2006年11月10日(金)「しんぶん赤旗」

放送の自由踏み破る

放送命令問題 志位委員長が批判


 志位和夫委員長は九日の記者会見で、菅義偉総務相が、NHK短波ラジオ国際放送で北朝鮮による拉致問題を重点的に取り上げるよう放送法に基づいて放送命令を出そうとしている問題について記者団に問われ、「どんな内容のものであれ、政府が特定の具体的内容について放送局に対して命令を出すのは、放送の自由、放送の自主性を踏みやぶるものだ」と厳しく批判しました。

 志位氏は、電波監理審議会が、拉致問題は安倍内閣の最重要課題だからとして、今回の放送命令を「適当」と菅総務相に答申したことにふれ、「そうなると、時の政府が最重視する問題が、公共放送で優先的にやられることになり、まさに放送の国家統制となる」と批判。「戦前の放送が国策によって指示され、“やらせ報道”、世論誘導、虚偽を流した反省の上に立ち、戦後の自民党政府でもそういうことはしないできた。一つの問題で、その一線を超えれば、次の問題でも超えることになる。放送の自由、自主性からして許されない」とのべました。

 また、放送命令を受ける側に対しても、「きっぱりと放送の自由、自主性を守る立場で対応すべきだ」とのべました。