2006年6月8日付「しんぶん赤旗」

教基法改悪反対

志位委員長の講演を聞いて

「国民的大問題」 勇気出し伝えたい

憲法改悪の“さきがけ”策動許さず


 日本共産党が六日、東京都内の党本部ビル大会議場で開いた志位和夫委員長の教育基本法改悪反対の演説会には八百人が参加し、各地の会場でもたくさんの人たちがCS通信中継をみました。大会議場や各地の会場参加者の感想と寄せられた感想文の中から一部を紹介します。

◇会場で

 私立・中高一貫校の英語教諭(二十代の男性) 行動や態度が成績に影響することを気にし、失敗を恐れる子どもが増えています。失敗から学ぶことは多いのです。しかし、子どもたちは失敗したら終わりと感じています。失敗したら「負け組」になってしまうからでしょう。そういう強迫観念を持っています。志位さんは教育基本法が改定されると子どもたちを「勝ち組」「負け組」にふりわける教育が進められてしまうと言っていました。講演を聞いて確信を持ちました。

 東京都港区の北村れい子さん(59)=団体職員= 教育基本法改定と憲法改悪とが一体のものだということがよく分かりました。「憲法九条を守ろう」という運動と世論は広がっていますが、教育基本法改定反対の声はまだまだ広がっていません。私自身、「教育現場の問題」としか認識していなかったことに気付かされました。「国民的大問題」ということが分かり、大変勉強になりました。教育基本法を守っていくことの大切さを、勇気をだして多くの人たちに伝えられるようにしていきたいと思います。

 東京都国立市の伊藤昭暢さん(28)=民青同盟役員= 志位さんは、「愛せる国をつくることこそ政治の責任だ」といいました。就職難などに苦しめられている若者に、「国を愛せよ」と強制するのはおかしいと思います。改定を推進する人たちの本音を改めて知り、教育を語る資格などないと、怒りを感じました。秋の国会にもちこされても、改定のねらいが、戦争をする国や、差別選別の格差社会を支える人間づくりなんだという中身を広く知らせ、廃案にしたい。

 東京都板橋区の坂本一石(かずし)さん(26)=団体職員= 「政治がすべきことは愛国心を強要することではなく、愛していると実感できる国をつくるために国民の利益を守り政治本来の役目を果たすこと」という部分は僕の気持ちと一致しました。教育基本法と憲法九条を変える動きがリンクしていることもよくわかりました。一部のエリートが世の中を動かすという考え方を改悪案に盛り込むという話には疑問を感じます。自分の知識がまだ足りないのでもっと演説会に出かけ学び、知人に会った時には話せるようになりたい。

 埼玉県さいたま市の佐藤栄治さん=NTT職員= 志位さんの話を聞いて、教育基本法改定案の問題点を改めて認識しました。私は職場で“格差”や“競争”というものを実感していますが、これを教育現場にも持ちこもうとしていることに、危機感を感じます。こんな法律をつくらせてはいけません。憲法改悪を阻止するためにも、その“さきがけ”である教育基本法改悪を許せません。

 山田清文さん(66)=愛知県民間教育研究団体連絡協議会副会長、元教員= 国会質問の時より実例をふまえ、自民党の教育基本法改悪案を深く解明していました。特に現行教育基本法第一〇条「国民全体に対し直接に責任を負」うという趣旨は、行政が不当に介在するのではなく国民に顔を向けた教育を行うことだということを明確にしました。改悪案の矛盾がはっきりしました。道徳の授業は現在、学習指導要領で数値による評価は行わないことが規定されているが、「愛国心」が評価の対象となることが心配です。

◇感想文から

 教育基本法と日本国憲法は一体であり、とくに憲法九条の「平和を誠実に希求し」と教基法の「平和を希求する」は一体のものであることがよくわかった。それだけに憲法を変えて“戦争をする国づくり”を目指す勢力は教基法を変えるのに躍起になっている。改定阻止のために運動し、日本の平和、子どもの幸せを守りたい。(秋田県能代市・男性)

 「勉強」という言葉じたい嫌いでした。それは、わからないことばかりで「知ることの喜び」が得られなかったからです。高校では「成績順」で好きな席に着けるという席がえ、習熟度別にふりわけられる授業などがありました。「どーせオレはわからない人間だし」とあきらめばかりが先行していました。先生からも「わからないままにしているお前が悪い」といったことをいわれる人もいました。きょうの話を聞き、改めて教基法がすばらしいこと、本来の教育とは、を認識させられました。改悪など絶対にさせない!と怒りをこめてがんばりたいです。(山形県)

 「自由な空間の中でこそ教育は輝く」はまさにその通りです。政府の改悪案の狙いの解明にとどまらず、「真の教育とは何か」、深い見識に基づく話でした。これだけ教育論を展開できる政党のリーダーはほかにはいません。結びの「子どもの未来を開く教育とは何か、国民的討論をおとなの責任で起こしていこう」のくだりに胸打たれました。(横浜市・男性)

 いまどきの子どもはものごとを自由に考えることが弱くなっています。それだけ個性というものが無視された教育になっている。教育基本法どおりにすればフィンランドのような高い学力がのぞめるのに、戦後からある法なのに守られていないことに憤りを感じます。いま民青同盟の班会でも基本法の学習をしていますが、知らない人が多い。戦前、戦中と教育に国家が介入し、日本は間違った方向に進んでいった。そのときを反省するならば変えるべき法ではないと思う。(宮崎市・女性)

 なぜいま教育基本法を改定するのか、そのたくらみがよくわかった。ライブドア事件などすべてを教育が悪いからと国民が納得しそうな理由を考えて、差別・選別の教育を導入しようとしている。怒りをもって訴えていく必要性を強く感じた講演でした。教育基本法をつくった先人たちの努力、そして世界に誇る法律であること、これを守ることが世界の子どもたちの未来を開く教育につながることを私たちの責任として果たしたい。(千葉県・女性)

 お話を聞けて本当によかったです。教育基本法改悪の問題点は複雑でわかりにくいと思っていました。今日のお話ですっきりした気がします。教育基本法が憲法と同じように世界の中で評価されていることを知って誇りに思います。私は保育士ですが、子どもたちは豊かな心、力をたっぷり持っています。小学校に進学したばかりの子どもたちが「おもしろくない」というと悲しくなります。この子どもたちの未来のためにもがんばっていこうと思います。(福岡県・女性)