2004年4月26日(月)「しんぶん赤旗」

共産党 各地で演説会

近づく参院選 札幌では7800人


 参院選の公示予定(六月二十四日)まで二カ月を切り、各党とも日曜日の二十五日には幹部を先頭に選挙本番並みに懸命のとりくみ。日本共産党は、不破哲三議長が神奈川・鎌倉市、志位和夫委員長が札幌市、市田忠義書記局長が兵庫・和田山町での演説会で日本共産党と候補者への支持を訴えたのをはじめ、上田耕一郎副委員長が山形市、小池晃政策委員長が青森市、緒方靖夫国際局長・参院議員が鳥取市に駆けつけるなど、全国各地で参院選の勝利をめざす演説会を開きました。

 札幌市の演説会に七千八百人が参加したのをはじめ、各地の演説会に参加した人々は弁士の訴えに熱心に耳を傾けました。


政治のゆがみただす改革で希望の持てる日本をつくろう

札幌で志位委員長

 札幌市の真駒内アイスアリーナで二十五日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた演説会が開かれました。全道規模の演説会で最近では最高で、会場いっぱいの七千八百人が参加、志位氏の訴えに「そうだ」の声が飛び、活気ある集会になりました。

 ときおり雪が舞う冷え込みにもかかわらず、会場には稚内市から朝六時に出発し六時間かけマイクロバスで走ってきた人たちや、「共産党の演説会は初めて」という人など幅広い人々が参加。大型バス八十一台、マイクロバス九台が到着し、「政治を変えるためにも、どうしても参院選に勝ちたい」という息吹に満ちました。

 志位委員長は、内政でも外交でも国民の不安や苦しみの根本に「アメリカいいなり・財界の横暴勝手という政治の二つの異常なゆがみがある」と指摘。「どの党も『改革』といいますが、この二つのゆがみを正面からただす本物の『改革』を主張しているのは日本共産党しかありません」と訴えました。

 イラク問題で志位氏は、派兵先のサマワの地元紙の世論調査でも、地元住民の51%が「自衛隊は利益にならない」と答えていることや、宗派を超えて自衛隊の撤退を求める声がイラクであがっていることを指摘。「この声を無視して派兵をつづけるなら、アラブとイスラム世界全体を敵にまわし、とりかえしのつかないことになります」「いつまでも自衛隊派兵にしがみつく小泉政権は国民の声を代表する政権ではない、無法な軍事占領に反対する平和と理性の声こそ、日本国民の声だということをしめしましょう」と訴え、大きな拍手につつまれました。

 大門みきし参院議員(比例候補)と岡ちはる参院道選挙区候補が決意を表明。大門氏は「小泉内閣三年の罪は景気を悪くしたこと」と提起。旭川や釧路の例やグラフも示し、「企業利益はずっと伸びている。賃金は一貫して下がる。これが小泉構造改革だ」とし、「これを切り替えないと日本経済も地域も良くならない。小泉内閣は倒すしかありません」と力説しました。

 稚内市からきた横田正明さん(74)は、「若いときは共産党に関心がなかったが、病気になって年金や介護のひどさに腹が立って黙っていられなくなった」と、この三月に共産党に入党したばかり。「演説会はすごくよかった。年金問題など、われわれが感じていることをしっかり語ってくれた。帰ってがんばりたい」といいました。


日本共産党の躍進で21世紀の明るい展望を

鎌倉 不破議長迎え第2、第3会場も

 日本共産党の不破哲三議長を迎えた演説会が二十五日、神奈川県鎌倉市のレイ・ウェル鎌倉で開かれ、同市で開かれた党演説会では過去最高を二倍以上も上回る八百人が参加しました。不破議長が同市で演説するのは正木革新市政が誕生した一九七〇年の市長選以来三十四年ぶり。メーンホールは立ち見の場所もないほどの聴衆でうまり、第二、第三会場も聴衆でいっぱいになりました。

 はたの君枝参院議員(神奈川選挙区候補)は、国会活動での実績を語り、小池晃参院議員(比例代表候補)はビデオメッセージで登場し、こもごも再選への支援を訴えました。

 不破議長は、「いま、自公政治の流れではだめだという気持ちが、国民のみなさんの暮らし、世界の平和への願いからひしひしと生まれている時代です」と語り、イラク問題をはじめ、内政、外交の諸問題を取り上げながら、国民の立場で政治のゆがみをただす「日本改革」の目標を説明。小池、はたの両候補の再選をかちとって、「参院選挙を二十一世紀の明るい未来を切り開く第一歩にしよう」と訴えました。

 党と後援会は参院選必勝、演説会成功にむけ、「一人の党員がつながりをいかして三十五人から参加確認」「三十数カ所の商店街のうち十三カ所を訪問した」など従来の倍以上の規模で広い層へ参加をよびかけました。

 バス七台を使うなどして初参加の市民も多数参加。商店会長、自治会長、医療団体役員、宗教関係者なども来場し、演説に聞き入りました。

 「不破さんの話を聞くのは初めて」という鎌倉市商店街連合会会長の男性(80)は「非常に良かった。もっといろんな話を聞きたくなった。応援してもいいかと思っている」と話しました。看護師の女性(34)=三浦市=は「野党外交の話に、共産党が世界のなかで果たしている役割に、すごいと感じました」と語りました。


兵庫で市田書記局長

 日本共産党兵庫県但馬地区委員会は二十五日、兵庫県和田山町のジュピターホールで党演説会を開き、市田忠義書記局長・参院議員と大沢たつみ参院議員が参院選での日本共産党への支持を訴えました。朝来郡は大沢議員の生まれ故郷、恩師をはじめ町内の人たち、各地からバス五台など、南但馬地域での演説会としては過去最高の約七百人が参加しました。

 市田氏は、イラク、憲法、暮らし、年金問題で、アメリカいいなり、財界大企業中心の政治から国民の暮らしを守る政治への転換を主張。「世界で孤立しているのはアメリカとそれに従う小泉政治。進歩と平和の大道を歩む日本共産党を大きく」と訴え、参院選での比例五議席と兵庫選挙区での大沢議員の再選を必ずと呼びかけました。

 大沢議員は、この六年間、国民と力を合わせて実現した実績を述べ、「国民が主人公の政治実現へ、ふたたび国会に送ってほしい」と力をこめました。

 演説会では、党但馬後援会会長で弁護士の前田貞夫さんが共産党推薦の訴え。大沢さんの古くからの友人で元朝来町消防団長の山根勲さんが、「隣のたっちゃんを私たちの代表者に」と応援しました。

 日高町の女性(58)=主婦=は、「年金と憲法九条のことがよくわかりました。若い人がリストラなど不安を抱えながら仕事をし、家族を支えるのは大変だと思う。共産党の提案している最低保障年金制度に賛成です。ぜひ実現してほしい」と話します。「大沢さんは地元だからがんばってほしい」という女性(63)=会社員=は、「大学を出ても就職のない失業の時代だから、失業者をなくし、みんなが働ける社会にしてほしい」と話していました。


山形で上田副委員長

 上田耕一郎副委員長を迎えての日本共産党演説会が二十五日、山形県民会館で開かれ、県内各地から約千四百人が参加しました。

 大門みきし参院議員のメッセージが紹介されたあと、佐藤まさゆき参院山形選挙区候補が、県内各地で聞いてきた県民の切実な要求を紹介し、決意をのべました。

 高橋千鶴子衆院議員は、鳥インフルエンザやBSE、年金の問題で奮闘してきたことを語り、参院選での日本共産党の躍進を訴えました。

 上田副委員長は、参院選では「二つの日本の異常が問われる」とのべ、イラク情勢と年金、農業問題を語り、小泉内閣の異常なアメリカ追従ぶり、大企業・財界いいなりの実態を批判。新しい綱領が提起した二十一世紀の日本の姿を示すとともに、「大門参院議員は必ずみなさんの役に立ちます」とのべ、大きな支持を訴えました。

 小気味よい小泉内閣批判など、ユーモアをまじえた迫力ある話に会場は何度も共感の拍手と笑いに包まれ、身を乗り出して聞く人の姿も。

 村山市から参加した男性(73)は、「自衛隊にいる友人が心配。農家をいじめる政治をかえるためにさらに支持を広げたい」と話し、福祉施設勤務の女性(45)は、「このままだと日本は大変になるので、共産党が頑張らなきゃと思いました。私の職場でもみんなに話していきます」と語りました。


青森で小池政策委員長

 日本共産党青森県委員会は二十五日、党政策委員長の小池晃参院議員を迎えての演説会を青森市文化会館で開きました。県内各地から約千人が参加、しばしば共感の拍手や笑いが会場を包み、参院選勝利への熱気にあふれました。

 高柳ひろあき参院青森選挙区候補が、「政治を変えるために頑張る」と決意を表明。大門みきし参院議員(比例候補)のビデオメッセージ、高橋千鶴子衆院議員のメッセージも紹介されました。

 小池参院議員は、イラクでの自衛隊の活動の実態、憲法改悪の動き、暮らし・年金問題をめぐる各党の態度と日本共産党の改革の方針をくわしく話しました。

 小池参院議員は、「これからの日本の希望がかかった選挙であり、負けるわけにいかない。五人の比例候補全員当選で、国民の願いが届く国会を」と訴えました。

 演説会に初めて参加したという青森市の女性(64)は、「私も年金生活者。年金問題が、本当に分かりやすかった。(拍手も多くて)盛り上がってましたね。機会があれば、もう一回きてみたい」と話していました。

 黒石市からきた「失業中」という女性(24)は、「こんなにまじめに青年の雇用や国民のことを考える政党はないと思った。もっと大きくなってと心から思いましたね。話も面白いし、元気になる」と感想を語ってくれました。


鳥取で緒方国際局長

 日本共産党鳥取県委員会は二十五日、鳥取市民会館で演説会を開き、県内各地から六百五十人が参加。緒方靖夫参院議員・党国際局長、仁比そうへい参院比例候補、市谷とも子参院鳥取選挙区候補、中林よし子前衆院議員の熱い訴えに聞き入りました。同日、民主党の岡田克也幹事長が鳥取県入りし、県内三カ所で講演会。参院選に向けた各党の動きが激しくなってきました。

 緒方氏は、イラク戦争にふれ、「アメリカの占領支配をやめさせ、国連中心でイラク国民による自主的な国づくりを応援すること。占領支配に協力する自衛隊は撤退すべき」だと指摘。党の年金政策、野党外交で果たしてきた日本共産党の役割を話し、「アメリカ従属と大企業言いなりの政治から国民中心の政治に転換しよう」と訴え、日本共産党への支援を訴えました。

 仁比候補は「現実のくらしと社会の中に憲法が生かされる政治をめざして死力をつくす」と決意を表明。

 市谷選挙区候補は「人間を大切にする温かい政治をつくっていきましょう」と参院選での日本共産党への支援を呼びかけました。

 元自衛隊員の青年(34)は「サマワは安全といってきたが、自衛隊は身動きできない状況です。自衛隊は撤退すべきです。野党として外交努力してきた共産党に頑張ってほしい」。

 西伯町から二時間かけて仲間八人で参加した花房伍規さん(76)は「話しを聞き確信がもてました」と話しました。


福井で穀田国対委員長

 日本共産党福井県委員会は二十四日夜、福井市内で演説会を開きました。雨の降るなか五百人以上が参加、立ち見や予備席に座る人もいました。前列には青年・学生が座り、熱心に聞き入っていました。

 穀田恵二衆院議員・党国会対策委員長、笠井あきら参院比例候補、うの邦弘参院福井選挙区候補、木島日出夫前衆院議員、佐藤正雄福井県議が訴えました。

 穀田氏は、イラク派兵と人質事件、年金問題などの国会報告をしました。人質事件の「自己責任」論についてフランスの新聞を紹介しながら「人質の被害者と家族を非難することにより、自衛隊派遣の大問題をごまかすもので言語道断だ」と訴えました。

 最前列に座り聞いていた大学四年の男性(21)は「先日、大学のゼミで人質の『自己責任』論はおかしいと発表しました。演説を聞き、僕の考えは間違ってなかったと思った。『自己責任』論を批判している世界の流れも分かり、政府が事件を政治的に利用しているように思えてきた」と語り、丸岡町から参加した男性(27)は「くらし・福祉を守る政治を変わらず訴えつづけている党だと感じました。最低保障年金制度など『今これが必要だ』というのが明確で分かりやすかった」と述べていました。