2006年4月12日(水)「しんぶん赤旗」

格差社会ただし、平和と憲法まもりぬく「たしかな野党」――日本共産党の勝利を

衆院千葉7区補選 志位委員長の訴え(要旨)


 日本共産党の志位和夫委員長が十一日おこなった衆院千葉7区補欠選挙での訴え(要旨)は次のとおりです。


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(写真)訴える志位和夫委員長=11日、千葉・新松戸駅前

 政党の値打ちを見極めて選んでください。小泉政治にきっぱり対決し、格差社会をただし、平和と憲法をまもりぬく「たしかな野党」――日本共産党の徳増きよ子さんの勝利をどうかかちとらせてください。(拍手)

 この補欠選挙は、選挙買収での議員辞職にともなう選挙です。昨年の衆院選での選挙買収で、千葉7区の自民議員とともに、高知1区の民主議員も議員辞職をしましたが、国政選挙のたびごとに両党でこうした不祥事がくりかえされる根源には、企業・団体献金、さらに政党助成金があります。政治と金にたいするモラル破壊はここからおこっています。清潔な政治への願いは、どうか日本共産党におよせください。(拍手)

暮らし――格差社会の根源にある三つの悪政をただそう

 第一の争点は、暮らしの問題です。小泉「改革」の名での弱肉強食の政治にストップをかけ、格差社会と貧困をただす政治への願いを、日本共産党にたくしてください。

 一時期もてはやされた小泉「改革」は、その害悪が噴出しています。とくに格差社会と貧困の広がりをどうするかは、選挙の大争点です。これは自然現象ではなく、小泉「改革」の責任です(拍手)。その根には、三つの国民いじめの悪政があります。

人間らしい労働の破壊――民主的なルールある経済社会を

 一つは、人間らしい労働が破壊されていることです。労働者の三人に一人、若者と女性の二人に一人は非正規雇用です。正社員には成果主義賃金という格差がおしつけられ、賃下げ、長時間労働、在職死、メンタルヘルスの破壊がすすんでいます。

 これをつくったのが、小泉「改革」です。労働の規制緩和で、派遣労働、裁量労働を広げ、まともな働くルールを壊してきたのが「構造改革」路線です。これを競ってきたのが、自民、民主ではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 この道をつづければ日本社会の未来はありません。日本共産党は、職場から無法を一掃し、均等待遇のルールをつくるために力をつくします。(拍手)

社会保障の破壊――医療大改悪を許さない

 二つ目は、社会保障の破壊です。格差が拡大したら命綱となるのが福祉です。ところが、年金、介護につづき、史上最悪の医療改悪案がおしつけられようとしています。高齢者の窓口負担を二割から三割に引き上げる。「現役世代との公平」の名で、苦労されてきたお年よりを肩身をせまくさせ、むごい負担増をしいるなど、絶対に許せません。(拍手)

 さらに保険で受けられない医療を拡大する「混合診療」を本格的に導入しようとしています。お金のある人は「高度医療」が受けられるが、ない人は「そこそこ」の医療しか受けられない。所得の格差を命の格差にしていいのかが問われています。

 この根っこには、自分の負担を減らしたい財界と、アメリカの保険会社・医療業界の野望があります。日本共産党は医療改悪ストップの国民へのアピールを発表しました。「窓口負担は増やすのでなく軽減を」「保険証一枚で、だれでも、どんな病気でも、安心してかかれる医療を」――この願いを日本共産党にたくしてください。(拍手)

「庶民に増税、大企業に減税」の逆立ち税制をきりかえよ

 三つ目は、庶民大増税です。格差が拡大したら所得の再配分でそれをただすのが税財政の役目です。ところが庶民から吸い上げて、大企業・大金持ちにそそぎ、格差拡大においうちをかける政治がつづいています。

 小泉内閣の五回の予算編成で国民負担増は合計で十三兆円。そのうえ消費税率を二ケタにする計画がおしつけられようとしています。その一方で、法人税は減税につぐ減税で、税収は十兆円しかありません。減税前の法人税率なら二十二兆円の税収がある計算になり、何と十二兆円もの減税がやられていることになります。さらに株でもうけている大資産家への税金も減らされました。「庶民に増税、大企業に減税」の逆立ち税制をきりかえさせようではありませんか。(拍手)

 格差社会の根源にはこの三つの悪政――大企業中心の政治の異常なゆがみがあります。この根源をただし、「大企業に社会的負担と責任を果たさせよう」と堂々と主張しているのは日本共産党だけです。この党への一票こそ、格差社会をただし、国民みんなが安心してくらせる日本への最もたしかな力です。(拍手)

平和――基地強化・憲法改悪ストップ、異常なアメリカいいなり政治をただそう

 第二に、平和の問題も大きな争点です。アメリカいいなりに基地強化をおしつけ、憲法九条を壊す動きを許さない――平和への願いを日本共産党にたくしてください。

 「米軍再編」の名での基地強化の動きに、全国から怒りの火の手があがっています。政府は、「日本の平和と安全のため」といいますが大ウソです。在日米軍が、イラク戦争のような無法な戦争にいつでものりだせるように、陸海空・海兵隊そろって“殴りこみ”機能を強化することが、いまおこなわれていることです。「平和と安全」どころか日本を無法な戦争の根拠地にしようという話です。日本共産党への一票で、きっぱり反対の審判をくだそうではありませんか。(拍手)

 くわえてたいへんな問題がもちあがっています。この計画のために国民の税金を三兆円も出すというのです。そのうち米領のグアムに海兵隊司令部を移転させるためのカネが九千億円です。こんなことは世界にも、歴史にも例がありません。三兆円といえば、国民一人あたり二・五万円。家族四人で十万円。こんなばく大な税金をアメリカの基地強化のためにくれてやる政治は絶対に許されません。(拍手)

 さらに重大な問題は、この動きが憲法改悪とつながっていることです。「米軍再編」の目的は、米軍の“殴りこみ”態勢の強化とともに、米軍と自衛隊が一体になって海外で戦争をたたかう態勢をつくることにあります。そのために九条改定をすすめようというのです。憲法守れの願いは、こぞって日本共産党におよせください。(拍手)

 基地でも憲法でも、平和を壊す動きの根源には、異常なアメリカいいなり政治があります。日本共産党は、この根源から政治をかえる政党です。日米安保条約をなくして、ほんとうの独立国といえる日本、憲法九条が生きる平和日本をつくることが私たちの目標です。みなさんの平和への思いを、日本共産党におよせください。(拍手)

問われる野党のありかた――「たしかな野党」が必要です

 野党のあり方が問われています。小沢民主党が発足しました。小沢氏は「対立軸路線」をとるといいます。しかし肝心の「対立」の中身、足場が見えてきません。

 小沢氏は、「社会保障の基礎的部分は消費税でまかなう」と主張しています。これでは税率の引き上げ、二ケタ税率になる。「格差」の問題を口にするなら、なぜ格差拡大においうちをかける消費税をあげるのか。(「そうだ」の声、拍手)

 憲法では、小沢氏の一貫した主張は「国連決定があれば海外での武力の行使ができるようにする」というものです。これでは自民党がすすめる海外での武力の行使のための改憲と同じ流れではありませんか。

 この党がくりかえしてきた混迷の根本には、大企業中心、アメリカいいなりという自民党政治の古い枠組みに手をつけず、同じ枠組みの中で政権の担い手だけを取り換えようという立場にたってきたことがあるのではないでしょうか。

 いま求められているのは、アメリカと財界中心の日本から、「国民が主人公」の日本への本物の改革です。新しい政治をおこすたしかな足場をもつ「たしかな野党」――日本共産党への一票こそ、暮らしでも、平和でも、国民の願いが生きる一票になります。みなさんの大きなご支持を心からお願いいたします。(大きな拍手)