2007年4月20日(金)「しんぶん赤旗」

日本共産党の全員勝利で全国に誇る矢野市政の前進を

東京・狛江市 志位委員長の訴え(要旨)


 日本共産党の志位和夫委員長が十九日、東京都狛江市内でおこなった街頭演説(要旨)を紹介します。


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=19日、東京・小田急狛江駅前

 十一年間、矢野ゆたか民主市政を誕生させ、守り、発展させてきた狛江市民の良識に心からの敬意を申し上げます。

 全国を歩きますと、自公民「オール与党」自治体が、自治体の本業である「福祉と暮らし」を削り、税金をムダな大型開発や大企業誘致の補助金に流し込む「逆立ち」した政治をすすめている、そのあまりのひどさに怒り、驚くばかりです。そうした姿と対比すると、矢野市政は自治体のあるべき手本を示していると感じます。

 全国に誇る矢野市政の大黒柱が日本共産党の六人の市議団です。(拍手)

矢野市政11年間で市政はどう変わったか

 前市長は大型開発で狛江を借金まみれにし、バカラ賭博で失そうして収賄罪で逮捕されました。矢野市政で市政は「住民が主人公」の方向に大きく変化しました。

 第一に、予算の使いみちが大きく変わったことです。前市政では、予算に占める土木費は33%、民生福祉費24%だったのにたいし、矢野市政では、土木費7・3%、民生福祉費36・7%(二〇〇五年度)まで変わり、予算の「主役交代」がみごとに実現しました。(拍手)

 土木費を減らし、福祉と暮らしの充実にあてながら、公共事業を福祉・生活型に変え、市内業者の仕事を確保する制度もつくりました。小中学校の耐震診断を完了し、順次耐震化がすすめられます。耐震補強のための住宅改修を市が独自に助成する制度を新たに創設する予算も盛り込まれました。

 第二に、「自治体はこうあるべき」という自治体の手本になったことです。乳幼児医療費助成制度では、矢野市政誕生当時、多摩地区では都の制度に上乗せして対象年齢を拡大している市はありませんでした。対象年齢の拡大に踏み出したのが矢野市政です(拍手)。いまでは市独自の上乗せが多摩各市に広がり、狛江市が就学前まで拡大したことで、都の制度も就学前まで広がりました。多摩の他の市を動かすだけではなく、都政まで動かしてきたのが矢野市政です。(拍手)

 第三に、国の悪い政治から市民を守る防波堤になっていることです。介護保険問題では、国の圧力をはねかえし、所得の少ないお年寄りの保険料の全額免除に踏み出しました。法改悪で介護用ベッドの取り上げが問題になったときも、都の制度に上乗せして、普通のベッドも購入費補助の対象にする制度をつくりました。障害者「自立」支援法をめぐっても、通所施設の食事代補助やガイドヘルパー(外出の介助)利用料の半額以下への軽減など、独自の負担軽減策を実施しています。

 「住民が主人公」の方向への変化をさらに前進させようではありませんか。(拍手)

財政問題での野党の攻撃――天につばするもの

 自民、公明、民主など野党は、週刊誌の記事を使って「狛江市の財政ワースト1」「財政にゆとりがない」「第二の夕張になる」などと悪口をいっています。私は、四年前のこの場での応援演説で、「野党の悪口には『法則』があります。自分に返ってくる。天につばするものだということです」とのべましたが、四年たっても狛江の野党には少しも進歩がありません。(笑い、拍手)

 財政の「ゆとり」を奪っている一番の原因は、前市政が残した多額の借金の返済です。前市政は六年間で百四十六億円も借金を増やし、矢野市政が引き継いだときには総額三百十六億円でした。矢野市政は、他の同様の市に比べると十億円も多く借金を返済しながら、東京をリードするような暮らしと福祉の施策をすすめてきたのです。野党は、悪口をいう前に、市政を借金まみれにした前市政を支えた反省こそ必要ではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 さらにいま一つ、財政破たんの危機をはかるいちばんのモノサシは、借金の残高が増え続けているのか、着実に減っているのかにあります。矢野市政のもと、借金総額はピーク時の三百二十四億円から現在は二百八十四億円に四十億円も減少。市民サービスを前進させながら、借金残高を着実に減らしています。野党は、みずからつくった財政破たんから狛江市を救った矢野市政に感謝すべきではありませんか。(「その通り」の声、拍手)

 四年たっても少しも進歩がなく、悪口だけの野党には、選挙できびしい審判をくだすしかありません。(「そうだ」の声、拍手)

共産党6議席のかけがえのない役割

 日本共産党の六議席は、「住民が主人公」の市政を前進させるもっともたしかな力です。三つのかけがえのない役割を訴えたい。

 第一は独自の調査と提案で、市政の前進に力をつくしてきたことです。昨年九月から公立保育園の園庭が地域に開放されました。党市議団が他市の園庭開放を調査し、提案したのがきっかけです。中学校給食も他市を調査し、栄養指導や衛生管理に市が責任をもつボックスランチ方式からはじめ、段階的に改善していく方式を提案して、来年九月から実現します。

 第二は、道理ある提案で、議会全体を動かし要求を実現することです。小田急電鉄が、狛江駅と喜多見駅を朝七時半まで無人駅にする「合理化」をすすめた際に、共産党市議団が他会派によびかけ、小田急に見直しを求める要望書が全会一致で採択されました。それをうけ、朝六時半から駅員が配置されるようになりました。

 第三は、市民の運動と共同して、市政への理不尽な妨害を許さないことです。矢野市長の予算案に野党が反対して否決されたときに、市民とともに早期成立をもとめる運動をおこし、妨害を打ち破りました。

 矢野市政が十一年間前進できた力は(1)市民の運動の力(2)共産党が六議席に前進し、四分の一をこす議席で不信任ができなくなったことで安定した前進が可能になったこと――です。六人全員で矢野市政をさらに前進させようではありませんか。(大きな拍手)