2003年4月21日(月)「しんぶん赤旗」

市民の身近な暮らしの守り手―
日本共産党の全員勝利を

千葉・船橋市での志位委員長の訴え(大要)


 日本共産党の志位和夫委員長が二十日、いっせい地方選後半戦のスタートにあたって千葉・船橋市内であげた第一声(大要)は次のとおりです。

 みなさん、おはようございます。いつも地元のみなさんには、たいへんお世話になっております。日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)

 いよいよ今日から、いっせい地方選挙の後半戦――市・区議会選挙がはじまりました。日本共産党は、前半戦の道府県議選では、全国的には現有議席を確保できず、有権者のご期待にそえなかったのは残念でしたが、候補者を擁立した選挙区の得票は、二年前の参院選にくらべて32%のばすなど、「反転攻勢」への足がかりをつかむことができました。その教訓を生かして、後半戦では必ず得票と議席の前進をかちとるために全力をあげる決意です。

 船橋市では、前回選挙で日本共産党は六議席から八議席に躍進させていただきましたが、今度の選挙で八名の候補者全員の勝利をかちとることは、容易でない仕事です。どうかみなさんのお力をお貸しください。よろしくお願いいたします。(拍手)

国保、介護、子育て、教育――身近な暮らしがかかった選挙

 今日からはじまった市区の選挙は、何といっても住民のみなさんの暮らしにとって一番身近な選挙だと思います。住民のみなさんの暮らしにとって身近な仕事――たとえば、国民健康保険、介護保険、保育所、小中学校、ゴミの問題などを直接になっているのは、すべて市区町村です。

 こうした身近な自治体のほんらいの仕事を、住民の立場にたって、どの政党がきちんととりくんでいるかが、こんどの選挙の最大の争点です。みなさんの一番身近な暮らしがかかった選挙です。

 この点からみますと、船橋市の市政はどうでしょう。藤代市長と、自民・保守派、公明などの与党による船橋市政は、この自治体ほんらいの仕事を、投げ捨てている。これが実態ではないでしょうか。いろいろな問題がありますが、私は端的に、三つの問題について訴えたいと思います。

国保――市に責任をはたさせ、高すぎる国保料の引き下げを

 一つは、国民健康保険の問題です。国保料が高すぎる。これが多くの市民のみなさんの声ではないでしょうか。船橋市の国保料を調べてみますと、千葉県内の三十三の市のなかで、五番目に高い。高すぎる国保料を払いきれずに、やむなく滞納してしまい、市内で八千四百世帯以上の方々が、正規の保険証をとりあげられて、短期保険証や資格証明書におきかえられ、病気になっても安心してお医者さんにかかれない状況があります。

 なぜこんなに高いか。もちろん国や県の責任もありますが、市の責任も大きいのです。船橋市では、二〇〇二年度までの三年間で、一般会計から国保会計への繰り入れを、三割も減らしてしまっています。市にちゃんと責任を果たさせる必要があります。市の一般会計からの繰り入れを増やして、共産党市議団が提案しているように、一世帯あたり一万円の国保料の引き下げを実現しようではありませんか。(拍手)

市独自の老人医療費助成制度の切り捨てにストップを

 二つ目に、市独自の医療費助成制度が危ないということを、私は訴えたいのです。これまで船橋市では、市の独自の制度として、六十八歳、六十九歳のお年寄りの医療費助成制度がありました。ところが、今年の八月から、この制度の所得制限を強化して、これまで助成をうけていた九千人のうち六千人を制度からはずしてしまおうという計画がすすめられているのです。

 いま国では、医療費値上げなど国民いじめの政治がおこなわれています。こういうときこそ自治体が、暮らしを守る役割を果たさなければならないのに、これはまったく逆さまではないでしょうか。共産党の全員勝利で、この切り捨て計画にストップをかけようではありませんか。(拍手)

大型開発の一方で、歩道整備は最低水準――街づくりはこれでいいのか

 三つ目に、船橋市の街づくりはこれでいいのかという問題です。船橋駅南口に再開発ビルがオープンしました。すでに百二十億円もの市費が投入されました。そのうえ、毎年十億円の負担を市がおこなうというのです。これが借金を増やし、暮らしをおしつぶす。バブルの時代に立てた計画が、はじめから間違っていたのです。いまからでも大企業に相応の負担を求めて、市民の負担は最小限にすべきです。

 その一方で、船橋市の歩道整備の遅れはひどいものがあります。狭い側溝のフタまで「歩道」に数えても、整備率は二割以下で、近隣六市の中でも最低です。

 大型開発に税金を注ぎこむ政治は見なおして、福祉と暮らし最優先の政治にきりかえる。街づくりは、大きなビルを建てることを優先するのではなく、市民の生活と福祉、環境をよくすることに中心をおいたものにする。この願いも、日本共産党に託してください。よろしくお願いします。(拍手)

 自治体は、「住民福祉の増進」のためにあります。まともな自治体をとりもどそうという願いを、どうか日本共産党にお寄せください。(拍手)

市政を動かす多くの実績――激戦かちぬくご支援を

 四年前の選挙で、日本共産党市議団は六議席から八議席に躍進をかちとらせていただきました。八議席の力で、市民のみなさんの運動と共同し、市政を動かす多くの実績をあげてきました。

 たとえば、東京湾に残った最後の浅瀬――三番瀬の埋め立てに反対するとりくみをいっかんしてすすめ、とうとう白紙撤回をかちとることができました。

 それから介護保険では、所得の少ない方の利用料を半額にするという改善をかちとりました。国の基準では利用料はかかった金額の10%ですが、これを5%に下げる減免制度をつくりました。

 船橋市教職員組合とも協力して少人数学級実現のとりくみにも力を入れてきました。そのなかで「三十人学級の早期実現を求める陳情(請願)」が市議会で初めて採択されました。教育委員会も実施に向けて調査費を要求する動きとなっています。共産党を勝利させて、ぜひ実現にこぎつけようではありませんか。(拍手)

 さらにこの間、「ふなしん」(船橋信用金庫)が、金融庁に無理やり破たんさせられるという事件がおきました。共産党は市民・業者の方々と運動を広げ、借り手の中小企業を守るために力をつくし、RCC(整理回収機構)送りを8%に抑えさせるという仕事もやってきました。

 船橋市民の暮らしを守るためには、八人の全員勝利がどうしても必要です。一人も欠けるわけにはまいりません。市議選は一票が当落をわける激戦となります。全員勝利のためには、県議選で得た得票を大きく増やすことがどうしても必要です。残る一週間のたたかいで、最後までご支持の輪を広げに広げ、必ず全員勝利をかちとらせてください。よろしくお願いいたします。(拍手)