2005年7月5日(火)「しんぶん赤旗」

都議選の結果について

志位委員長の会見 一問一答


 日本共産党の志位和夫委員長は、三日深夜の会見で都議選の結果についての記者団の質問に次のように答えました。

 (民主党が第二党となり、二大政党となったことで、今後の国政への影響は)

 志位 この四年間を考えてみると、総選挙、参院選挙という二つの国政選挙で、いわゆる「二大政党制づくり」の動きがかなり強まったわけです。そのもとで首都の政党間の力関係で、わが党が押し込まれるという状況がつくられました。

 そうした動きのもとでたたかって、得票率で10%台(結果は15・6%)に押し戻した。そして文京区や日野市という二人区での勝利を勝ち取った。「二大政党制づくり」の動きを打ち破ることができるということを、まだ端緒的ですが、つかんだ選挙となったと思います。

 (民主党の結果についてどう考えるか)

 志位 選挙中に、私たちが民主党にたいしておこなった批判は、道理も根拠もあるものだったと考えています。

 (今後も「二大政党」にたいして「オール与党」という訴えを続けていく考えか)

 志位 これは都政では、まさしく「オール与党」なのです。石原知事の提案する予算案に対しても議案に対してもみんな賛成ですから、まさしく与党そのものです。さらに国政でも、いま目の前ですすんでいる事態というのは、増税の問題でも、憲法の問題でも、社会保障の問題でも、自民と民主の基本的な立場に違いはありません。

 いま「二大政党」といわれている流れが、「オール与党」化の流れだということは、国政でも、地方政治でも、いよいよわかりやすくなりつつあります。この動きの本質にたいする批判は、引き続きおおいにしていくつもりです。

 (サラリーマン増税反対を訴えていたが、どう選挙に影響したか)

 志位 これは、選挙直前の政府税調でもちあがった問題でしたが、私たちは、告示第一声から選挙戦の一つの争点としてとりあげ、いっかんして大増税への都民の審判を訴えました。その手応えは大きく、終盤では争点の一つに浮上しました。

 同時に、増税への態度については、自公とともに民主党も増税派だという批判をおこないましたが、この批判も重要でした。

 (今回は史上二番目の低投票率だったが、それが結果に与えた影響は)

 志位 低投票率の背景には、いまの政治に対する批判、とくに「オール与党」政治に対する潜在的批判があると思います。私たちが注目したのは、無党派の方々の動きです。NHKの「出口調査」では、「政党支持なし」の方々の投票動向について、民主党についで日本共産党が二番目、20%という数字が出ています。無党派の方々のご支持が、わが党に寄せられるようになってきた、この流れの変化を感じた選挙でした。今回棄権された方も、もう一歩変化すれば、私たちの立場に合流するといいますか、支持していただける流れになる潜在的要素があるのではないかと思っています。

 (次期衆院選挙への影響は)

 志位 冒頭にのべたように、今度の選挙は、全体としてみた場合、難しい条件下で重要な成果をえた選挙だったと考えています。つぎの国政選挙での前進の足がかりをつかんだ選挙となったというのが実感です。

 とくに二人区での勝利は、きわめて大切な意味をもっています。今後、「二大政党制づくり」の動きを、本格的に打ち破っていくうえで、端緒的な糸口をつかんだという感じをもっています。文京区や日野市で、どうやって勝利を得たかについて、突っ込んで学んで、今後のたたかいに生かしていくつもりです。

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