についての常任幹部会声明と志位氏の報告で政治的確信をひろげ、「短期決戦にふさわしい作戦と戦闘体制を確立し、全有権者規模の宣伝、組織戦を展開して、必ず勝利しよう」と呼びかけました。


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