2007年1月15日(月)「しんぶん赤旗」

志位委員長、ホーチミン市党委員長と会談

市場経済と社会主義で意見交換


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(写真)会談を終え、ホーチミン市党委員会のハイ委員長(右)からベトナムの刺しゅうの絵を贈られる志位和夫委員長(左)=13日、ホーチミン市(林行博撮影)

 【ホーチミン市=鈴木勝比古】ベトナムを訪問中の日本共産党の志位和夫委員長は十三日午後、ホーチミン市でベトナム共産党のレ・タイン・ハイ同市党委員長(党政治局員)と会談し、「社会主義志向の市場経済」の問題などについて意見交換しました。

 ハイ氏は、ホーチミン市がベトナムの経済発展をリードする役割を果たしていることを数字をまじえて紹介。同時に「貧困削減プロジェクトを全国に先駆けて取り組んできました」と述べ、「市の予算とともに収益の大きな企業、収入の多い人々からの資金を貧困削減プロジェクトに活用しています」と紹介しました。

 志位氏は「ベトナムの貧困削減は、国連や国際通貨基金(IMF)からも高い評価を受けていますね」と応じました。さらにベトナムのドイモイ(刷新)について、「国家経済と集団経済で、労働者が企業の管理・運営に参加するなど、生産者が主人公となることがどのように位置づけられているかに注目してみてきました」と述べました。

 志位氏は「私たちは生産手段の社会化が社会主義の中心だと考えています。生産者が主人公となる道は簡単ではないと思いますが、ハノイ市のソンロン協同組合、ホーチミン市のハイテクパーク視察などを通じて、みなさんがこの問題を重視していることを感じました」と述べました。

 ハイ氏は志位氏の発言にたいして、「国家経済と並んで重要な集団経済がホーチミン市の国内総生産(GDP)の1%に過ぎないのでもっと育てたい」と述べました。

 また、民間企業と外資系企業の労働者が八割を占めていることをあげ、「この分野で労働者の利益を法律で保障することに注意を払っています。しかし、現実は複雑で、矛盾もあります」と述べ、昨年、外資系企業でストライキが起きたことを紹介。「労働者の合法的で正当な利益を保障しつつ、企業家の利益も考える必要があり、長期の研究を要します」と答えました。

 志位氏がハイ氏の発言に関連して、ノン・ドク・マイン書記長との会談で両党の理論交流を進めることで合意したことを伝えると、ハイ氏は「両党間の理論交流はたいへん有益です」と応じました。

 志位氏は最後に「今回の訪問を通じて、ドイモイの『社会主義志向』が言葉だけでなく、真剣な目標とされていることがよくわかりました。二つの帝国主義に打ち勝ったベトナムがドイモイの事業でも勝利することを願っています」と述べ、ハイ氏は「日本共産党と人民が日本でのたたかいで大きな成果を収めることを期待します」と述べました。

 同日夜、グエン・バン・ドゥア同市党副委員長が歓迎夕食会を主催しました。