2006年5月4日(木)「しんぶん赤旗」

“憲法守るぞ”熱く

“とめよう 戦争する国づくり”

東京 会場あふれる4千人


 自民党が「新憲法草案」をだし、憲法改悪のための国民投票法案の上程が狙われる一方、四千七百を超える「九条の会」が結成されるなど憲法を守り生かす運動が大きく広がる、せめぎ合いのなかで迎えた憲法記念日の三日。全国各地で「憲法九条を守れ」「“戦争する国づくり”を許さない」と集会やパレードがくり広げられました。


 東京の日比谷公会堂では、「とめよう『戦争をする国』づくり 生かそう九条のちから」を掲げ、「5・3憲法集会」(同実行委員会主催)が開かれました。開会三時間半前の午前十時から参加者がつめかけ、四千人を超えました。会場に入りきれない二千人が、場外に設置された大型スクリーンの前にどっかと座り込み、拍手や歓声を送りました。

 「こんなに憲法や九条のこと考えている人がいるんだ。あついなって感じ」と初参加の大学生(21)が驚きの声をあげます。

 入場を待つ列は数百メートルにおよび、「憲法」の文字を書いた傘やのぼり旗がひるがえり、キリスト者の鳴らす、すずが響きました。「毎日の忙しさに流されないよう毎年、参加しています」と女性(22)=主婦=。「憲法や教育基本法の改悪を許せば、自分のやりたいことができない世の中になりそうだ」と男性(24)=アルバイト=が話します。

 集会では、実行委員会を代表し、「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健氏が、平和を願う世論が高まっているとのべ、「世論を力としてまとめ、育てよう」と開会あいさつしました。

 「映画 日本国憲法」のジャン・ユンカーマン監督らの発言に続いて、日本共産党の志位和夫委員長ら四氏がスピーチ。環境問題にとりくむ富山和子さん(立正大学名誉教授)は「日本が世界に誇るのが憲法と緑」と語り、韓国「平和ネットワーク」の李俊揆(イ・ジュンキ)さんは日本国憲法は世界の「共有財産」と訴えました。

 社民党の福島瑞穂党首は、自民党の新憲法草案について、「自衛隊が海外で戦争できるようにするためのもの」と批判しました。

 集会後、銀座までパレード。日本共産党の志位委員長と市田忠義書記局長が先頭を歩きました。


志位委員長がスピーチ

 声援と拍手に迎えられ登壇した志位委員長は、改憲勢力自身の行動によって、何のための改憲かがだれの目にも明らかになってきたと指摘。自民党の改憲案からは、海外での武力行使に道を開くねらい、「米軍再編」からは、米軍が世界になぐりこむさいの基地強化おしつけと日米軍事一体化のねらいが見えてくるとして、「九条改憲のねらいが『海外で戦争ができる国づくり』にあることはいまや明りょうです。この真相を国民に広く伝えるなら圧倒的国民はノーの声をあげるでしょう」とのべました。

 また志位委員長は、国民投票法案が九条改憲という真っ黒い意図とむすびつき、教育基本法改悪が憲法改定の動きと深く連動したものだとのべ、「教育基本法改悪を許さない国民的運動を急速に広げることを心からよびかけます」「憲法改悪反対の一点で国民的多数派をつくるためにともに力をあわせましょう」とスピーチを結びました。