2004年11月8日(月)「しんぶん赤旗」

心開いた対話 被災者と連帯感

生の声にもとづく提言に説得力

志位委員長、市田書記局長の震災地訪問に同行して


写真

避難生活のようすを聞く(左から)佐藤勝太郎小千谷市議、志位和夫委員長、小日向昭一新潟県委員長、市田忠義書記局長=5日、新潟・小千谷市

 日本共産党の志位和夫委員長と市田忠義書記局長は四、五の両日、新潟県中越地震の被災地を訪問しました。同行した小日向(こひなた)昭一党県委員長がつぎのように語っています。

党新潟県委 小日向委員長語る

 志位委員長、市田書記局長の現地入りは、非常にタイムリーな訪問になったと思います。

実のあるものに

 県知事をはじめ、訪問したすべての自治体で首長と面会し懇談することができましたが、地震発生直後で大きな余震が続き大混乱しているときにはできなかったことです。被災の全体像が明らかになってきて、首長・行政が被災の現状、被災者の要求や悩みもつかんで、生活支援、復興についての対応や国への要望の内容もはっきりさせてきている時期の訪問であったので、非常に実のあるものになりました。

 また、多くの被災者と直接会って、深刻な避難生活の実態、これからの生活と先の見通し、健康、住宅、営業などの不安、要望をじかに聞けて、震災の実態についての認識を深いものにすることができました。

 さらに、日本共産党が全国に支援をよびかけ、現地に救援センターを立ち上げ、救援活動に全力をあげていることが被災者や行政の関係者のなかで見えていることが、共産党への理解を大きく変化させて、本当に心をひらいた対話、懇談ができたと思います。

 志位委員長、市田書記局長が、被災の実態をじかに見て、また被災者、行政関係者、党幹部・議員・党員の厳しい困難のなかでの苦労と奮闘に触れて、その意見をよく聞きながら整理しておこなった党の主張、提言は、首長との懇談や記者会見でたいへんな説得力を持って受け止められていました。

 行政の関係者、被災者の生の声、党機関・議員、党員の生の意見をきくなかで、(1)豪雪地帯であること(2)住民が地域のコミュニティーで支え合いながら生活してきたこと(3)高齢化が進んでいる―などの点で中越地震が阪神大震災とも違った深刻な特徴をもっており、住宅再建への公的支援が不可欠の課題になっていることが浮きぼりになりました。

 自治体訪問でもすべての首長が、住宅本体の再建への支援や被災者生活支援法の最高三百万円の枠の突破を強く要望していましたが、それを国に要求する裏づけが整理されて、勇気づけるものになりました。

深刻な健康状況

 医療支援の問題でも、被災者の健康状況は深刻です。しかし、避難所には医者や看護師、保健師、ヘルパーなどが常駐では配置されておらず、周辺でテントや車で避難生活をしている人たち、小さな集落の被災者、ひとり暮らしの高齢者などのなかにも、医療支援のニーズは大きいものがあります。志位委員長が知事との懇談のなかで、全国に呼びかけて支援体制をとる必要がある、と率直に指摘すると、泉田知事は、実態をつかんで改善することを約束しました。

 また、被災者の生活支援とともに、被災した中小企業への補償が皆無で、この対応が緊急に必要であることが、すべての首長から切実に求められました。

 今回の現地訪問は、「自治体自身が被災し、大きな困難とたたかって奮闘しているなかで、自治体の手をわずらわせることなく、救援活動が円滑にすすむように、実のある協力をおこなうという姿勢」(二日、全国都道府県委員長会議での志位委員長報告)をつらぬいた活動によって、住民、行政の関係者のなかで党への信頼感を強めているもとでの委員長、書記局長の訪問となりました。それだけに、被災者と党との信頼感、連帯感をいっそう大きくするものになりました。

被災者から拍手

 たとえば、長岡市の石坂小学校の避難所では、センター長がハンドマイクで、「日本共産党の志位委員長と市田書記局長がきてくれました」と紹介し、委員長にあいさつを促してマイクを渡してくれました。委員長のお見舞いと激励、党の全力をあげた支援活動の決意に、被災者のみなさんが聞き入って大きな拍手をくれるんです。

 志位委員長と市田書記局長は百人ほどの被災者一人ひとりと握手をして回りましたが、多くの人が正座をして待ってくれている。二人が回っている最中にもハンドマイクで、「共産党さんには、とん汁の炊き出しやお風呂の送り迎えで、本当にお世話になっています」と紹介される一幕もありました。

 多くの被災者の方が「共産党のおかげでお風呂に入れた」「共産党の支援物資に助けられた」と口々に感謝し、生活や健康への不安を率直に語って、共産党と被災者の心が通い、信頼感と連帯感のこもった見舞いと激励になりました。

 山古志村の被災者が避難している長岡大手高校では、村長が校庭まで出て待ってくれていて、かたい握手で迎え、ハンドマイクを握って「共産党の志位委員長、市田書記局長がきてくれた。本当にありがたい」とあいさつをされました。

 志位委員長が求められてマイクを握り、「大きな被害を受けて全村民が避難している山古志村に全国が注目しています。住宅全壊の場合三百万円という個人補償は少なすぎます。どうしても突破させたい。みなさんは集落のコミュニティーを大事にしてこられましたが、ここでも連帯し助け合って避難所生活をしている姿に感動させられています。なんとしても村に帰って生活したいというみなさんの強い思いを実現させるために共産党は全力で支援します」とあいさつすると、大きな拍手が起きました。

 小千谷市でも、佐藤勝太郎議員の地元の方々が入っている避難所や近所の人たちから、「佐藤議員と共産党には本当に世話になった」「こんなに親身に世話をしてくれるのは共産党だけ」と感謝されました。

 泉田知事に見舞金を届けると、「日本共産党のご支援に感謝しています」とお礼のことばが返ってきました。新知事が党の代表に会って感謝のあいさつをされたことに、新鮮な印象を持ちました。

心を一つに救援

 党中央の幹部の直接の激励と援助を受けて、現地の党組織と党員が励まされ、心を一つにして困難ななかでの救援活動をやっていこうという思いが広がっています。

 魚沼地区での党幹部、議員との懇談のなかでは、「行政のいろいろな救援制度を知らない人が多い。どうやって知らせたらいいか」という要望に、「中央はパンフレットを作っている。土曜日には五万部届ける」と即座に応じてくれましたが、こうしたことが「党中央は本当に被災者のことを考えてくれている」と党員に感動と確信を与えています。