2003年10月15日(水)「しんぶん赤旗」

暮らし、平和、農業守れの声、日本共産党に

山梨・甲府市 志位委員長が訴え


 日本共産党山梨県委員会は十四日、志位和夫委員長を弁士に甲府市のベルクラシック甲府で演説会を開きました。全県から九百人が参加しました。

 志位委員長は、解散直後に民放テレビで放送された党首討論で最初から最後まで問題になったのが「国民の不安」だったと指摘。「多くの国民がもつ不安をどうとりのぞくのか、しっかりとした解決の提案を示しているのが日本共産党です」とのべ、経済、外交・安保についての改革提案を縦横に語りました。

 そのうち経済の改革のなかで志位氏は、「農業を国を支える土台の産業と位置付けて、再建のために本腰を入れる政治に切り替える」ことを強調しました。

 自民党の「政権公約」が「やる気と能力のある農業経営を後押しします」としていることについて、志位氏が「日本の農家はみんな『やる気』も『能力』もある。それをさんざん打ち砕いてきたのが自民党政治ではありませんか」と批判すると大きな拍手が起こりました。

 志位氏は日本共産党の二つの提案を示しました。第一は、輸入自由化にストップをかけ、食料の六割を海外に頼っている現状をただし、自給率を計画的に引き上げる政治への転換です。志位氏は政府の世論調査でも八割の国民が安心して食べられる食料として、国内生産を望んでいることを紹介し、「輸入を抑える措置をとるのはあたりまえではありませんか」と強調しました。

 第二は、農産物の価格保障の問題です。志位氏は、農家が安心して再生産できるしくみを築くことは政治の責任だと強調しました。日本の農業予算の半分が公共事業に使われ、価格保障には32%しかあてられていないのに対し、欧州諸国では価格保障に60%以上が使われていることを紹介。欧州諸国なみに引き上げれば、価格保障に一兆円程度の予算が確保できることも示して、「日本の農業を再建しようという声も日本共産党に託してください」と訴えると、いっそう大きな拍手がこたえました。

 演説会は用意したいすが足りなくなるほどで、志位委員長の訴えにしばしば拍手や声援がわきました。志位委員長とともにたたかう衆院南関東ブロックの大森たけし前衆院議員、花田仁、浅野ふみ子、笠木たかしの各比例候補が決意を表明。小泉ちかし参院議員(参院比例候補)がともに奮闘する決意を訴えました。

 共産党の演説会に初めて参加した無所属の武川村議の男性(72)=米農家=は「本当にためになりました。私たちの暮らしに直接通じる、心に残る話でした。農家を苦しめる減反をなくすため頑張ってほしい」と話します。

 日本共産党山梨県委員会はこの演説会成功に向け千百団体へ案内、懇談を行いました。

 一方、自民党は、一月の知事選で候補者が擁立できず、県医師会が小泉首相の即時退陣を決議。その危機感もあり安倍晋三幹事長がすでに甲府に入り、十七日には石破茂防衛庁長官を招き決起集会を開きます。

 民主党は、連合系労組の締め付け、政党ポスターを電柱などに一気に張り出すなど活発です。

 公明党は、徹底した比例重視でいち早く政党ポスターを張り出し、甲府市では五―八人ほどのハンドマイク隊がそろいの服を着て毎日宣伝しています。