2004年3月5日(金)「しんぶん赤旗」

悪政の根源にたちむかう党参院選で前進必ず

全国遊説スタート 志位委員長が訴え


 日本共産党埼玉県委員会は4日、さいたま市の大宮ソニックシティ大ホールに志位和夫委員長を迎え、参院選勝利をめざす全国遊説のスタートとなる演説会を開きました。2200人の聴衆は、志位委員長の訴えに、力強い拍手で応えました。


埼玉で 志位委員長が訴え

写真

訴える志位和夫委員長

 日本共産党埼玉県委員会が四日、さいたま市内で開いた演説会で志位和夫委員長が訴えました。

 志位氏は冒頭、党大会で決定した新しい綱領、参院選への方針に力をえて参院選挙に向けた前進の第一歩が始まっていることを報告し、「開始された前進の波をひろげ、参院選挙では必ず前進・勝利を」と訴えました。

新綱領は何を決めたか

 「新しい綱領は何を決めたのか」と問いかけた志位氏は、日本共産党の新しい綱領が、どの党もタブーにしてふれない二つの悪政の根源―「異常なアメリカいいなり」「大企業・財界の横暴」について正面からメスを入れ、ほんとうに独立した日本、民主主義がすみずみまでつらぬかれる日本への改革の道筋を明らかにしていることを縦横に語りました。

 「異常なアメリカいいなり」をただす改革について志位氏は、小泉首相が強行したイラクへの自衛隊派兵を告発。戦争の「大義」、憲法違反である占領への合流、イラクの状況などあらゆる問題にかかわって“うそにまみれた派兵”であり、中東諸国の有力メディアから派兵に厳しい批判があがっていることをあげ、自衛隊派兵計画の中止とすみやかな撤兵を求めました。

写真

 自民、民主、公明が競い合う憲法改悪の本命が九条にあり、それは“今も昔も米国発”であることを明らかにし、「憲法までアメリカに売り渡す。これくらい売国的な態度はありません」と九条改悪をくいとめようとよびかけました。

 「大企業・財界の横暴」について志位氏は、一握りの「勝ち組み」といわれる大企業が空前のもうけをあげる一方、六年連続で勤労者所得が下がり続ける根底に、「ルールなき資本主義」といわれる無法と横暴が横たわっていることを指摘。「サービス残業」で約十兆円、「不安定雇用」で約十二兆円の計二十二兆円もの所得が労働者から奪われたとする民間研究所の試算や、派遣労働のひどい実態を告発し、働くルールを築き、職場から無法を一掃する願いを日本共産党へと訴えました。

前向きの激動を日本でも

写真

志位委員長の訴えに共感の拍手をする会場いっぱいの演説会参加者=4日、さいたま市・大宮ソニックシティ大ホール

 政府が憲法二五条の生存権を破壊する年金改悪を計画するなか、日本共産党が最低保障年金制度をつくり、国民すべてに生存権を保障することを提案していること、財源では歳出の浪費にメスを入れるとともに、高額所得者と大企業に応分の負担を求めていることを力説しました。

 志位氏は、「アメリカいいなり」「財界主役」という二つの政治悪に、野党第一党の民主党がたたかう立場をもっていないと指摘。日本経団連が進めているひもつき献金による悪政の競い合いに民主党が乗っていること、同党が派兵に反対しながら、「黄色いハンカチ運動」に同調する国会議員の会に同党議員が参加するなど、派兵の既成事実を推進する行動をとっていることをあげ、「保守『二大政党制』づくりで政治は変わりません。『アメリカいいなり』『財界主役』という悪政の根源に正面から立ち向かい、ほんとうの改革をすすめる日本共産党をのばしてこそ政治を変える力になります」と支援をよびかけました。

 最後に志位氏は、二十一世紀の世界の現状と展望について、平和秩序をめぐる対立でも、経済秩序をめぐる対立でも、アメリカの路線が孤立・破たんし、「超大国が思うまま世界を動かす時代は終わった」と力説。外交では世界で孤立を深めるアメリカを頂点にしたひとにぎりの国々を「国際社会」と思い込み、経済でもアメリカ型の新自由主義こそ「万能の処方せん」だと思い込み「構造改革」に熱中している道には未来がないと批判しました。

 そして日本共産党の新しい綱領が、二十一世紀の世界について、諸民族の主権と平等が尊重される新しい秩序が築かれる時代であることを明らかにし、その立場で世界各国と野党外交をすすめていることを紹介。「日本でも“前向きの激動”をつくりだそうではありませんか。参院選挙で必ず勝とうではありませんか」とよびかけ、大きな拍手につつまれました。


大門、あべ候補 が決意表明

 志位氏の演説に先立ち、あべ幸代・選挙区候補(前参院議員)は「多くの人との対話に耐えうる綱領を力に選挙戦をたたかいぬきたい」とのべ、大門みきし参院比例代表候補(参院議員)は「再び国会で、竹中・構造改革と正面から対決したい」と決意表明しました。

 二月の上尾市長選で、日本共産党と共同した堂前文義・前市議が「一人一人の力を総結集して、あべ、大門両候補の勝利を。私も力を貸したい」とのべました。

 主要五党が定数三を争う埼玉選挙区。埼玉八区での大量買収や県議の買春疑惑などを抱える自民党は、昨年十月の補選で当選した歯科医出身の現職を擁立します。「比例一千万票」を掲げ、全国で三選挙区に絞った公明党は、神崎武法代表や浜四津敏子代表代行らを相次ぎ投入し、新人のテコ入れを図っています。

 民主党は、党本部が現職と新人の二人擁立を指示しましたが、連合埼玉が難色を示し、候補者決定が難航。社民党は元衆院議員を立てます。

 さいたま市見沼区に住む男性(75)=年金生活=は「年金が減らされ、医療費が上がって苦しい生活を送っています。消費税は5%でも大変なのにさらに上げられたら、死ねと言われるのと同じです。まさに志位さんが話していた生存権の破壊です。人間を大事にする社会に変えないといけない。日常的に結びついている地域の人たちに、生きる勇気を与えてくれる『しんぶん赤旗』を増やしたい」と話していました。