2005年8月31日(水)「しんぶん赤旗」

日本共産党のかけがえのない値打ち

この党を伸ばし、政治に新しい展望を

志位委員長の訴え(大要)


 日本共産党の志位和夫委員長が三十日に東京・JR池袋駅東口でおこなった訴え(大要)は次のとおりです。


 みなさん、おはようございます。日本共産党の志位和夫です。どうかみなさんの大きなご支持を、日本共産党にお寄せください。よろしくお願いいたします。(拍手)

 みなさん、私たち日本共産党は、「いま日本の政治には、たしかな野党が必要です」ということを訴えています。私は、この選挙で共産党を伸ばすことが、国民のみなさんにとってどういう値打ちを持つのか、そのことを四つの点から訴えたいと思うのであります。

国民いじめ・財界応援の小泉政治から、暮らしを守る

 第一に、共産党を伸ばすことは、小泉・自公政権が「改革」の名で押しつけている、国民いじめ・財界応援の政治に、真っ向から対決して、暮らしを守る最もたしかな力になる。そのことをまず訴えたいと思うのであります。(拍手)

■歴代自民党政治のなかでも最悪の財界中心の政治

 小泉首相は「改革を止めるな」と叫んでいます。それなら私は問い返したい。「改革」の名でやられてきたことは一体何だったのか。

 医療費の値上げが連続しました。年金は将来に向けて、負担を増やし、給付を減らすひどいレールが敷かれました。介護保険は、施設に入っているお年寄りから食費と居住費を「ホテルコスト」と称して全額取り立てる、とんでもない改悪の法律が通されました。命を削る社会保障の切り捨てが連続しました。

 「リストラ」応援の政治のもとで、四年間で三百万人を超える正社員が減らされました。パート、派遣など不安定な雇用が増えつづけています。これで一番苦しい目にあっているのが若い方々です。若い方の二人に一人が不安定な雇用。みなさん、人間を物のように使い捨てにする政治には未来はないのではないでしょうか。(拍手)

 その一方で、財界・大企業はバブルのときを上回る空前のもうけをあげています。一つの象徴的な数字をご紹介しましょう。小泉内閣の四年間で、家計の所得は一世帯あたり約四十万円、総額にして十八兆円も減っています。しかし、同じ時期に企業のもうけは十二兆円も増えたのです。いま、大企業の手元には、リストラで搾り取った八十二兆円もの余剰資金があまっています。みなさん、国民のみなさんから吸い上げて財界をもうけさせる、歴代自民党政治の中でも最悪の財界中心の政治が小泉改革の正体だったのではないでしょうか。(拍手)

 日本共産党は、この流れと真っ向から対決して、国民のみなさんの暮らしを守り抜くことをまずお約束するものです。(拍手)

■なぜ共産党は郵政民営化に真っ向反対か   

 郵政民営化も、この流れのなかで、もちあがっている動きなのです。日本共産党は、郵政民営化に真っ向から反対を貫いています。理由は二つあります。

 一つは、国民のみなさんへのサービスが切り捨てられるからです。郵貯・簡保が民営化されたらどうなるか。大銀行がやっていることを見ればいちばんよくわかります。大銀行はもうけにならない地域から店舗を撤退させている。民間銀行などは、この六年間で四千もの店舗を減らしています。私ども共産党は東京・代々木に本部を持っていますが、代々木の駅の周辺にも銀行の店舗は一つもないのです。みんな撤退して機械に変わってしまいました。ですから、代々木の住人は銀行に行こうと思ったら、電車で新宿まで行かないと窓口にたどり着かないのです。代々木にあるのは郵便局だけです。農村だけではない。都市でもどんどん店舗を閉鎖しているのが銀行のやり方ではありませんか。

 それからみなさん、銀行にいきますと何でもかんでも手数料をとりますでしょう。口座を置くだけで手数料をとりだしている銀行もあります。ろくに利息も払わないくせに手数料だけはがっぽりとる。こういうやり方をやっているのが大銀行ではありませんか。郵貯・簡保が民営化されたらこれがひどくなります。身近な金融窓口がなくなってしまいます。高い手数料を払わなければ口座も置けなくなってしまいます。だからこんなことは、国民のみなさんのだれも望んでいないのではないでしょうか。(拍手)

 それでは、だれが要求しているのか。日本とアメリカの大手銀行筋の要求なんですね。大銀行から見ますと、郵貯・簡保が自分たちよりよいサービスで頑張ってるのが、商売の邪魔で仕方がない。そこで民営化してつぶしてしまえというわけです。

 つぶれてしまったら、庶民のみなさんの大切な生活資金の預け先がなくなりますね。仕方なく銀行に預けなきゃならなくなる。その時には高い手数料を取り立ててやろう。手数料を払うのがいやなら、投資信託のような元本保証のないようなリスクの高い金融商品を売りつけてやろう。これが大銀行のもくろみです。

 全国銀行協会は郵政民営化を求めて「郵貯、簡保があると民業を圧迫する」と言っています。「民業」とは、大銀行の商売です。これを「圧迫」するという。

 私は、こんなにあつかましい話はないと思うんですよ。だってみなさん、「不良債権の処理」のかけ声で、大銀行には公的資金を三十五兆円も入れているじゃありませんか。そのうち十兆円が焦げ付いて、返ってこないじゃありませんか。国民を「圧迫」しているのは大銀行の方じゃありませんか。(拍手)

■うそとごまかしだらけの民営化推進論    

 みなさん、これが郵政民営化の正体です。小泉首相は、この正体をかくして国民のみなさんに押しつけようとしている。ですからいろいろ言っていますが、うそとごまかしばかりなのです。

 二つほどいいましょう。一つは、昨日の党首討論会でも言っていましたけど、「民営化すれば公務員が減らせる」。このことをさかんにいっています。

 私たちは、もともと公務員をやみくもに減らせばいいという立場ではありません。三十人学級をやろうとすれば、先生の数はまだまだたりません。福祉を充実させようと思ったら、マンパワーはもっと必要です。防災のことを考えても、消防士さんの数は定員割れです。こういう公務員はもっと拡充してしかるべきです。

 ただ、郵政公社の職員というのは、一般の公務員とは違うんです。郵政公社というのは、昔も今も、独立採算制になっていて、みなさんの税金は、一円も入っていない。ですから民営化したからといって税金の節約になるかのようにいうのは、まったく根拠のないつくり事であります。

 小泉さんはこれを百も承知で言ってるわけですが、こんなごまかしで国民に民営化を押しつけるというのは、許されない話ではないでしょうか。(拍手)

 もう一つは、ここに持ってきた自民党の政権公約のなかにも書いてありますが、“郵政民営化をすると景気がよくなる、年金もよくなる。外交もよくなる”というんです。日本の政治がばら色になるという。

 これはみなさん、いくらなんでもでたらめな話ですね。逆にいえば、景気が悪いのは郵便局のせいでしょうか。年金を悪くしたのは郵便局のせいでしょうか。こんな話はだれが考えても荒唐無稽(こうとうむけい)です。

 しかも、「民営化したら外交がよくなる」というんです。どうなってつながっていくんでしょうか。昨日の討論会でも記者の方から、「いくらなんでも外交までよくなるというのは、こじつけじゃないですか」と聞かれていました。小泉さんは四苦八苦して答えていましたけれども。

 この問題、実は、昨年の九月に日米首脳会談をやっていまして、その場でブッシュ大統領から郵政民営化を要求されて、小泉首相はやります、と約束しているんですね。ここでいっている「外交がよくなる」というのは、何のことはない、民営化したらブッシュさんにほめてもらえるということではないでしょうか。(拍手)

 小泉首相のいっている民営化論は、こういう調子で、一事が万事ごまかしといつわりばかりです。国民にとって百害あって一利なし。喜ぶのは日本とアメリカの大銀行と保険会社だけ。郵政民営化にストップの審判を、これにきっぱり反対を貫いている共産党を伸ばしていただいて、くだしていこうではありませんか。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

自民・民主の「二大政党」がすすめる間違った政治に国民の立場で立ち向かう

 さて、第二に、日本共産党は、自民、民主の「二大政党」がいっしょになって進めている間違った政治に、国民の声を代弁して立ち向かうかけがえのない党であるということを、訴えたいのであります。

■庶民大増税──自