2005年8月5日(金)「しんぶん赤旗」

衆議院予定候補者の発表と、
総選挙にたいする基本姿勢について

志位委員長の会見

(大要)


 解散・総選挙をはらんだ緊迫した政治局面が生まれるもとで、この間、候補者擁立のとりくみをすすめてきました。本日、比例代表予定候補者の第二次分、小選挙区予定候補者の第一次分を発表します。

■比例代表と小選挙区の予定候補者について

 比例代表予定候補者は、新たに十五人を発表します。すでに発表している第一次候補者とあわせて三十五人となります。このうち小選挙区に重複立候補しているのは、十九人です。

 衆議院・比例代表選挙でのわが党の目標は、「すべての比例ブロックで議席を獲得し、増やすことをはじめ、議席と得票の前進をめざして奮闘する」ということにあります。この目標にふさわしい比例代表予定候補者の陣容をととのえました。

 なお、東京ブロック選出の山口富男議員は、「この間、消化管出血をくりかえし、議員活動を続けるのが困難になったので、次期は辞退したい」との申し出があり、それを承認しました。

 小選挙区予定候補者は、今回の緊急の事態にそくして、直面する選挙に勝つために、全選挙区での立候補をめざし、最大限の擁立をはかるという方針でとりくみをすすめてきました。その結果、きょうまでに決定した予定候補者は二百四十人となりました。これは第一次分であり、ひきつづき擁立のための努力をはかり、しかるべき時に第二次分の追加発表をすることになります。

■反転攻勢の絶好の機会ととらえ、前進・勝利めざす

 小泉首相は、「参院否決なら解散」とのべていますが、解散カードで国会を脅しつけ、国民にとって有害きわまりない郵政民営化法案を何がなんでも強行するという態度に、まったく道理はないことは、すでに批判してきたことです。

 同時に、解散・総選挙となれば、わが党は、堂々と受けてたち、総力をあげてたたかいます。わが党は、この間の二度の国政選挙で、「二大政党づくり」の動きのなかで後退をよぎなくされ、衆参とも得票で四百数十万票、議席で九議席まで押し込まれました。しかし、その後、一連の地方選挙で、押し込まれたところから押し返す、一連の重要な成果をえてきました。参院選挙いらい三百六十二の地方自治体で選挙がおこなわれましたが、わが党の議席占有率は6・6%から7・8%に前進し、得票合計は参院選比例比で134%となりました。解散・総選挙にさいしては、国政選挙で反転攻勢を実現する絶好の機会としてとらえ、かならず前進・勝利をかちとりたいと決意しています。

 昨日、全国都道府県委員長・選対部長・衆院候補者会議を開き、総選挙にのぞむ基本方針を意思統一しましたが、参加者からは「チャンス到来」とこの事態を受け止める、意気高い発言があいついだことも、報告しておきます。

■自民党政治ときちんと対決できる野党が力をのばしてこそ

 今日の自民党の大混乱の根本には、郵政民営化法案への国民の批判の広がりだけでなく、外交でも、内政でも、自民党政治の路線がいよいよ大本からゆきづまり、深刻な閉塞(へいそく)状況におちいっているという問題があります。日本の政治は、自民党政治の古い枠組みを打開する新しい政治が、切実にもとめられる歴史的時期をむかえています。

 選挙戦の現実の様相は、“自民か民主か、二大政党の選択を問う”という流れが強まることとなるでしょうが、今日の政治のゆきづまりは、この「二大政党」のどちらが勝っても、打開することはできないものです。

 自民、民主は、個々の課題で対立しあうことはあっても、政治の基本のところでは違いはありません。それは、庶民大増税――消費税増税とサラリーマン大増税をそろって推進するという点でも、憲法九条改定を焦点として改憲を競い合うという点でも、明りょうです。戦後六十年にさいして、歴史問題が内外の熱い焦点となっていますが、自民、民主が、この問題にかかわっての日本外交のゆきづまりを打開する力をもたないことは、過去の侵略戦争への反省を避け、逆にその合理化をはかった「国会決議」にそろって賛成したことにも示されています。

 誰がその担い手になろうと、自民党政治の大枠が続く限り、自民党政治ときちんと対決できる野党が力をのばしてこそ、国民の利益に立って、政治の閉塞状況を打開し、希望がもてる新しい政治局面への道を開くことができます。ここに、現在の政治的時期における日本共産党の存在意義があります。このことを大いに訴えて選挙戦をたたかいたいと思います。

■「野党としての公約」を前面にたてて訴えたい

 この選挙戦では、わが党は、「日本共産党は野党としてこういう仕事をおこないます」という、「野党としての公約」を打ち出すようにしたいと考えています。庶民大増税に反対する、憲法改悪反対の国民的多数派を結集する、過去の侵略戦争と植民地支配を正当化する動きを許さない、野党であっても雇用・社会保障・教育などの切実な問題で国民の運動と共同して国政を動かす、世界とアジアの平和をまもる立場で野党外交を積極的に展開するなど、野党としての責任ある「公約」を前面にたてて訴えたい。

 もとよりわが党は、いつまでも野党でよいという政党ではありません。二十一世紀の早い時期に民主的政権をつくることをめざしているし、そこまですすまない限り、国民の希望にこたえる本格的な改革も、日本の進路の平和的な転換も実現しないことを確信しています。しかし、その条件がまだ熟していない今日においては、野党である日本共産党が、現実の政治の上で、また国民の利益と生活にとってどういう役割を果たすのかを、責任をもって明らかにすることが重要だと考えています。

 選挙戦のなかでは、当然、民主的政権への展望もふくめ、日本共産党の路線・歴史・理念などの全体像も大いに語っていくつもりです。