2007年1月15日(月)「しんぶん赤旗」

クチトンネル(旧軍事拠点)見学

志位委員長「勇気と英知に感動」

ベトナム

元兵士が案内


写真

(写真)クチの地下トンネルに入る志位和夫委員長ら党代表団=14日、ホーチミン市(林行博撮影)

 【ホーチミン市=井上歩】志位和夫委員長を団長とする日本共産党代表団は十四日、抗米戦争で南ベトナム解放民族戦線が巨大な地下トンネル網を築いたホーチミン市郊外の旧軍事拠点「クチトンネル歴史遺跡区」を訪れ、同地区でたたかった元兵士から説明を受けながら、同トンネル内などを視察しました。

 志位委員長は「感動で胸がいっぱいです。ベトナム人民のたたかいへの尊敬の気持ちを深めました。日本・ベトナム両国民のさらなる友好を心から願います」と思いを語りました。

 クチトンネルは、米かいらい政権の首都があった旧サイゴン(現ホーチミン市)から約七十五キロ北西にあり、解放戦線が米軍へのゲリラ攻撃を展開した軍事拠点。米軍の激しい空爆と枯れ葉剤散布でジャングルが消え、全長二百五十キロに及ぶトンネル網がつくられました。米軍側に多大な被害を与えたベトナム解放の英雄的象徴で、解放戦線側はおよそ一万八千人が戦闘に参加し、一万二千人が死亡しました。

 志位委員長らは、同地区の戦闘に参加していた遺跡区管理委員会顧問のフイン・バン・チアさん(61)から、食料は自給と地域住民の援助でまかない、米軍の不発弾や武器を奪って自分たちの武器に改造したこと、調理の煙やにおいで米軍に発見されないための工夫をしたことなど、たたかいの様子について説明を受けました。

 志位委員長らは司令部跡、病院跡、井戸など四つのトンネルに入り、暗く、狭く暑い地下の状態を体験。また、現在約四万五千人に達する地域での戦死者、地域出身の戦死者の名前が刻まれている烈士追悼廟(びょう)で線香をあげたり、記録映画を鑑賞し、遺跡区を三時間近く見学しました。

 志位委員長はトンネルの食堂跡で、チアさんに「みなさんのたたかいの勇気と英知に深い感動を覚えました。忍耐強さ、しなやかな強さを感じました。この歴史がいまのドイモイにも生かされていると思います」と感想を述べました。

 チアさんが「すばらしい言葉をありがとうございます。しかし、もし同志たちが同じ状況にいたなら、私たちと同じようにたたかっていたはずです」と応じると、志位委員長は「いまの言葉は、私たちへの最大の賛辞だと、感銘をもって受け止めました。感謝します」とこたえました。