2004年4月26日(月)「しんぶん赤旗」

国会に声 集中しよう

年金大改悪 法案強行許すな

審議でうきぼり  3つの大問題

札幌・演説会 志位委員長が訴え


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訴える志位委員長=25日、札幌市、真駒内アイスアリーナ

 日本共産党の志位和夫委員長は二十五日、札幌市で開かれた演説会で、年金問題についてふれ、政府・与党が、今週中にも衆院厚生労働委員会で年金改悪法案の採決を強行しようとしていることを強く批判し、「年金大改悪の法案強行を許すなという声を、国会に集中しよう」とよびかけました。

 志位氏は、今後は国会審議をへずに負担増と給付減を自動的におこなうという年金制度のあり方を根本から変える法案であるにもかかわらず、わずか二日の委員会審議しかおこなわれていないこと、そのもとで与党が採決の提案をすること自体が許しがたいとのべたうえで、「わずかな審議をつうじても、法案の大問題がうきぼりになっています」として、三つの問題点を指摘しました。

 第一は、政府案には、十四年連続の保険料の負担増がもりこまれていますが、これが「国民生活を圧迫するとともに、年金の空洞化をひどくする」という問題です。すでに国民年金は、一千万人以上が保険料を免除・滞納・未加入となっており、滞納の理由の七割は「高すぎて払えない」となっています。厚生年金も新規法人の二割が加入しないという状況があります。

 第二は、政府案は、15%の年金給付減を一律におしつけるものとなっていますが、現状でもあまりにも給付水準が低い年金を一律カットすることは、「政府みずからが憲法で保障された『生存権』を侵害することになる」という問題です。

 第三は、政府の立場が、年金財源のためとして、庶民増税と消費税増税に道を開くものとなっていることです。政府・与党は、まず年金課税強化、所得税増税をすすめつつ、「二〇〇七年度をめどに、消費税をふくむ抜本的税制改革を実施する」と、消費税増税を公然とうちだしています。

 志位氏は、「政府案は『安心』どころか、年金制度と国民生活を土台からこわす大改悪の法案です。この悪法をストップさせるために、日本列島のすみずみで声をあげましょう」とよびかけました。