2003年5月1日(木)「しんぶん赤旗」

「物理的な抑止力」論は危険で有害

国際社会への仲間入りの努力こそ

北朝鮮の核開発問題 志位委員長が発言

CS番組で


写真

質問にこたえる志位和夫委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は、三十日のCS番組「朝日ニュースター」の収録(一日放送)で、北朝鮮が“物理的な抑止力でのみ戦争が回避できる”などと核兵器開発をすすめていることについて、「こうした論理そのものが、北朝鮮にとっても有害であり、周辺諸国にとっても有害かつ危険なものだ」ときびしく指摘しました。

 北朝鮮は、「ただ物理的抑止力、いかなる先端武器による攻撃も圧倒的に撃退することのできる強力な軍事的抑圧力を保有してのみ、戦争を防ぎ国と民族の安全を守ることができるということがイラク戦争の教訓である」(朝鮮通信)と、「物理的抑止力」のみが最大の安全保障とし、核兵器開発を合理化しています。

 志位氏は、「北朝鮮にとって安全保障上のいちばんの問題は何かといえば、北東アジアの周辺諸国とまともな外交関係をもてず不正常な関係にあること、国際社会のなかで孤立していることにある」とのべ、「その原因の大きな部分は、北朝鮮自身の立場――とくに国際的な無法行為を清算せず、国際的ルールを守らないなどにある」と指摘。「それを自ら本気になってただし、周辺各国との平和友好の外交関係を築き、国際社会への復帰をはかることこそ、北朝鮮にとっても、一番の安全保障になる」とのべました。

 北朝鮮がその努力をせず、「物理的抑止力」論にたって核兵器開発をすすめるならば、「ますます国際的な孤立が深刻になり、北朝鮮にとっても、この地域の平和と安全にとっても有害かつ危険な状況をつくる」と指摘。「国際社会と日本政府は、北朝鮮に、平和友好の関係に踏み出すための努力こそすべきだと道理をもって説いていく必要がある」と強調しました。


戻る トップ
著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7