2006年9月8日(金)「しんぶん赤旗」

深刻な外交破たんの危険

志位委員長が批判


 【ソウル=丸山聡子】日本共産党の志位和夫委員長は七日、ソウル市内での記者会見で、次期首相候補とされている自民党の安倍晋三官房長官が、一九九五年の「村山談話」の踏襲を明言しなかったことについて問われ、「非常に重大な問題であり、より深刻な日本外交の破たんという事態を生みかねない」と、厳しく指摘しました。

 志位氏は「村山談話」について、「国策の誤りとして侵略と植民地支配が行われたという歴史認識が書かれている。これは戦後五十年にあたって、日本が世界とアジアに対して、侵略戦争と植民地支配をどう考えるかについての認識を示した、いわば国際公約だ」と指摘。仮に安倍氏が談話を踏襲しない、破棄するといった場合、「国際的にも大問題になり、絶対に許されない」とのべました。

 また安倍氏が歴史認識について、「侵略戦争、植民地支配について、後世の歴史家の判断にゆだねる」と答えていることに触れ、「この発言自体が『村山談話』と矛盾する」と指摘。「これは『後世の歴史家の判断』の問題でなく、六十一年前に審判を受けた問題だ。戦後の世界秩序の土台を否定する立場に立つならば、より深刻な日本外交の破たんという事態を生む。絶対にあってはならない」と語りました。