2005年5月8日(日)「しんぶん赤旗」

「米基地強化」平和壊す

神奈川・座間 シンポに1700人

浅井・伊波・志位さん報告


 米陸軍の第一軍団司令部のキャンプ座間移転など米軍再編に伴う基地強化に自治体ぐるみで反対運動が広がっている神奈川県で七日、基地強化に反対するシンポジウム「米軍再編で世界と日本、神奈川はどうなる」が、座間市のハーモニーホール座間で開かれました。



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「米軍基地の再編は許せない」と開かれた基地シンポジウム。壇上は、(左から)浅井基文、伊波洋一、志位和夫のパネリストの各氏=7日、神奈川・座間市、ハーモニーホール座間

共産党が開催

 日本共産党県委員会、衆議院南関東ブロック事務所が開いたもの。周辺自治体幹部や他党の議員を含め、第二会場も合わせて千七百人を超える市民が詰めかけました。

 パネリストとして前明治学院大学教授の浅井基文氏、沖縄県の伊波洋一・宜野湾市長、日本共産党の志位和夫委員長が発言。参加者は熱心に聞き入り、質疑応答では多数の質問が寄せられて、パネリストが答えきれないほど。「みんなで声をあげれば、基地をなくすことができることが分かった」(二十七歳、川崎市在住の保育士)など確信を広げました。

 発言で浅井氏は「力による平和観」に対し、「力によらない平和観」を対置することを力説。ブッシュ米政権の先制攻撃戦略の危険に米国内外の警戒感が強まっていることをあげ、「未来は暗くはない」と述べました。

 伊波氏は、自治体首長が先頭に立って基地返還運動に取り組んできた沖縄の歴史を紹介。米議会調査委員会が普天間基地の国内移転を勧告したことについて「受け入れられない。海兵隊は日本全体から撤去を」と述べました。

 志位氏は「『米軍再編』の名による基地強化とのたたかい」をテーマに報告。陸・海・空軍と海兵隊の在日米四軍の「殴り込み」機能と、それを統括する司令部機能の強化が狙われていることを解明しました。

 米海軍・池子住宅地区=池子の森を破壊する米軍住宅増設計画の白紙撤回を求めている逗子市の長島一由市長、厚木基地爆音防止期成同盟の大波修二書記長らからメッセージが寄せられました。

 米海軍・厚木基地の監視行動を続けている「厚木基地を考える会」の久保博夫さん(54)=大和市=は「沖縄での自治体ぐるみの運動は、今、神奈川で起きていることと共通していた。これをどう広げるかが問われている」と話していました。