2005年9月18日(日)「しんぶん赤旗」

新しい国会で「たしかな野党」として公約実現に力をつくします

甲府市

志位委員長が報告と訴え


 日本共産党の志位和夫委員長は十七日、山梨県甲府市の岡島百貨店前で街頭演説し、総選挙結果について報告するとともに、小泉政治と真正面から対決する「たしかな野党」として国民の暮らし・福祉、平和を守るため全力をあげる決意をのべました。

 志位氏は路上に置かれた演台に立ち、ハンドマイクで演説。訴えはじめると、多くの市民が足を止め、耳を傾けました。

 志位氏は今回総選挙で、日本共産党が四百九十二万票を得て九議席を確保した意義について「本格的な前進に向けたしっかりとした足場を築くことができました」と報告し、党への支援に心からの感謝をのべるとともに、新しい国会で公約実現に力をつくしたいと訴えました。

 志位氏は、「『自民圧勝』の結果をみて、『これから先の日本はどうなるのか』という不安の声も聞こえてきますが、よく見てほしいことがあります」と指摘。「その一つは、自民・公明は、議席では68%を占めたが、得票では選挙区で49%、比例代表で51%でしかないことです」とのべると、聴衆から「ほお」という声がもれました。

 志位氏は、「小泉首相は、選挙戦の結果から『郵政民営化は信任された』といっていますが、得票では賛否が相半ばしているのが実態であり、くわえて首相は選挙戦をつうじて郵政民営化の真実を語らないゴマカシに終始しました」ときびしく指摘。「民営化が国民多数の信任を得たなどということはいえません。選挙後の調査でも多数の国民が国会での慎重な審議をもとめています」とのべ、新しい国会で、民営化法案を徹底審議をつうじて廃案に追いこむために力をつくすことをのべました。

 さらに志位氏は、「もう一つの問題は、首相が、郵政問題以外の国政の重大問題――庶民大増税や憲法改定については、国民にまったく語らなかったことです。国民はこれらの問題で首相に白紙委任状を渡したわけでは決してありません」と力説。「にもかかわらず、選挙後、政府・与党からおこっている動きは、許すわけにいきません」として二つの問題をとりあげました。

 第一は、谷垣財務大臣が「定率減税の廃止」に言及したことです。志位氏は、「自民党の政権公約には『定率減税の廃止』など一言もなく、『サラリーマン増税はやらない』と書かれています。選挙が終わればすぐに増税の計画とは、国民だましの許されないやり方です」ときびしく批判しました。

 第二は、与党が、憲法改定の国民投票法を審議する特別委員会の設置のための国会法の改定をもちだしたことです。志位氏は、「憲法問題でも、与党は、選挙中は、争点隠しに終始しながら、選挙が終われば、すぐに具体的な推進の計画をもちだす。ひどいやり方です。国民投票法の狙いが、憲法九条改定の土俵づくりにあることは明りょうであり、この動きにきっぱり対決したたたかいをおおいにすすめます」とのべました。

 最後に志位氏が、「小泉政治の暴走にストップをかけ、暮らしと平和をまもるうえで、『たしかな野党』・日本共産党の真価を発揮して、新しい国会でおおいにがんばります」とのべると、足をとめた人たちから温かい拍手と声援がおこりました。

 熱心に聞いていた北野艶子さん(77)は「志位さんの話を聞いて、やっぱり私たちの味方は共産党だと思います。憲法九条は変えてほしくない。そのために私も頑張らなきゃ」と話していました。

 日本共産党比例南関東ブロック候補として奮闘した花田仁氏もあいさつしました。