2007年2月16日(金)「しんぶん赤旗」

日本共産党をのばし、「巨大開発病」をただそう

福岡演説会 志位委員長の訴え(要旨)


 日本共産党の志位和夫委員長が十二日、福岡市でおこなった演説のうち、地方政治に関する部分(要旨)を紹介します。


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(写真)演説する志位和夫委員長=12日、福岡国際センター

 福岡県議会でも、福岡市議会でも、自民、公明、民主、社民はすべて与党です。選挙の争点は簡単、明りょう、「オール与党」を選ぶのか、日本共産党を選ぶのかにあります。では、「オール与党」の県政・市政の特徴はどうでしょう。

 第一は、「福祉の心」がないことです。自治体は、国が悪い政治をやった時に、住民の福祉と暮らしを守るのが仕事です。しかし、「オール与党」の県政・市政は、国の冷酷な政治にさらに追い打ちをかけています。

「スーパー雪だるま負担増」

 定率減税の半減をはじめとした昨年の「雪だるま負担増」につづき、今年は同減税の廃止で二度目の「雪だるま負担増」です。この時に、福岡市はなにをやったか。

 市独自に四年連続で国民健康保険料を10%も値上げして、十五政令市で一番高い市に。こうなると「スーパー雪だるま負担増」です。年金額二十万円のお年寄りの場合、二〇〇四年の税金と社会保険料負担九万一千円が、〇八年は三十一万九千円に増え、一カ月分を超える年金がなくなります。

 県議会で住民税増税に賛成、市議会で国保料値上げに賛成してきた「オール与党」。日本共産党への一票で厳しい審判を下そうではありませんか。(大きな拍手)

国保証取り上げが全国平均の3倍

 国保証の取り上げも深刻です。福岡県の資格証明書の発行は三万一千百八十八世帯で、国保滞納世帯の21・1%、全国平均6・8%の三倍にも。県は国保証の取り上げ率が全国第二位で「銀」メダル、市の国保料は第一位で「金」メダルですが、どちらもちっともありがたくありません。

 国の号令による国保証取り上げは、全国で三十二万世帯、手遅れで亡くなった方はわかっただけで二十一件に上ります。高すぎて払いたくても払えないのに、病院窓口で十割負担を強いる。命を奪う制度に変えられようとしている時に、県も市も国いいなりで、それを「オール与党」がけしかける。国保証の取り上げをやめよ、保険料の減免をおこなえ、この願いを日本共産党に託してください。(大きな拍手)

生活保護削れの大合唱

 生活保護の問題でも、国が老齢加算、母子加算を廃止するという時に、福岡では、「オール与党」が、生活保護削れの大合唱です。

 県議会の自民党は「二割削って、九十億円削減を」と主張し、市議会の民主党は「他人頼り、役所頼りといった風潮」をただせと。昨年五月、北九州市の市営住宅で男性のミイラ化した遺体が見つかりましたが、足が不自由で働けず、生活保護受給を申請したが、「まず親族の援助を」と拒否された結果です。

 自公民「オール与党」の県政・市政にないのはお金じゃない。「福祉の心」がない。日本共産党を伸ばして、「福祉の心」をとりもどそうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

橋を渡ると…

 福祉切り捨ての一方、「巨大開発病」による品ぞろえは全国有数です。

 以前、北九州で「トンネルを抜けると海だった」(笑い)という白野江トンネルの話を聞きましたが、今度は、山間部(旧上陽町)で、「橋を渡ると道がなかった」(爆笑)という朧(おぼろ)大橋の話です。県が四十億円以上かけてつくり、〇四年に「土木学会デザイン賞」の優秀賞を受賞しましたが、その講評が傑作です。「アーチは細部まで施工がしっかりとされている。付近はよく整備され、橋も素晴らしいが、交通が不便で…」(爆笑)。これでは道楽的な無駄づかいとしかいいようがありません。

公約裏切り

 福岡市の選挙の最大争点が博多湾の人工島問題です。県と市が一体で始めた総事業費四千六百億円の事業で、当初、一円も税金は使わず、造成した土地を売って事業費にあてるといっていました。ところが、土地が売れず、税金による救済策に踏み出し、マスコミも「とまらぬ公金投入」(「読売」)、「どうする金食い島」(「朝日」)と。このままでは、事業費と赤字の穴埋めで三千六百億円もの巨額の税金がつぎ込まれることになり、いまからでも中止を強く求めたいと思います。(拍手)

 こんなばかげた事業が何で止まらないのか。昨年の福岡市長選で、現職の山崎市長を破り当選した吉田市長は、「無駄な大型開発はやめる」と公約しました。しかし、昨年十二月の議会で、「オール与党」に攻め立てられると、「現計画を基本に取り組む」と、裏切り答弁をおこないました。山崎前市長も、八年前に当選した際、「見直し」を掲げましたが、それはすすまず、逆に借金は膨らむ一方でした。

 これは、「オール与党」がそろって計画推進の大合唱をつづけているからです。吉田市長を推薦した民主党は、「計画通り推進しろ」と公約破りを迫りました。市長の顔がかわっても、「オール与党」が議会で大手を振っている限り、無駄づかいは止まりません。これをただす手段は、日本共産党を伸ばす、ここにしかないではありませんか。(「そうだ」の声)

日本共産党のかけがえのない役割

 逆立ちした自治体の中で、日本共産党議員団の果たしている役割はかけがえのないものです。

 一つは、「福祉の心」を持った暮らしの守り手だということです。

 乳幼児医療費助成の拡充では、県では三歳未満が対象ですが、全国で唯一、初診料自己負担制度がありました。これをお母さんたちの運動とむすんでついに無料化を実現しました。福岡市では、就学前までの段階的引き上げを実現しました。

 二つ目は、「巨大開発病」をただす唯一の党だということです。

 オリンピック招致では、みなさんといっしょに取り組んだ反対署名が十三万を超え、これを止めましたが、東京都では、十年後の招致をめざし、高速道路や大会関連だけで八兆円規模の投資をおこなう計画で、都民の暮らしを押しつぶそうとしています。「招致より暮らしを」の運動には本当に道理があったと思います。(拍手)

 第三は、議会の堕落をただす役割です。

 福岡市議会ではこの四年間、海外視察に自民十五人、公明八人、民主五人、社民四人など計四十五人が参加しました。総額で四千九十万三千九百二十二円です。しかも中身は、「フランス・ボルドーの『ワイン祭』」、「ライン川視察」など、豪華海外観光旅行としかいいようのないものがずらりと並んでいます。

 どの問題でも、日本共産党の議席はかけがえのない値打ちを持っています。どうか現有議席を必ず守り、さらに前進させていただくよう、ご支援をよろしくお願いいたします。(大きな拍手)