2005年5月14日付「しんぶん赤旗」別刷りに掲載

この五月、文字通りの「大運動」に発展を

――いま党機関にもとめられること

地域別都道府県委員長会議 志位委員長の発言(要旨)


十二日、党本部で開かれた地域別都道府県委員長会議で志位和夫委員長が発言しました。その要旨は次のとおりです。


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地域別都道府県委員長会議の第二会場。発言する志位和夫委員長=12日、党本部

 四月の「党勢拡大の大運動」のとりくみは、三中総決定をつかんでたちあがったところでは大きな変化が生まれ、各地で先進的経験もつくられはじめています。しかし、全党的には党員、「しんぶん赤旗」日刊紙読者、日曜版読者ともに前進をかちとれませんでした。

 この五月は、この運動を文字通りの「大運動」に発展させていくことが、強く求められています。そのために何が必要か。

党勢拡大に「思い切って力を集中」してこそ「大運動」

 第一は、党勢拡大の位置づけの問題です。三中総報告では、党勢拡大は党活動のなかで「最大の弱点」になっているとのべ、「党勢拡大に思い切って力を集中して前進をはかる大運動」を提起しました。党勢拡大を、党活動のあれこれの活動の一つではなしに、「思い切って力を集中」すべき活動として位置づけ、推進してこそ、「大運動」といえます。あたりまえの話ですが、この原点をあらためて確認したいと思います。

 いま党活動のいろいろな分野で、新たな前進がつくりだされています。憲法改悪反対のたたかいは、これまでになく創意的、多様で、広い人々を結集した運動となりつつあります。米軍基地の増強に反対し撤去をもとめるたたかい、増税問題や暮らしの問題でもたたかいが広がっています。三中総以後の中間地方選挙の成績も、一部に失敗がありますが、全体としては議席占有率で前進するとともに、四年前の選挙と比較して得票ものばしていることは重要です。これらは、「大運動」を成功させる条件が、おおいに存在していることを、しめしています。

 しかし党勢拡大というのは、あれこれの党活動で前進があっても、自然成長的にすすむものではありません。これは独自の追求がなければすすみません。さらにこれは決意するだけですすむものでもありません。「段取り八分」ということもよくいわれますが、それをやりきるための独自の手だて、独自の段取りをとり、目的意識的に、それこそ頑強・不屈に推進しないと、これは前進しません。そういう位置づけで、「全党の力を思い切って集中して」――党活動の最重点課題としてとりくむのが「大運動」です。

 党勢拡大運動を、「大運動」にふさわしく位置づけ、推進する構えが、確固としてつくられているか。このことがいま党機関に問われています。

全支部・全党員の自覚的な運動にしてこそ「大運動」

 第二は、全支部、全党員の自覚的な運動にしてこそ「大運動」だということです。先進的な人々が、積極的な役割をはたすことは大切ですが、それだけでは「大運動」にはなりません。文字どおりの全党運動にしてこそ「大運動」だといえます。

 三中総決定を全党に徹底する仕事を、いそいで、やりきる必要があります。いま決定の読了の到達は16・6%。たいへん遅れているといわなければなりません。しかし三中総決定を読めば、新しい活力がわいてくる。この決定には党を変える力がある。そのことは、今日の会議でも、みなさんから共通して報告されたことでした。この決定は難しいものでなく、読んでもらえれば分かり、行動に移れる決定です。機関が本気で構えてやりぬけば、それこそ一気に全党に徹底することができる方針です。

 ここでも決意だけではなく、独自の段取りと手だてが必要です。一人ひとりの党員が、じっさいに決定文書を持っているか。どうやって読んでもらうか。ビデオをどう活用するか。具体的な手だてが必要です。そのさい、「読め、読め」ではなく、読めばいかに面白いか、いかに元気がわいてくるか、明るい展望がつかめる決定なのか――読みたくなるような援助をおおいにおこなう必要があります。

 これまで中央委員会の決定を徹底するさいに、少し時期がすぎると、決定を横において、動ける党員だけで動くという傾向におちいってしまうことがありました。これでは結局、中央の決定の読了は三割程度にとどまり、党活動への自覚的参加も、ここに規定されてしまうことになる。今度は、そうした惰性を、どうしても克服して、文字どおり全党員が読了するための、執念を燃やしたとりくみが必要です。

 そして、すべての支部が「政策と計画」をもってこの運動に自覚的にとりくむように、懇切に援助する。この点で、現状をいいますと、党員と読者を増やす目標を持った支部が、それぞれ一割台とたいへん少ないのです。

 三中総決定を全党員に読んでもらい、すべての支部で決定を議論し、議論したら、自分たちの生きた目標として、党員、日刊紙、日曜版読者を増やす目標を、支部が自覚的に持つまで援助する、そうしてこそほんとうの「大運動」にしていくことができます。

みずから決めた目標を達成してこそ「大運動」

 第三は、「大運動」の目標の問題です。三中総で、「大運動」の目標を、党員拡大で、「五十万の党という目標の半分以上」、日刊紙と日曜版読者で、「総選挙時比三割増の半分以上」と決めたのは、たんなる「努力目標」ではなく、「党大会までにかならず達成すべき目標」として決めたものでした。そのために、本当に力を尽くせば手が届く、リアリティーを持った目標を決めたのです。

 ですから、これは何としても現実に達成しなければならない。そして、そのことは、毎月、毎月の目標を、一つひとつやりきってこそ、道が開けてきます。そこをあいまいにする姿勢が少しでもあれば、目標は達成できません。すべての活動をはかる基準は、目標を達成したかどうかではからないといけない。「増か、減か」ではかるわけにはいきません。達成した党組織があればその活動におおいに学ぶ、達成できなければつっこんだ自己分析をおこなう。この立場で、「大運動」のとりくみを推進することが大切です。

 目標というものは、やりきれば大きな自信となるでしょう。目標をやりきって、党大会を迎えたら、その大会は、国政選挙にむけて、さらに増やしていこう、三割増をやりきろうという決意をかためる党大会となるでしょう。そして実際に党勢拡大の大きな上げ潮のなかで国政選挙をたたかえば、どういう情勢のもとでも、どんな風が吹こうと、反転攻勢につながる結果がつくれると思います。

 都道府県でも、地区委員会でも、支部でも、たてた目標は必ずやりきる気風をつくっていく。そして毎月、毎月の目標をやりきったら、それを自信にして、さらに運動を発展させる。そういう積み重ねによって、「大運動」を必ず成功させたいと思います。

党機関は、「大運動」にふさわしい特別の「態勢」を

 最後に、これらをやりぬく、党機関のたたかいの「態勢」――「大運動」にふさわしい特別の「態勢」が必要です。選挙戦に入れば、どの党機関も特別の態勢をとります。「大運動」は長丁場のたたかいですから、それにふさわしいものが必要ですが、党機関が「大運動」にふさわしい緊張した「態勢」をもってのぞまなければ、この仕事はやりきれません。

 この五月、私たちの活動を、文字通りの「大運動」とよべるような活動に発展させるために、知恵と力をつくしたい。そのために、中央も地方も、党機関の指導姿勢と指導力が問われていると思います。ともに力をつくしましょう。