2006年6月9日(金)「しんぶん赤旗」

国会最終盤の対応について

CS放送 志位委員長が語る


 日本共産党の志位和夫委員長は、七日放映のCSテレビ「朝日ニュースター」の「各党はいま」に出演し、国会最終盤への対応などについてインタビューに答えました。聞き手は、朝日新聞論説委員の梶本章氏。


国民的な世論と運動を広げ廃案に

 ――国会最終盤に向けたとりくみについて。

 志位 医療改悪法案、教育基本法改悪法案、改憲手続き法案、「共謀罪」法案という四つの国民に害悪をもたらす法案をそろって廃案にするため、最後まで力をつくしたいと思います。

 ――国民投票法案や教育基本法案などは、今国会では成立しないようだが。

 志位 国民の批判の声を反映していると思います。教育基本法改悪問題も、国会終盤になって、全面的に変える案が出てきた。なぜ、いま変えなければならないのか。その中身も国民にはよく分からない。改憲手続き法案も会期末に出てくる。私たちは、中身のどこが問題かをきびしく追及していますが、やり方の面でも国民の強い批判があります。今国会でむり押しはできないという判断も(政府・与党に)あったと思います。

 かりに、継続審議になった場合は、秋の臨時国会で、教育基本法改悪法案や改憲手続き法案を許さないため、閉会中に国民的な運動をひろげ、圧倒的な世論をつくっていきたいと決意しています。

医療改悪法案
―根幹部分にこたえぬ政府

 ――参院で医療法案の審議が続いているが、共産党の論戦は。

 志位 最大の問題の一つが、お年寄りの負担増の問題です。負担増となると受診抑制が起こり、結局、重症化となって医療費の総額がふくれていくという悪循環となることは、過去にもくりかえされてきました。やってはならないことです。

 七十五歳以上のすべてのお年寄りからの保険料の徴収も、問題です。払えない人からは保険証をとりあげ、資格証明書の交付となります。お年寄りいじめもきわまれりというべきものです。

 もう一つの大問題は、公的保険がつかえる分野を狭め、保険のきかない医療を拡大していく――「混合診療」を全面解禁する方向が盛り込まれていることです。所得が高い人は、高度先端医療を受けられるが、所得のない人はそこそこの医療でがまんしてくれということになり、所得によって受ける医療水準に格差ができます。

 全体として、今度の医療改悪をすすめる圧力をかけている大本は、アメリカの医療保険業界と日本の財界だという問題があります。

 こうした根幹部分の問題点で政府はこたえていません。最後まで廃案めざしてがんばりたい。

不正免除問題の根本にあるものは

 ――社会保険庁の年金保険料の不正免除問題が出たが。

 志位 不正免除が許されないことは当たり前のことです。しかし、大本がどこにあるかといえば、社会保険庁自身が現場にノルマを課して保険料の納入率を上げろと成果主義をあおってきたことがある。

 さらに根本問題を考えると、保険料が高すぎて払えない問題があります。そこをたださないでただノルマを課して、納入率をあげろというのでは、解決しません。

 私たちは、最低保障年金制度――国費で土台部分をつくり、その上に掛け金に応じた給付という二階建ての仕組みを提案しています。そこにふみきっていくという年金制度そのものの改革をしないと、問題を大本から解決する道は開かれません。