2005年8月20日(土)「しんぶん赤旗」

さあ総選挙

たしかな野党の前進こそ日本の今後決める

「全国は一つ」の心で党、後援会が決起集会

全国350カ所同時に視聴


 総選挙の勝利をめざして「全国は一つ」――。三十日の総選挙公示(九月十一日投票)を目前にした十九日、日本共産党は党後援会とともに、「総選挙全国決起集会」を開きました。東京の党本部大会議場を中央会場に、その模様はCS通信で北海道から沖縄までの全都道府県約三百五十カ所に中継され、同時に決起集会を開催するという初めての試み。中央会場は一、二階席とも満席で一階席ロビーに臨時の会場を設置、千人余が参加しました。集会はマスコミにも公開され、テレビカメラも数台入りました。志位和夫委員長が「総選挙の政治論戦について」、不破哲三議長が「政治のゆきづまりをどう打開するか」と題して報告。党員、後援会員、支持者が「全国は一つ」の気持ちで、歴史的政治戦をたたかう決意を固めました。


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(写真)不破哲三議長の報告を聞く人たち

■志位委員長が報告

 志位委員長は、解散後の政治状況の特徴と日本共産党の立場、政治論戦のいくつかの焦点について報告しました。

 このなかで志位氏は、小泉・自公政権が財界の後ろ盾をえながら、「郵政民営化の是非を問う」「改革を止めるな」と叫び、「政治的攻勢」をかけているが、「この戦略は大きな矛盾をかかえている」と指摘。(1)郵政民営化を“売り物”にしたが、国民の願いとは無縁(2)「郵政」だけで選挙を乗り切れず、危機とゆきづまりを実態とする自民党政治全体が問われざるをえなくなることを解明しました。他方、民主党が、これらの問題で小泉・自公政権の「攻勢」に「対抗する足場がもてないでいる」とのべました。

 これに対し、日本共産党が、小泉・自公政権に正面から対決する立場を打ち出し、庶民大増税や憲法問題など積極的に争点を提起して「意気高くスタートを切った」と強調。「たしかな野党が必要です」という主張が、日本共産党の立場を端的に示し、国民の気持ちに響きあうものとして、評判になっているとのべました。

 志位氏は、郵政問題では民営化に真っ向から反対する論陣をはり、「小泉改革」に対決をつらぬいてきた日本共産党の値打ちがきわだっていることなど、この間の論戦の特徴点を明らかにし、庶民大増税と改憲問題とともに、自公政権、民主党との対比で日本共産党の立場と今後の論戦の方向を解明しました。

 そして「日本共産党の存在意義がかかった歴史的な総選挙です。すべての党員、後援会員の総決起を心からよびかけます」と訴えました。

■不破議長が報告

 不破議長は、戦後六十年を迎えた日本政治の現局面を「自民党政治の総決算的な危機」と特徴づけ、そのゆきづまりを打開し、新しい政治をおこす展望について報告しました。

 不破議長は、世界からみた自民党政治の異常さの特質として、(1)過去の侵略戦争の“名誉回復”をはかる(2)もっぱら「アメリカの窓」から世界を見る(3)“ルールなき資本主義”の国をつくってきた――の三点を指摘。靖国参拝の連続強行、アメリカいいなり、財界・大企業絶対という点で、自民党政治の三つのゆがみを小泉政治はいっそう極端化したことを解き明かしました。

 そのうえで、日本共産党だけが、民主的政権をつくることを大目標にしながら、自民党政治にかわる新しい政治をおこす明確な方針・政策・展望をもっている野党であると強調。(1)間違った政治に反対する(2)国民の要求実現のために奮闘する(3)世界の舞台で野党外交を展開する―の三つの角度から詳述しました。

 同じ野党でも民主党の政権戦略は政治の流れは大きく変えず、政権の担い手だけを変えるだけのものだ、と指摘し、次のようによびかけました。

 「政治のゆきづまりを打開するという大きな展望から言えば、新しい政治の担い手であり、自民党政治の間違った政治と対決する『たしかな野党』日本共産党が、この総選挙でどれだけ前進するか、ここに日本の政治の未来がかかっている。そのことを確信をもってすべての国民、有権者に訴えよう」