2004年4月4日(日)「しんぶん赤旗」

国民の怒り、不安の根っこにある
“二つの異常なゆがみ”ただす改革を

三重 四日市での志位委員長の演説


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訴える志位委員長=3日、三重・四日市市文化会館

 日本共産党の志位和夫委員長は三日の三重県四日市市での演説会で、「日本共産党は、どういう日本をめざしているのか」と切り出し、国民が「何とかしなければ」と感じているどの問題でも、その根っこをたどると「大企業・財界の横暴勝手」「アメリカいいなり」という「二つの異常なゆがみ」があると指摘。「これをただす改革に正面からとりくみ、名実ともに『国民が主人公』といえる日本、民主主義がどの分野でも貫かれる日本をきずく――これが日本共産党が提案する改革です」とのべ、その内容を詳しく訴えました。

大企業・財界の横暴とたたかえる党でこそ

 第一の「大企業・財界の横暴勝手がひどすぎる」問題で志位氏は、「国民の暮らしを守るルールがない」ことと「税金の集め方と使い方が『逆立ち』している」ことをとりあげました。

 「国民の暮らしを守るルールがない」問題では、過労死が増え続ける根本にある長時間労働の問題をあげ、残業が法律で規制されていないこと、有給休暇も短く、しかもまとまってとれないことを指摘。そのため日本はドイツに比べ年間で四百時間も長く働かされていることを示し、「欧州なみのルールをつくり、一家だんらんが楽しめ、人間らしく生活できる社会を」と訴えました。

 「税金の集め方と使い方の『逆立ち』」の問題では、消費税で吸い上げたお金がそっくり大企業の減税の穴埋めにあてられたことを告発。しかも日本では納めた税金のうち社会保障に使われるのが主要国で最低水準であることをあげ、「この『逆立ち』をただし、財政のしくみを、庶民の暮らし最優先に働くように改革しようというのが日本共産党の提案です」と力説しました。

 「この立場にたてばどんな問題でも、国民の立場にたった答えが出てきます」と話をすすめた志位氏は、日本共産党が発表した年金政策を詳しく紹介。このなかで「税金の集め方と使い方の『逆立ち』をただす立場にたってこそ、財源についても責任ある見通しを示せます。大企業・財界の横暴とたたかえる党でこそ、安心できる制度がきずけます」と訴えました。

アメリカいいなりをただし、本当の独立国に

 第二にとりあげたのは、「アメリカいいなり」の問題です。

 このなかで、首相が「人道のため」と大宣伝する自衛隊のイラク派兵について、イラクで活動するNGO(非政府組織)の代表が、(1)こんなに効率の悪いやり方はない、(2)自衛隊派兵によってNGOの活動が危険にさらされている――と批判していることを指摘。「人道支援の専門家を危険にさらして何が人道でしょうか。非効率だろうがNGOを危険にさらそうが、お構いなし。どうして何が何でも派兵したのか。米国に気に入られたいという一心からです。そのために憲法をやぶり、侵略と占領に加担した。こんなやり方で犠牲者が出たら、とりかえしがつきません」と批判。自衛隊の撤退を強く求めました。

 改憲の動きにかかわって、その根源がすべて米国発の圧力から始まっていることを指摘。改憲派の「憲法は古くなった」という主張について、「日本の憲法の素晴らしさは九条だけではない。三十条にわたる詳細で豊かな人権規定も素晴らしい。問題はこれが生かされていないことです」として、「『古くなった』のは憲法ではなく自民党政治です。憲法まで『アメリカいいなり』の道具にする動きを拒否しましょう。憲法を生かした国づくりを、日本共産党とともにすすめましょう」と訴えました。

 米軍基地の問題で、世界で唯一、米空母機動部隊、海兵隊を駐留させている基地国家の異常を告発。さらに米軍による民間港の軍事利用が進められていることを、四日市港の海兵隊使用の例もあげながら批判し、「こんな卑屈な現状を当たり前とする勢力には独立を語る資格はありません。二十一世紀には安保条約をなくし、基地のない、本当の独立国といえる日本をきずきましょう」と訴えました。

日本改革の方向は世界の多数の流れと一致

 最後に志位氏は、「世界に目をむけてください」と語りかけ、イラク戦争の問題でも、米国流の経済政策の押しつけの問題でも、米国が世界から孤立を深めていることを強調し、「日本共産党がめざす日本改革の方向は、二十一世紀の世界の多数の流れと一致しています」と力説。参院選の前進と「しんぶん赤旗」読者を増やす運動への協力を訴えると、会場いっぱいの聴衆から大きな拍手がわきおこりました。